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シリコンウェーハの出荷面積が前期比2%減、SEMI発表

SEMIは、2012年第3四半期における半導体用シリコンウェーハの出荷面積は前年同期比1%増だが、前四半期比は2%減だったと発表した(図)。世界の半導体デバイス出荷額が2011年第4四半期を底に第1四半期から徐々に回復しつつあり、この第3四半期は前四半期比1.8%増だったことから見て、少ないウェーハで半導体デバイスを稼いだことになる。

図 シリコンウェーハの出荷面積 出典:SEMI

図 シリコンウェーハの出荷面積 出典:SEMI


パソコン需要が第3四半期に落ち込んだことを伝えたが(参考資料1)、半導体の出荷額は同じ期に1.8%増だった。パソコン向け半導体は低調だったが、スマートフォンやタブレット向けは好調だったことをそのまま反映している。参考資料1のパソコンの8~9%減というデータは出荷台数だが、金額ベースではもう少し低下すると見られる。半導体産業としてはそれらの落ち込みをカバーしているといえる。

シリコンウェーハを大量に使うのは大口径で低歩留まり、すなわち最先端の28/32nmのウェーハであると見られることから、その歩留まりが第2四半期は悪かったが、第3四半期には良くなった可能性がある。この先はどうなるか。半導体市場が依然として不透明な状態が続いているため、断定的なことはいえないが、欧州の景気後退と、それに依存してきた昨今の中国経済の減速の影響が少しずつ出てきているのかもしれない。不透明な状態が晴れて見えてくるにはもう少し時間がかかりそうだ。

参考資料
1. パソコンの出荷台数から見えるIT産業の陰り、半導体は要注意 (2012/10/15)

(2012/11/15)
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