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ファウンドリ専門の成長率は2010年半導体全体を大きく上回る42.3%増

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米市場調査会社のアイサプライ(iSuppli)は、2010年におけるシリコンファウンドリ専門の産業全体の売り上げは、当初予測を上回る対前年比42.3%増の298億ドルに達するという見通しを発表した。当初発表していた数字は39.5%増。半導体産業全体の伸びが30%前後とみられているため、それよりも高い伸びを示している。

図 世界のファウンドリの市場  出典:アイサプライ

図 世界のファウンドリの市場  出典:アイサプライ


少なくとも2010年第3四半期までは需要が極めて旺盛で、ファウンドリメーカーへのプレッシャーは大きい。特に、2008年第4四半期から2009年第1四半期に急激に落ちた売り上げへの反動が大きい。このどん底の期間では全ての在庫を吐き出しすぎた。このため3〜4月ごろから生産がタイトになり始めていた。2009年4月からの回復基調は在庫を空にし過ぎたために起きたわけで、本当の重要ではなかった。

ただし、2010年からは本格的に重要が回復してきたと見られる。2009年のファウンドリ市場全体の売り上げは221億ドルであり、2010年に42.3%となった。アイサプライは、2014年にはファウンドリ専業の売り上げは459億ドルになると見込んでおり、2008年からみたCAGR(平均年成長率)は9.4%と、半導体全体の5~6%よりもやはり大きい。

これは、ファウンドリに注文を出す顧客がファブレス半導体だけではなく、IDM(垂直統合半導体企業)も含められるからだ。IDMは自社のラインで対応できなくなるとファウンドリへ発注する。この分も受けるためファウンドリの成長率は半導体産業全体の成長率よりも高い。

ファウンドリ産業に限らず、こういった水平分業産業のCAGRは半導体産業全体の平均よりも高い。ファブレス産業全体も、半導体産業全体より高い。例えばIC Insightsの調べによると、1999年から2009年までのCAGRはファブレスが15%だったのに対して、IDMはわずか2%しかなかった

ファウンドリ産業における2010年の設備投資は、当初予定の123%増からは変わらないとアイサプライは見る。特に設備投資は先端の微細化プロセスへ向けられるため、デザインルールがラフな半導体デバイスはタイトな需要が当分は続くと見ている。

(2010/07/13)

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