ファブレス半導体、10億ドルプレイヤーが2010年には13社に増加、日本はゼロ
2010年のファブレス半導体トップ企業ランキングを米市場調査会社のICインサイツが発表した。これによるとトップのクアルコムは従来通り変わらないが、2位にはブロードコムがAMDを抜いて浮上した。2010年には売り上げが10億ドル以上を計上する10億ドルプレイヤーが2009年の10社から30%増え13社になった。
表 ICインサイツが発表した2010年ファブレス半導体ランキング
10億ドルプレイヤーは2008年の8社が2009年、2010年と順調に増加してきており、今回はこれまで最高の13社に達した。このうち、9社が米国、台湾が3社、欧州1社である。これら13社の合計売り上げは414億ドルに達し、ファブレス半導体産業全体の596億ドルの70%にも及ぶ。
このトップランキングの中に日本企業は1社も入っていないということは、日本ではファブレス/ファウンドリというビジネスモデルはさほど重要ではないと思われているのだろう、とICインサイツは見ている。しかし、台湾だけではなく中国にもファブレス企業が多数社あり、いずれトップランキングに登場してくるだろうと見ている。
携帯電話のチップメーカーであるクアルコム社はトップではあるが、11%しか伸びていない。一方、ブロードコムとアルテラ、MスターはIPO(株式上場)を成し遂げ、50%を超える成長率を達成している。携帯電話市場の変化は極めて速く、昨年ほとんどの半導体企業が沈む中、一人22%成長を記録した台湾のメディアテックはわずか3%の伸びにとどまった。中国をはじめ世界が2Gから3Gへ急速にシフトしていく中で、3Gへの舵取りが遅れたためだとこの市場調査会社は見ている。