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半導体・FPDとも製造装置の好調続く

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2016年4月における日本製半導体製造装置の受注額は増え続け、前月比5.2%増の1361億3400万円、販売額も0.9%増の1174億3400万円となり、B/Bレシオは1.16という健全な値を維持している。受注額の増加は6カ月連続となった。

図1 日本製半導体製造装置の受注額・販売額・BBレシオ 出典:SEAJ

図1 日本製半導体製造装置の受注額・販売額・BBレシオ 出典:SEAJ


3月のB/Bレシオは前月の1.41から1.11と落ちたため懸念する向きがあったかもしれないが、これは販売が受注(需要)にようやく追いついた、と見るべきだろう。3月は年度末であるため、販売額が増えたが、経済的な大きな揺れがない限り5月の販売額もほぼ同額だろう。数字は全て3ヵ月の移動平均値であるから、3月の年度末で支払い額、売上額共伸びた影響が5月まで続くからである。先月「日本製半導体製造装置、当分の見通しは明るそう」(参考資料1)というタイトルを付けたのは、B/Bレシオが1.41から1.11に下がったことに対する不安は、それほどではない、と信じたからだ。

ただし、どこまで伸び続けるかは今のところ予想できない。市場が作りすぎだと判断すれば受注は止まるだろうし、期待が続けば伸びは続くだろうが、いつかは止まることを心がけておく必要はある。


図2 日本製FPD製造装置の受注額・販売額・B/Bレシオ 出典:SEAJ

図2 日本製FPD製造装置の受注額・販売額・B/Bレシオ 出典:SEAJ


半導体製造装置と同様、FPD製造装置も順調になっている(図2)。4月における受注額は592億8000万円、販売額は308億1000万円、B/Bレシオは1.92となっている。FPD製造装置の中には液晶ディスプレイ製造装置と有機ELディスプレイ製造装置があるだろうが、ここではほとんどが液晶と見てよい。

最近の新聞紙上で、有機EL用の製造装置の記事を見かけるが、これらの装置は量産機への対応が始まったばかり。例えば5月18日の日本経済新聞には、SCREENがポリイミド塗布装置の量産対応機に参入し、キヤノントッキは有機発光層を形成する真空蒸着装置の生産能力を2倍に上げる、というニュースがあった。iPhoneの将来の機種(iPhone 8以降と思われている)に有機ELが搭載されると言われており、それに備えた動きである。これまでは実験機が多く、量産機はこれから増えてくるだろう。


参考資料
1. 日本製半導体製造装置、当分の見通しは明るそう (2016/04/21)

(2016/05/23)

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