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日本市場で売れた半導体トップはAMD、2位がルネサス

英市場調査会社のOmdiaは、2022年の日本半導体市場における上位10社ランキングを調査した。その結果、1位はAMD、2位ルネサスエレクトロニクス、3位Intel、4位Samsung Electronics、5位ソニーセミコンダクタソリューションズ、となった。以下、Micron Technology 、Infineon Technologies、Analog Devices、東芝、Qualcommとなっている。

表1 日本市場における半導体上位ランキング 出典:Omdia

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表1 日本市場における半導体上位ランキング 出典:Omdia


トップのAMDは前年4位から大きく躍進、前年比58.9%増の29.69億ドルの半導体販売額となった。AMDはゲーム用のデスクトップPCで伸びたという。同社はx86アーキテクチャのCPUに加え、グラフィックス用のGPUも手掛けているため、ゲーム用PCのキモを押さえていると言える。対照的に、AMDと同様パソコン向けのCPUを設計製造している Intelは前年1位から3位へと転落、22.75億ドルと大きく落ちた。AMDもIntelも世界市場と同様な傾向を示している。

2位に入ったルネサスは前年比1.9%減ながら29.2億ドルで、1位のAMDとの差はわずか。同社は海外売上比率を80%弱まで引き上げることに成功しており、同社全体の売上額では前年比51%増の1.5兆ドルを突破した。自動車と産業用・IoTに特化したルネサスは今後も日本市場よりも海外市場の売上増に力を入れるだろう。

前年比で見る限り、AMDに続き最も大きく日本市場で成長した半導体メーカーは、Analog Devicesの21.9%増の13.3億ドルであった。ADIは産業向けのアナログ製品やIoTなどに強く、安定して伸びたという。この売り上げ増の中には値上げ効果も含まれている。昔からADIは買収したLinear TechnologyともどもICの価値を顧客に理解させることを営業の基本としており、値下げせずに、顧客にICの価値を理解させ、サブシステム全体のコストが下がるというメリットで顧客を説得してきた。

前年比18%増のQualcommは、5Gスマートフォン向けチップセットで10.4億ドルを売り上げ、同15.9%増のInfineon Technologiesはパワー半導体とセキュリティチップで売上を14.1億ドルと伸ばした。

メモリメーカーは2社ともマイナス成長だった。Samsungが4.5%減の22.2億ドル、Micron Technologyは8.8%減の14.5億ドルであった。

(2023/03/28)
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