2022年のシリコン出荷面積、売上額とも過去最高を記録
2022年における半導体シリコン(Si)ウェーハの出荷面積が過去最高の147億1300万平方インチ(MSI)となった。これはSEMIのSMG(Semiconductor Manufacturers Group)が発表したもので、2022年は、2021年の141億6500万MSIから3.9%増と増えた。その売上額も前年の126億ドルから9.5%増加し138億ドルと過去最高を記録した。
図1 Siウェーハの出荷面積と金額 出典:SEMIの発表資料をセミコンポータルがグラフ化
2022年は8インチウェーハも12インチウェーハも共に成長し、自動車や産業機器、IoT、5Gなどが成長を後押しした。「シリコンウェーハ産業は、世界的なマクロ経済の後退期にもかかわらず成長し続けている。シリコンウェーハの面積は2013年から2022年までの1年間で9年もプラス成長を遂げてきた」とSEMIのSMG会長で、シリコンウェーハメーカーOkmeticのCCO(チーフコマーシャルオフィサー)であるAnna-Riikka Vuorikari-Antikainen氏はプレスリリース(参考資料1)の中で述べている。Okmetic社はフィンランドをベースにし、MEMSやTSV(Through Silicon Via)を可能したウェーハも出荷する世界7位のウェーハ製造企業である。
SEMIが発表したのは数字だけだが、グラフ化してみて気が付くことがある。2012年から2016年まではシリコンの出荷面積が増え続けているのにもかかわらず、売上額は下がっていったのである。これは単価が下がったことを意味する。この間、ウェーハ価格をユーザー(半導体メーカー)によって下げられてしまったのか、それを交渉もせずそのまま受け入れてしまったのか、知る由もないが、需要と供給の関係に基づく市場経済とは違う方向に向かっていた。2017年以降半導体ブームの到来とともにウェーハ面積と共に売上額も上昇してきたことは、シリコンウェーハ市場が健全になってきたと言えそうだ。
参考資料
1. "Worldwide Silicon Wafer Shipments and Revenue Set New Records in 2022, SEMI Reports", SEMI (2023/02/07)