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2010年の半導体製造装置・材料市場は大きくリバウンド、11年は4%の伸び

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2010年の半導体製造装置市場は大きくリバウンドしてきている。SEMIは、1年前は製造装置市場を53%増と見ていたが、今回は130%増と大幅に上方修正した。同様に半導体関連材料も1年前の15%増から24%増へと修正した。大きく伸ばした地域は、韓国の231%増、中国の248%増、台湾の130%増と2倍以上の伸びを示したこところである(図1)。

図1 SEMIが発表した2012年までの半導体製造装置の予測

図1 SEMIが発表した2012年までの半導体製造装置の予測


SEMIが発表した2012年までの予測では、2010年は大幅なリバウンドを見込んでいるものの、2011年、2012年は共に4%の伸びにとどまる。特に2011年の伸びは台湾の-10%というマイナス成長に引きずられ、全体の伸び率を下げている。

装置別では、ウェーハ処理プロセス装置、テスト装置、組立およびパッケージング装置として見た場合、2011年にはプロセスは7%のプラス成長だが、テスターは-5%、パッケージングは-17%とマイナス成長になると見ている。これに対して、SEMIの業界リサーチ統計グループのDan Tracy氏は、アセンブリコントラクタの集まっている台湾の影響を受けているためだろうと見ており、DRAMの価格下落見通しによる生産量の低下傾向も反映している。

材料では、2010年のリバウンドの後、2011年に4.3%増、2012年は3.1%増と緩やかな成長を遂げると見ている(図2)。


図2 半導体製造材料の市場予測 出典:SEMI

図2 半導体製造材料の市場予測 出典:SEMI


これはプロセス処理工程に使う材料が2011年に5.5%増、2012年には4.3%増と伸びるものの、後工程の材料の伸びが緩くなるからだ。シリコンウェーハは200mmから300mmへと世代が交代する訳ではなく、200mmも共存してしかも300mmと一緒に成長していくという特長がある(図3)。


図3 200mmウェーハは300mmと共存成長していく 出典:SEMI

図3 200mmウェーハは300mmと共存成長していく 出典:SEMI


200mmと300mmが共存するのは、200mmウェーハがアナログICやディスクリート、MEMSなどの半導体で伸びていくからだ、とTracy氏は見る。

後工程の伸びが鈍るのは、主にボンディングワイヤーの市場だ。特に大手半導体デバイスメーカーはAuワイヤーからCuワイヤーへと切り替えが進み、売り上げが下がる、とTracy氏は言う。同氏によると2007年にCuワイヤー市場は2%だったが201年に11%、2011年には20%へと市場シェアは大きく伸びて行く。Auワイヤー市場が縮むため、ワイヤー市場全体としては縮んでいくという。


図4 パッケージング材料市場の予測 出典:SEMI

図4 パッケージング材料市場の予測 出典:SEMI


国別には、材料最大の消費国が日本から台湾へと替わっていく、とTracy氏は見ており、これはBGAパッケージを台湾が増やしていくことと関係していると見る。

(2010/12/02)

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