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アナログICの2020年世界半導体ランキング

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2020年におけるアナログICの世界トップ10社ランキングを市場調査会社のIC Insightsが発表した。トップのTexas Instrumentsは、前年比6%増の108億8600万ドルとなり、2位のAnalog Devicesが同1%減の51億3200万ドルであったため、差を広げたことになる。全アナログIC市場は、570億ドル(6兆2100億円)であった。

表1 2020年におけるアナログIC世界ランキング 出典:IC Insights
Leading Analog IC Suppliers ($M)


アナログICは寡占化されずに中小企業が活躍できる健全な市場である。上位10社を合計しても354億ドルにすぎず全アナログIC市場の62%に留まる(参考資料1)。圧倒的に強いTIでさえ、アナログIC市場は19%のシェアしかない。各社が自分の得意な技術で市場を狙えば、勝負できる市場でもある。しかも、これからのDX(デジタルトランスフォーメーション)には欠かせない回路である。センサと直結できるためだ。民生だけではなく、コンピュータや通信、クルマ、産業用・医療用、さらには全分野にまたがる電源用IC(PMIC)の需要も大きい。

IC Insightsの調査では、アナログ専業ではなくデジタル製品も持っているメーカーが多いため、各社の全ICの中からアナログだけを抽出している。また、1チップの中でA-D/D-Aコンバータのようにデジタル回路も含むミクストシグナルICは、1チップ上でアナログ回路の面積が多い製品をアナログICと定義している。

1位のTIは、全半導体売上額145億ドルの内、ICが136億ドル、その内のアナログIC製品が80%という構成である。2020年は約半分が300mmウェーハで製造されており、コスト競争力が高い。裸のチップで200mmウェーハと比べて40%コスト削減し、パッケージに入れても20%削減されるとしている。現在の300mm工場のあるリチャードソン工場の隣接地にさらに300mm工場を新設することで半導体供給不足に対応する。稼働は2022年になりそうだとしている。

第3位のSkyworksは、新型コロナの影響で昨年初は良くないがその後の急激な回復で、同24%増と大きく伸ばし、前年の5位から3位に浮上した。スマホのRF受信ICと送信のパワーアンプなどが大きく伸びた。基地局需要もあった。特に5GとWi-Fi 6向けのRF ICで大きく伸ばした。Samsungや中国のOppo、Vivo、小米などのスマホに採用されたことで伸びた。

Infineon Technologiesは同2%増の38億2000万ドルと着実に成長したが、昨年の3位から順位を一つと落とした。車載半導体が昨年良くなかったため、全ての車載半導体メーカーは大打撃を受けたが、後半の回復をモノにしてプラス成長を遂げることができた。同じ欧州STMicroelectronicsは1%減、NXP Semiconductorは4%減、米国のON Semiconductorは8%減となり車載半導体メーカーは軒並みマイナス成長に陥った。Infineonは買収したCypress Semiconductorのアナログ製品が加わったために減収にならなかった。

参考資料
1. Texas Instruments Continues As World’s Top Analog IC Supplier (2021/06/02)
2. アナログICランキング、工業用強化で落ち込みを最小にとどめるトップ集団 (2020/06/03)

(2021/06/04)

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