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2010年、11年とも半導体製造装置は順調に伸びる、とSEMIが予測

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2010年の半導体製造装置市場は52.8%伸びる、とSEMIは予測した。2009年が45.7%減の160億3000万ドルと凹むと見積もるが、これはSEMIが市場調査データを採り始めた1991年以来最も大きな下落率となる。しかし、2010年および2011年は順調に回復するとみている。

地域別では、2008年では日本の半導体メーカーが最も多額の設備投資を行い、世界の装置市場の24%を占めた。しかし2009年は9月時点で北米企業が最大の25%を投資、次が台湾の23%で、日本は3位の16%に留まっている。


Semiconductor Equipment Spending by Region


2010年、2011年はそれぞれ52.8%増、27.5%増と順調に伸びてゆくとみている。金額にしてそれぞれ244億9000万ドル、312億2000万ドルと見積もっている。2010年、地域別に最も金額が多いのは台湾で59億2000万ドル、次が韓国44億7000万ドル、3位が北米44億1000万ドルという順で、日本は36億4000万ドルで4位とみている。2011年ではやはり台湾の77億6000万ドルがトップで、2位が韓国の59億ドル、3位が北米の53億9000万ドル、そして日本は相変わらず4位になり45億ドルとみられている。


SEMI(R) 2009 Year-End Equipment Forecast by Region


北米における投資額が多いのは、半導体売上トップのIDMインテルだけではなく、グローバルファウンドリーズや、ジャズセミコンダクター、IBMマイクロエレクトロニクスなどのファウンドリーも多いからで、ここが日本とは違うところだ。

ただ、設備投資額はこれまでのようには伸びないことに注意すべきである。というのは半導体メーカーが、売り上げに対する設備をこれまでのような割合で投資してこない傾向が見えてきたからだ。SEMIのIndustry Research and Statistics担当シニアディレクタ、Dan Tracy氏は、「1990年代には全世界の半導体メーカーは売り上げの17%を設備投資に回したが、2000年代には15%しか使わなくなった」と指摘する。つまり、半導体の売り上げは増えているのにもかかわらず、設備投資に回す金額を減らしているのである。


Equipment Spending Trends


残念ながらこの傾向は、さらに続くように見える。半導体メーカーの売り上げに対する設備投資の割合は、2009年にはわずか7%とこれまでの最低レベルを記録したが、2011年でさえ12%しか投資しない見通しである。半導体製造装置メーカーはこの動向をしっかり見る必要があろう。

(2009/12/07)

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