IDMよりファウンドリ専門の方が高成長、2014年は14%増の見込み
2014年のICファウンドリビジネスは前年比12%増の480億ドルになりそうだ、という予測を米市場調査会社のIC Insightsが発表した。同社はファウンドリ専門メーカーとIDMファウンドリメーカーを分けて市場を見積もっている。
表1 ファウンドリの2018年までの成長率 出典:IC Insights
2013年のIC市場は前年比6%増の2691億ドルに成長したが、ICファウンドリ全体は同14%増の428億ドルになった。このうち、TSMCやGlobalFoundries、UMCなどのファウンドリ専門メーカーは同16%増の362億ドルであった。また、ファウンドリビジネスに積極的に投資してきたSamsungや、IBM、富士通セミコンダクターなどのIDM(垂直統合半導体メーカー)のファウンドリ事業の売り上げはわずか2%増の66億ドルにとどまった。
同社は2014年の見通しとして、480億ドルのICファウンドリ市場の内、ファウンドリ専門メーカーの売り上げは14%増の412億ドル、IDMのファウンドリ事業は3%増の68億ドルと予想している。IDMはファウンドリ専門メーカーよりも成長率が低いのは、例えばAppleが生産を委託していたアプリケーションプロセッサAシリーズを、これまでのSamsungから今年TSMCやGlobalFoundriesなどのファウンドリ専門メーカーに移す動きがあるためだ。
また、IBMはRF SOIやSiGeなど、特殊なプロセスのファウンドリビジネスを推進しており、市場の規模としてはそれほど大きくない。
Intelはファウンドリビジネスを手掛けることを昨秋発表したが、どの程度本気でファウンドリビジネスを行うのか、はっきりしない。また、Appleという顧客を失うかもしれないSamsungが今後もどの程度本気でファウンドリビジネスに力を注ぐのかについてもはっきりしない。
半導体IC産業全体と比べると、ファウンドリの成長率は常に5〜6ポイント高い(図1)。2012年はその差が最も大きく開き、IC全体が4%減だったのに対して、ファウンドリは18%増、と22ポイントも差を広げた。ただ、それ以降は5〜6ポイントの差に縮まるものの、やはりファウンドリの成長率は常に高い、とIC Insightsは予想している。
図1 ICビジネス全体とファウンドリビジネスの成長率 出典:IC Insights
IC Insightsは、2018年までのファウンドリビジネス全体をCAGR(年平均成長率)11%増の722億ドルに成長すると予測している。ただし、IDMのファウンドリ事業におけるCAGRは、3%増の76億ドルにとどまるとする。