Omdiaの半導体ランキングではIntelがまだ1位
英Omdiaが発表した2021年の世界半導体ランキングでは、1位は依然としてIntelだったことがわかった。Intelの売上額は前年比0.4%しか伸びなかったが、765.7億ドルを記録した。2位のSamsungのそれは32.1%増と大きく成長したが752.1億ドルだった。これまで発表された市場調査会社との違いは何か。
図1 Omdiaが発表した半導体メーカートップ10位ランキング 出典: Omdia
Omdiaのランキング(参考資料1)ではファウンドリ企業は含まない。合計の数字が市場規模を正確に表せるようにしているためだ。ファブレス企業にとってファウンドリの売り上げに相当する金額はコストであり、半導体市場を表さない。このため、TSMCやUMCのようなファウンドリ専門メーカーは含まれていない。
ただし、Samsungの数字は、Samsungからファウンドリ部門収入を除いているのかどうかは不明である。ウォン-ドル交換率が不明なためだ。また、Samsungの決算発表資料(参考資料2)ではメモリとそれ以外、という分け方しかしていない。メモリ以外の製品やサービスには、SoC(自社向けのモバイルプロセッサ)や、ディスプレイドライバIC、CMOSイメージセンサなどの非メモリ半導体製品とファウンドリ事業が含まれている。半導体事業全体で94.16兆ウォン、メモリ事業は72.60兆ウォンであり、現在のウォン -ドル交換率1ドル=1210ウォンで換算すると、半導体全体が778億ドル、メモリ部門だけなら600億ドルである。このところ、日本の円安と同様、ウォン安傾向にある。
2021年の第1と第2四半期まではIntelがリードしていたが、第3と第4四半期はSamsungの方がリードしていたとしている。上位10社の内、全て16%以上の二桁成長だが、Intelだけがほぼ横ばいにとどまっており、しかもメモリ需要がプラスに見込まれているため、2022年はSamsungがトップになることは間違いなさそうだ。
DRAM市場は42%成長、NANDフラッシュは23%成長したことで、メモリメーカーであるSamsungは32%成長した。この数字は世界半導体全体の成長率である24.1%よりも大きい。
この表からすぐにわかることは2021年の半導体市場が24.1%成長し、5868億ドルに達したことだ。わずか1年で1000億ドル(12兆円)も増えたのである。2018年にこれまで最高の4847億ドルを記録したが、19年は落ち込み、20年は回復し、21年は大きく成長した。2018年の数字と比べても1000億ドル以上も販売額は多い。
Omdiaは、毎年247社の半導体メーカーを調査しているが、2021年はこの内の59%に当たる145社が20%以上の成長を遂げた。2000年から2020年までの年平均成長率は6.8%だったことから見ると2021年の24.2%成長は大きな数字となっている。特に第4四半期の勢いが強く、前四半期で3.6%成長の1591億ドルに達した。これまでの長い半導体の歴史の中で前四半期比の平均成長率は0.6%だったことから、2021年第4四半期は極めて大きな勢いがあったといえる。
参考資料
1. "Samsung retains top spot in Omdia Q4 2021 semiconductor market analysis", Omdia (2022/03/28)
2. Earnings Release Q4 2021, Samsung (2022/01)