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日本製半導体製造装置の回復は本物

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2015年12月24日の記事で、「半導体製造装置市場がやっと上向きに」と伝えたが(参考資料1)、それを裏付けるかのように、日本半導体製造装置協会(SEAJ)は、2015年12月における日本製半導体製造装置の受注額が1112億8200万円、販売額は923億8600万円、B/Bレシオは1.20になったと発表した。

図1 日本製半導体製造装置の受注額、販売額、B/Bレシオ 出典:SEAJ

図1 日本製半導体製造装置の受注額、販売額、B/Bレシオ 出典:SEAJ


実際、半導体製造装置はこの1ヵ月以内の間に、景気が戻りつつある、という声を複数のソースから聞いていた。やはり、上向きは事実だった。B/Bレシオは6月以来の久々の1.00を超えた。夏の落ち込みは誰しもが経験しており、半導体産業の後半は大きく落ちると言われていた。しかし、この図1を見る限り、それほど深い谷ではなく、在庫調整が終わったという程度に過ぎなかった。販売額の下げ止まりは間もなく起きるだろう。

現実に、TSMCがiPhone 6sのファウンドリを請け負い、投資の意欲を見せている。さらに中国の南京にも300mmの工場を建設する計画を表明している。製造装置が上向いている。さらによいニュースとして、これまでAppleのアプリケーションプロセッサのファウンドリを請け負っていたSamsungが今度はQualcommの新型プロセッサ、Snapdragon 820を製造することが決まったというニュースも入った。


図2 日本製FPD製造装置の受注額、販売額、B/Bレシオ 出典:SEAJ

図2 日本製FPD製造装置の受注額、販売額、B/Bレシオ 出典:SEAJ


FPD製造装置は相変わらず、受注額と販売額がかい離したままだ(図2)。受注額は、516億2600万円、販売額は252億5200万円、B/Bレシオは2.04となっている。B/Bレシオが1.00を超え続けているからといって、決して喜ぶことではない。ビジネスチャンスを逃し続けているともいえる。いわば、受注に対して供給が間に合わないという状態が1年近くも続いているということは、そういう意味である。

参考資料
1. 半導体製造装置市場がやっと上向きに (2015/12/24)

(2016/01/21)

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