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半導体製造装置市場がやっと上向きに

日本半導体製造装置協会(SEAJ)がまとめた11月の日本製半導体製造装置の受注額・販売額・B/Bレシオによると(図1)、改善し始めたことがわかった。受注額は10月よりも14%増えて946億800万円となり、販売額は8.8%減の1042億9000万円、B/Bレシオが前月の0.72から0.91に回復している。


図1 日本製半導体製造装置の受注額・販売額・B/Bレシオ 出典:SEAJ

図1 日本製半導体製造装置の受注額・販売額・B/Bレシオ 出典:SEAJ


SEAJの数字は全て3ヵ月の移動平均で表されている。目的月を含めた連続3ヵ月間の平均値をとるため、プラスからマイナスあるいはその逆の場合や急激な変化は、その月の増減が激しかったことを示している。今回の上昇傾向は受注が増え、上向きになっていることを示唆している。この裏付けとして、最近台湾のTSMCが追加投資を開始したという声も出てきた。これまではマイナス方向に推移してきたため、今後の装置産業をネガティブに見る傾向が強かったが、直近の様子は変わってきている。

北米では(表1)、8月の16億7010万ドルをピークに、それ以降少しずつ下がってきており、11月の受注額は12億3710万ドルまで落ちてきた。8月の販売額15億7590万ドルから11月の12億8790万ドルに落ちている。11月は0.96とやや落ち気味である。しかし、北米市場は受注額と販売額をうまくリンクさせているため、B/Bレシオとしては、6月から11月まで0.96から1.06の範囲に収まっている。

表1 北米製半導体製造装置のB/Bレシオ 11月は暫定値 出典:SEMI

表1 北米製半導体製造装置のB/Bレシオ 11月は暫定値 出典:SEMI


日本製FPD製造装置は、受注額と販売額とのかい離が相変わらず激しい。11月は受注額が433億1700万円、販売額は233億7100万円でB/Bレシオは1.85となっている(図2)。B/Bレシオが1.00よりも高い状態が続いているからと言って決して喜ぶべきことではない。長い間、ビジネスチャンスを失っていることになる。


図2 日本製FPD製造装置の受注額・販売額・B/Bレシオ 出典:SEAJ

図2 日本製FPD製造装置の受注額・販売額・B/Bレシオ 出典:SEAJ

(2015/12/24)
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