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1億ドルを超える売上高の中国ICデザインハウスは倍増成長

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 現在、売上が1 億米ドルを超える中国のIC デザインハウスは8 社に達し、昨年より倍増となった。中国のIC 設計(デザインハウス)産業は、健全かつ高度成長の段階に入り、比較的大きなデザインハウスが育ちつつある。

 2006 年中国のIC 設計(デザインハウス)産業規模(香港を含む)は、220 億元(3,080億円)〜240 億元(3,360 億円)に達するものと見込まれる。

 2005 年の中国地場のIC 設計(デザインハウス)産業規模は150 億元(2,100 億円)、香港を含むと190 億元(2,660 億円)に達している。中国のIC デザインハウスは、約400 社以上に達しているが、業界統計では僅か25%の企業しかカバーしていない。それは、多くの企業がまだ事業展開の初期段階にあるため、統計するのが困難であるからである。また、一定の企業規模と経済実力を有する企業のみを統計の対象にしていることもある。

 この400 社以上の中国IC デザインハウスのうち、20 社前後の企業の売上だけでデザインハウス業界全体の50%以上の売上を占めている。現在、北京地区、上海を中心とした長江デルタ地区、深センや珠海、香港を含む珠江デルタ地区に、中国のIC デザインハウスが集中している。

 2005 年には1 億ドルの売上規模に達する中国のIC デザインハウスは4 社であったが、2006 年には10 社を超えるものと見込まれる(現時点で8 社が1 億米ドルの売上中国のデザインハウス産業は、飛躍的な発展と共に、特許や知的所有権に関する意識も高まってきている。2005 年に中国のデザインハウス産業では、70 件以上の特許を持った企業が約10 社に達している。


売上高2億元(28億円)以上の中国ICデザインハウスの地域分布


 例えば、中国第2 世代の身分証明書用IC カードは中国勢独自の知的所有権である。また、華為、中興、大唐なども全て自社開発によるハイエンド製品向けのコアIC 設計に着手している。このほか、新興企業として注目されている海外から帰国してきたエンジニア(海亀)が立ち上げた上海昂宝、上海智多微電子なども、自社開発によるIC に多数の特許を取得している。上海昂宝は、設立してから僅か20 カ月しか経っていないが、DC/DC 、DC/VC 電源スイッチ向けIC 設計を中心に取り組んでおり、既に14 件の国家特許を取得し、7 件の特許を申請中である。上海智多微電子は、設立してから3年未満で、すべて独自開発でポータブルAV 用のIC などに注力しており、3 億元(42億円)の売上規模に達している。

 一方、中国のデザインハウス産業の急速な発展につれて、新規企業の参入、既存企業の倒産による撤退、企業間の合併などが起こっている。中国の業界関係者によると、2006 年は中国IC デザインハウスの合併と倒産社数が50 社前後で、この先5 〜10 年の間は企業の新規参入や事業撤退で大きく変動しながら健全的に発展していくだろうと見られている。


セミコンダクタポータルのコンテンツパートナー、アレグロ インフォメーション・インク(以下アレグロ)による、中国のエレクトロニクス・半導体・液晶分野のマーケット情報です。アレグロは、同社独自の調査及び、中国国家統計局、CCID、中国電子報、経済参考報、国際金融報などから得たフレッシュな情報をベースに、特に中国のIT、エレクトロニクス、半導体・液晶関連の情報収集・提供、分析、調査を行っています。今回、提供したのは、同社の月刊レポート「中国レポート:Electronics and Semiconductor China」の2006年11月号からの一部抜粋です。

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