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半導体製造装置は好調、FPDも正常化へ

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SEAJ(日本半導体製造装置協会)が発表した2016年2月の日本製半導体製造装置の受注額は依然として伸びを示している。販売額は対前月比1.4%の微増だが、受注額は同6.4%増と伸びている。この結果、B/Bレシオは1月の1.35から1.41と上がっている(図1)。

図1 日本製半導体製造装置の受注額・販売額・B/Bレシオ 出典:SEAJ

図1 日本製半導体製造装置の受注額・販売額・B/Bレシオ 出典:SEAJ


製造装置の受注額は、2015年10月の828億6000万円を底として伸び始めているが、装置業界でもその頃から受注が動き出したという声が聞こえていた。その後、4カ月連続でプラス成長を歩んできた。販売額は9月の1263億8600万円から下降気味で、1月の880億4400万円に下がり、2月でようやく上向いた状況である。ただ、受注額と販売額のかい離が大きくなりすぎると要注意となるが、販売額の低下に歯止めがかかってきたので、3月は販売額が上昇志向になることを期待する。


図2 日本製FPD製造装置の受注額・販売額・B/Bレシオ 出典:SEAJ

図2 日本製FPD製造装置の受注額・販売額・B/Bレシオ 出典:SEAJ


日本製FPD製造装置の受注額は410億5400万円、販売額が296億5400万円と、依然としてかい離は大きい(図2)が、2015年12月の2.04というB/Bレシオをピークにして、1月、2月と下がってきたことはむしろ望ましい。B/Bレシオが大きすぎたり小さすぎたりすると、むしろ要注意で、通常の取引とは違う何かが動いていると見る方が良さそうだ。

この1年間を通じて、受注額と販売額のかい離が激しい状況は、健全ではなかった。注文が多く来ているのに、それに応える製品を出してこなかったFPD製造装置の裏側には、どうやら中国の動きがあったようだ。液晶パネルの生産はもはや、日本と韓国、台湾から中国へとシフトしてきている。韓国勢は生産調整に入っているのに、中国の液晶メーカーは市場と関係なく作りすぎ、在庫の山になっていると言われているからだ。販売を抑えてきたこの1年は間違っていなかったといえそうだ。

参考資料
1. 好調、日本製の半導体製造装置、海外半導体の設備投資意欲高い (2016/02/23)

(2016/03/29)

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