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アナログICランキング、工業用強化で落ち込みを最小にとどめるトップ集団

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2019年におけるアナログICメーカーのトップテンランキングがIC Insightsから発表された。第1位のTexas Instrumentsは102億2300万ドルと前年比5%減ながらトップを維持した。アナログではTIが断トツ1位を続けている。IC Insightsは、アナログIC全体の成長率を出していないが、計算すると前年比は8.6%減になる。算出方法を示そう。

表1 アナログICの世界ランキング 出典:IC Insights

Leading Analog IC Suppliers ($M)


IC Insightsによると、2019年の全アナログIC市場は552億ドル。この内、上位10社は62%の342億ドルであった。これに対して、2018年における上位10社合計は60%しかなかったという。この二つの事実から2018年における全アナログIC市場が求まる。2018年における上位10社の合計額は、362億ドルでこれが全体の60%であることから、全体は603.7億ドルが求まる。2019年が552億ドルだったから、前年比8.6%減になる。

この8.6%減を中央値と考えて、1位から10位までを眺めると、減少率の少ない企業が良い業績だと評価できる。ここではMicrochipの10%増が最も良いが、これは2018年5月に買収を完了したMicrosemiの売り上げも加わっている。

次に良いのはInfineonの1%減である。車載(44%)、パワーマネジメント(30%)、工業用電力制御(18%)、チップカードとセキュリティ(8%)と工業用途で落ち込みを食い止めた。欧州勢はInfineonだけではなく、STMicroelectronicsとNXP Semiconductorsも3%減にとどまり、まずまずの業績であった。前年4位のSkyworksはスマートフォンの不振によって前年4位から19年5位に落ちた。

第1位のTIは、全売上額137億ドルの75%がアナログICで、アナログの強みを推進している。第2位のAnalog Devicesは、2017年にLinea Technologyを買収したことで製品ポートフォリオが広がり、「センサからクラウドまで」、「DCから100GHz以上へ」、「nWからkWまで」を標ぼうするようになった。

(2020/06/03)

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