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中国のファウンドリ市場が連続2桁成長

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中国市場向けのファウンドリサービスが増えている。中国ファウンドリ市場が2015年に48億500万ドルだったのが、2016年に60億1000万ドル、2017年には69億5000万ドルへと成長する。このような見通しを市場調査会社のIC Insightsが発表した。

図1 中国におけるファウンドリ専門メーカーの販売額 出典:IC Insights

図1 中国におけるファウンドリ専門メーカーの販売額 出典:IC Insights


中国向けのファウンドリサービスを手掛けている半導体メーカーのトップはやはり、TSMCで、2017年には31億7000万ドルになる見込みだ。中国向けファウンドリサービスの46%ものシェアを取っているが、TSMCとしての地域別売り上げでは全売上額の10%にすぎない。それでも、TSMCにとって中国市場の成長は高く、2016年は25.5%増になり、2017年は19.4%成長と伸ばす見込みだ。

中国におけるファウンドリサービス市場が増えているということは、中国にファブレス半導体企業が増えており、ファウンドリへ発注する量が増えていることへの裏付けでもある。現実に中国では地場の半導体メーカーが中国市場に出している金額は極めて少なく、中国の半導体市場は2014年時点でさえ、1500億ドルの大幅な輸入超過に陥っている。すなわち毎年16〜17兆円以上のドルが中国から流出していることになる。これを踏まえれば、中国政府が5年間に4兆円を半導体に投資しても、大した金額ではない。

中国のファウンドリ市場もじわじわと成長している。中国におけるファウンドリビジネスの割合は2015年が10%だったが、2016年11%に、2017年は13%に増えていく見込みだ。それに伴い、2017年後半から2018年にかけて中国でのファウンドリ工場の増強計画もある。IC Insightsによると、UMCの合弁企業は、2016年11月から300mm工場で40nmプロセスの製品を量産し始めたという。今年の後半には28nmプロセスの製造も始めるとしている。

中国政府は、中国以外の国で製造するファウンドリサービスではなく、中国内で製造するファウンドリは輸入超過を解消する方向なので、工場拡張や新設を歓迎している。中国でのファウンドリ工場の拡張・新設の計画事例は以下の通り;

・UMCは福建省晋華集成電路(Fujian Jin Hua IC)と共同で、福建省に32nmプロセスのDRAM工場を建設し生産していく。UMCが開発したDRAM技術を使う。
・GlobalFoundriesは成都市政府と共同で2017年第1四半期に300mmウェーハ工場を建設し、2018年初めに生産する予定だ。130nmと180nmの製品を製造する予定。
・TSMCは、南京に30億ドル投資した工場を建設し始めた。16nmプロセスのICを生産するファウンドリ工場で、2018年後半に生産を始める予定。
・TowerJazzは、南京に200mmのファブを作ることでTacoma Semiconductorと合意した。TowerJazzが生産能力の50%アクセスできるようになり、Tacomaが全額投資する。

(2017/10/06)

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