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2016年の世界半導体は0.6%成長−TrendForceの予測

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メモリ専門の市場調査部門DRAMeXchangeを擁するTrendForceは、2016年の世界の半導体販売額は前年比0.6%増の3290億ドル(1ドル122円で計算すると40兆円強)にとどまる見通しだと発表した。

TrendForceが調査する世界の半導体市場は、2014年に10.5%の伸びを示し、2015年は0.9%増と緩んだが、2016年も伸びは緩いと見る。

同社は、2015年にはパソコン需要の弱まりとCPU/GPU集積SoC製品を搭載したパソコンの比率の高まりによって、パソコン関連のIC製品の売り上げは縮小すると見ている。ただ、パソコンの在庫は改善されつつあり、来年のCPU販売は安定するだろう。CPU製品の平均単価のバラつきは減っていくと見る。

スマートフォンを含めた携帯市場も今年は緩んできているが、16/14nm FinFETプロセスのアプリケーションプロセッサ(APU)は成長すると見られる。同時に、APUの平均単価もミッドレンジ/ハイエンドでは下落が進むだろう。TrendForceは、メモリを除くデジタルICの世界の販売額は、2015年に前年比1.4%減となるが2016年は0.7%減にとどまると見ている。

メモリは、2015年は1.8%成長と見ているが、このところ供給過剰による価格下落が大きくなっている。TrendForceはDRAM、NANDフラッシュとも2016年は落ち込み、7%減になると見ている。アナログやセンサなど他の製品と比べ、メモリは単価の落ち込みが大きいためマイナス成長率が最も大きいだろうと見ている。

デジタルIC、メモリ以外のアナログICとOSD(光エレクトロンクス、センサ、ディスクリート)の市場はどうか。アナログICは2016年に3.5%成長すると予測する。アナログICの成長分野はカーエレクトロニクス。世界的に自動車の出荷は年率5%で伸びており、アナログICも同様な成長率で伸びるとTrendForceは見ている。アナログIC全体に占めるカーエレクトロニクス市場の割合は、2015年が28%だが、2016年には30%に占めるだろうとしている。

OSD市場では、高解像度CMOSイメージセンサの需要が旺盛だ。カーエレクトロニクスでは、光センサに加え、MEMSなどの物理的センサ/アクチュエータ、ディスクリートのパワー半導体なども自動車市場に多数使われるため、成長が期待され2016年は4.4%増となると見ている。

(2015/12/09)

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