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メモリ市場は2017年、10%成長へ、IC Insightsレポート

2017年のメモリ市場は10%で成長すると、米市場調査会社のIC Insightsが発表した。2015年、16年と2年続けて供給過剰による平均単価の値下がりによってメモリ市場は下落していたが、17年はようやく上向きそうだ。

図1 メモリ市場の未来予測 出典:IC Insights

図1 メモリ市場の未来予測 出典:IC Insights


半導体メモリはこの2年間下落傾向を示してきたが、2017年はようやく上昇に向かいそうだ。2015年は前年比3%減の780億ドル、2016年も1%減の773億ドルが見込まれているが(参考資料1)、回復の兆候はすでに出ている。特に2016年は前半まで前年の落ち込みを引きづってきたが、後半の半導体市場全体が回復基調で、7月以降毎月、プラス成長で推移している。

ここ最近はメモリ価格の上昇が目立つ。例えば、アジアの市場調査会社であるTrendForce傘下のDRAMeXchangeは、10月におけるパソコン用DRAMの4GBモジュールの価格が前月比2.86%上昇し、この11月に18ドルに達するだろうとの見込みを発表している(参考資料2)。同社によると、DDRとDDR4の4Gビット品は10月にそれぞれ6%、2%値上がりし、2.6ドル、2.53ドルになったと述べている。

IC Insightsはメモリ全体として2017年は853億ドルに膨らみ、2020年には1000億ドルを突破し、2021年には1100億ドルに成長すると予測している。2016年から2021年の間の年平均成長率CAGRは、7.3%になり、これはIC全体の市場よりも2.4ポイント大きい。すなわち、メモリメーカーは当分潤うという意味だ。ビット需要のCAGRは5.6%だが、これまで下がり過ぎていた平均単価がCAGRで1.8%上昇することで、売り上げのCAGRがビット需要のそれを上回ると見ている。

メモリ市場は主にDRAMとNANDフラッシュが大部分を占めているが、DRAM市場は2013年、14年と強い成長を遂げたが、2015年は3%減、16年は10%減になる見込みである。しかし、2017年は11%で成長すると見ている。DRAMeXchangeは、売上額ではないが、ビット供給は20%弱で増加すると見ている (参考資料3)。その要因は、DDR4とLPDDR4がけん引するためとしている。

NANDフラッシュは2016年も実はプラス成長するが、17年も堅実に10%成長するとIC Insightsは見ている。


参考資料
1. Total Memory Market Forecast to Increase 10% in 2017, IC Insights (2016/12/20)
2. Average Contract Price of PC DRAM 4GB Modules Rose to $US18 in Novemver, Says TrendForce (2016/12/07)
3. Prices in DRAM Market Will Keep Rising Through 2017 As Annual Bit Supply Is Projected to Expand by Less Than 20%, Says TrendForce (2016/12/14)

(2016/12/21)

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