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ファウンドリメーカーの最新世界トップテン、TSMCは30%成長

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2020年第2四半期における世界のファウンドリ上位10社ランキングをTrendForceが発表した(参考資料1)。それによると、トップのTSMCはますます売り上げを伸ばし、市場シェア51.5%と過半数を握った。第2位はSamsungが定着し、3位GlobalFoundries、4位UMC、5位SMICとなった。

表1 2020年第2四半期における世界のファウンドリトップテン(見込み) 出典:TrendForce

Table: Ranking of the global Top 10 Foundries by Revenue, 2Q20 (Unit: Million USD)


上位10社でファウンドリ市場の96.4%を占めるようになり、第2四半期(Q2)における年率成長率は23.1%増にもなった。10社合計の金額は189億ドルになる。

首位のTSMCは、前年同期比30.4%増と驚異的な成長率で101億500万ドルを売り上げた。特に7nmの先端プロセスを利用する5G通信向けのAPU(アプリケーションプロセッサ)やデータセンター向けのHPC(高性能コンピュータ)、テレワーク需要のCPUやGPUなどが売り上げに貢献したようだ。TSMCのQ2における決算報告は7月になりそうだが、Q1では売上額の35%が7nmプロセス製品だった。7nmプロセスではAppleと、華為の子会社HiSiliconが2大ユーザーだが、米中貿易戦争によりHiSiliconの製品をこれ以上扱うことが難しくなる。少なくとも9月以降はHiSiliconから受注しないことを決断した。

となると、TSMCの売り上げに大きな影響を及ぼすだろうが、Q2の6月末時点ではその影響はまだ出てこない。Q2では、HiSilicon以外の先端プロセスのクライアントには、AMDやMediaTek、Nvidia、Qualcommがいる。また、TSMCのQ2での売上額は、Q1での決算発表で示した101〜104億ドルの間という指針から外れていない。

2位のSamsungも7nmプロセスを持つファウンドリであるが、TSMCよりもやや遅れており、現在EUVを使うプロセスを拡大中である。7nm当先端プロセスが必要のないCMOSイメージセンサやディスプレイドライバICの需要が強かったようだ。7nmプロセスで出遅れた分、成長率は同15.7%増に留まり、TSMCとの差を広げられた。

5位のSMICは、今期、300mmウェーハのNORフラッシュとeNVM、200mmの電源ICと指紋センサ、汎用マイコンなどで同19%増となったが、今後華為あるいはHiSiiconからの注文が期待される。

上位10社の内最も大きく伸びたのは台湾のPowerchip Semiconductorで、71%増と最も大きく、その売上額は2億9800万ドルになり、6位のTower Semiconductorの3億1000万ドルに迫ってきた。最大の要因はIP(Internet Protocol)カメラや、初級・中級向けスマートフォンのCMOSセンサチップ、あるいはセキュリティ・監視カメラ向けのCMOSセンサが中国市場で安定的に伸びたことだ。

今年の後半には、新型コロナ感染拡大による影響と、米中貿易戦争の影響が出てくるため、先行きは明瞭ではなくなりそうだ。

参考資料
1. Total Foundry Revenue Increases by 20% YoY in 2Q20, While Market Uncertainties Remain in 2H20, Says TrendForce (2020/06/11)
2. 直近のファウンドリランキング、2桁マイナス成長企業が続出 (2019/06/26)

(2020/06/12)

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