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ファウンドリビジネスのランキング、5〜10位が大きく変動

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米国の市場調査会社ガートナーが、ファウンドリメーカーのトップテンランキングを発表した。これによると、1位TSMCから4位SMICまでの変動はないが、5位〜10位の間での順位の入れ替わりが激しい。

表 世界ファウンドリ企業のトップテンランキング 出典:Gartner

表 世界ファウンドリ企業のトップテンランキング 出典:Gartner


5位には6位から順位を上げたタワージャズ、6位は8位からのIBM、10位には19位から躍進したパワーチップが入った。これに対して昨年より順位を落としたメーカーは韓国のドンブーであり、対前年比-5.7%と沈んだ。

ファウンドリ市場は全体で297億5400万ドルと5.1%増と伸びた。これに対して半導体全体では、1.3%増しか増えていない(参考資料1)。ただし、ファウンドリ市場では寡占化が激しく、1位のTSMCのシェアは48.8%とほぼ半数に近い。そしてトップ5社のシェアは8割にも及ぶ。

このランキングにはサムスンの金額が過少評価されている。売り上げは4億7000万ドルだが、実際にはアップル向けのファウンドリビジネスが含まれていない。アップルはiPhoneやiPadに使われている部品や材料、サービスなどの企業名を公表していないからだ。最新のアップルのiPhone4Sや新型iPadに使われているモバイルプロセッサA4やA5はアップルが設計しサムスンが生産していることは、サムスンは明らかにしていないが、公知の事実である。この売り上げを10億ドル程度とガートナーは見積もっており、この分を加えるとサムスンは4位に浮上することになる。

2011年に世界の半導体産業が伸びなかったのは主にDRAMの売り上げが足を引っ張ったからだ。DRAMメーカーは軒並み業績を落とし、エルピーダは脱落した。他のDRAMメーカーはNANDフラッシュやCMOSセンサなども持っていたため、企業としては持ちこたえた。DRAM不調はファウンドリの業績にも現れている。DRAMメーカーからのチップ生産をしているSMICが-15.1%だったのに対して、DRAMビジネスからファウンドリビジネスへと大きく舵を切り替えたパワーチップは189.3%増、すなわち約2.9倍伸びた。

また、ファウンドリの顧客に関しては、ファブレス半導体メーカーは全体の77.8%で、IDMメーカーは全体の20.2%、その他のシステムメーカーは残り2%である。地域別のファウンドリの顧客は、62.8%がアメリカ、アジア・太平洋が22.2%、欧州は10%だが、日本には4.9%しかいない。日本人には日本語という言葉のバリヤがあり、海外のファウンドリ企業を使うことに抵抗があるかもしれない。

参考資料
1. 2011年の世界半導体ランキングの確定値をiSuppliが発表、日亜がランクイン (2012/03/27)

(2012/04/03)

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