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シリコンウェーハ面積はこの1Qに下げ止まった

シリコンウェーハの面積が、2015年第2四半期をピークに、第3、第4四半期と低下してきたが、2016年第1四半期になり、ようやく下げ止まった感が出てきた。第1四半期におけるウェーハ面積は前四半期比1.3%増の25億3800万平方インチとなった。

図1 シリコンウェーハ面積の推移 出典:SEMI

図1 シリコンウェーハ面積の推移 出典:SEMI


メモリの在庫が増えてきたことで昨年の後半からしばらくの間、半導体の販売額が低下しており、ウェーハ出荷面積は下がり続けた。やや停滞感が漂っていたが、2016年第1四半期にようやく増加傾向が現れた。ただし、前年同期で比べると3.8%の減少であり、まだ回復には至っていない。

今年の見通しに関しては、SEMI Silicon Manufacturing Group会長で、ドイツSiltronic上級副社長のVolker Braetsch氏は「昨年の過去最高の出荷面積を今年超えるかどうかは、まだわからない」と述べている。実際、半導体の面積が下げ止まったことは在庫がはけたとみてよいだろうが、スマートフォンの成長鈍化とパソコンの衰退を見る限り、強いエンジンは今のところ見えないからだ。IoTへの期待は大きいが、けん引役にはまだなっていない。もう少し、様子をみる必要がある。

(2016/05/17)
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