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2015年の世界半導体ランキング予想、日本のトップテン圏内は1社に

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2015年の世界半導体トップテンランキングには日本のメーカーは東芝1社になるかもしれない。このようなショッキングな調査レポートがIC Insightsから発表された。2014年には第10位にとどまっていたルネサスがランク外に落ち、NXP/Freescale合弁会社が7位くらいにランクインされる可能性は高い。

表1 1990年〜2015年の世界半導体トップテンランキング 15年は予想 単位は10億ドル 出典:IC Insights

表1 1990年〜2015年の世界半導体トップテンランキング 15年は予想 単位は10億ドル 出典:IC Insights


日本の半導体メーカーがいよいよトップ10社の中の1社しか残らなくなるかもしれない(表1)。2014年まではルネサスエレクトロニクスが10位に入っていたが、圏外になりそうだ。かつて世界を席巻していた日本の半導体メーカーは1990年に6社がトップ10社に入っていたことから見て、大きな変化だといえよう。トップ10社中、1国だけで6社という数字は未だにない。2014年の米国でさえ、5社どまりだ。

さらに、2015年はInfineon Technologiesによる、パワー半導体のInternational Rectifierの買収が完了した。これにより、Infineon/IRグループも10位以内に入ってくる可能性もある。Infineonは、かつてDRAM製造のQimondaも傘下に収めていたが、Qimondaの倒産によって、Infineonが過半数の株式を持っていたため、財務が大きく傷ついた。しかし、不採算部門の切り離し、キャッシュフローを最重視する財務戦略によって、売り上げを減らしながら利益を挙げるように企業を変えてきた。2012年に48億2600万ドルを底として、2013年、2014年と業績を伸ばした。さらに、攻めと守りのバランスをうまくとりながら、得意な分野を伸ばしてきた。IRの合併という攻めの姿勢で2015年には10位入りを狙う。

日本のルネサスもリストラをようやく終え、不採算部門を切り離すことで売り上げを減らしながらも利益重視に転換してきた。ルネサスは、おそらく2015年を売上額の底として、2016年以降に伸ばしてくると見られる。Infineonが将来大きな発展が見込めるエネルギー効率、モビリティ、セキュリティの3部門に集中させたことと同様、ルネサスもクルマと、汎用・IoTに集中することで、自社の得意な分野をさらに伸ばしていけるのであれば期待が持てる。

(2015/04/22)

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