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不況ではないが、世界半導体売り上げ伸び率は32%増とアイサプライが下方修正

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米市場調査会社のアイサプライは、2010年の世界半導体市場の見通しを下方修正し32%増とすると発表した。従来の伸び率は8月に発表した35.1%増だった。下方修正の結果、2010年の世界半導体の売り上げは3020億ドルになり、2009年の2280億ドルから32%成長する。

アイサプライが予測する世界の半導体売上

図1 アイサプライが予測する世界の半導体売上


下方修正の要因は、一般消費者の需要が緩くなると同時に在庫が増えているためだとしている。今年の前半が余りにも好調だったことへの反動だろう。ただし、2番底になるほどの不況が来るようなサインは見えていないとアイサプライは言う。

最近はDRAM価格が下がり気味であり、DRAM関係者からは景気後退の様相を示しているとの声はある。インテルやAMDの業績がやや不調であることから、コンピュータ関係の市場が緩んできていると思われる。しかし、ストレージのNANDフラッシュなどは値下がりしていてもスマートフォンやタブレットPCなど新しい市場が開かれつつあり景気後退の声は決して出てきていない。

総じて、2010年の第4四半期は第3四半期よりも0.3%減となり、今回の下方修正となったようだ。この第4四半期のわずかな落ち込みが災いしては半期でみると、2010年の後半は対前半と比べて7.8%増のとどまることになる。

2010年の半導体需要をけん引してきたのはコンピュータ関係で、パソコンやタブレットPCなどの出荷が増え、この市場に向けた半導体は38.6%と最も高い伸びを示す。次の牽引車はスマートフォンなどのワイヤレス通信市場で30%伸びる。それほど伸びが大きくない分野は有線通信と民生エレクトロニクスであり、それぞれ25.4%増、26.5%増となりそうだ。

半導体の製品別にみると2010年通年では、最も伸びるのはDRAM、電圧レギュレータ(パワーマネジメント)、LED、PLD、データコンバータなどだ。DRAMの伸びは87%と断トツだ。それ以外も少なくとも43%以上は伸びるだろうと見る。
ちなみに2011年は5.1%の伸びになるとアイサプライは予測する。

(2010/10/04)

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