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半導体製造装置販売の世界市場、2月の底よりも6%上昇、日本は依然縮む状況

日本半導体製造装置協会(SEAJ)とSEMI、SEMIジャパンが共同で、世界市場における半導体製造装置販売額について「Worldwide SEMS Report」5月分をまとめた。これによると、5月における半導体製造装置の販売額は、前年同期比66.8%減の7億1500万ドルになった。まだ大きく凹んだ状態ではあるが、回復の兆しははっきりと見える。

半導体製造装置 月別売上推移


マイナスの度合いはこれでも徐々に少なくなってきている。2009年2月に76.4%減を記録して以来、3月71.1%減、4月68.3%減、そして5月が66.8%減となっている状況はこのマイナスの割合が着実に減ってきており、回復の方向ではある。とはいえ、4月は8億9600万ドルであったから対前月比は79.8%と下がっている。しかし、これは季節要因にすぎない。

次の世界の半導体地域別市場推移を見る限り、3ヵ月周期で局所ピーク、下降、を繰り返しているのだ。つまり、これまで、6月をピークに7,8月と下がり、再び9月にピークを迎え、10月、11月と下がる。12月をまたピークに迎え、1月、2月と下がるという3ヵ月周期という季節要因だ。3月をピークに4月、5月と下がっているのは問題にはならない。


半導体製造装置 地域別市場月推移


むしろ回復といえるのは、5月が3ヵ月周期の底にあたるため、前回の底すなわち2月実績と比べることが大きな意味を持つ。2月は6億7500万ドルであり、5月は7億1500万ドルであったから、5.9%増になったといえる。セミコンポータルは2月が半導体製造装置市場の底ではないかと予測した記事「2月における世界の半導体製造装置市場、これが本当の底を表している可能性大」を書いたが、その通りの結果になったといえる。


半導体製造装置 販売統計〔世界規模〕


年度ごとの累計(4〜5月分)を地域別にとると、日本が84.2%減ともっとも低く次いで中国の80.3%減、台湾の72.5%減、その他の70.9%減、韓国の66.0%減、欧州の62.9%減、そして北米の31.6%減という順になっている。日本が製造装置の購入を最も控え、縮んでいるということになる。


(2009/07/13 セミコンポータル編集室)

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