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半導体を解析し特許情報を得るコラボのビジネスモデル

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半導体チップの故障解析やリバースエンジニアリングを手がけるヴァン・パートナーズ(本社、東京都文京区)は、SBIインテクストラ(本社、東京都港区)と業務提携し、解析を依頼した顧客に対して特許情報までも提供できるようにする。解析したチップが特許に抵触しているかどうかを調べることができる。

ヴァン・パートナーズは三菱商事が約93%の株式を持つ半導体チップの解析・評価を行うベンチャー企業である。SBIインテクストラは、ソフトバンクインベストメントの流れを汲む、SBIグループを統括するホールディング会社、SBIホールディングス傘下のコンサルティング企業で、特許情報をはじめとする知的財産権に関する調査を行い、その結果を顧客に提供する。

今回の提携では、SEM/TEMによる観察や、要素分析、さらには回路分析、動作解析も行ったヴァンから、SBIインテクストラが引き継ぎ特許に抵触していれば調査し、共同のパッケージレポートを作成する。ヴァンには、NTTの旧厚木電気通信研究所にいた半導体エンジニアがいる。解析を受け持ち、VDECやNTTをラボとして使う。高価なSEMをVDECのある東京大学に設置している。


ヴァン・パートナーズ、SBIインテクストラと業務提携


一方のSBIインテクストラはビジネスコンサルティングを得意としながらも、実際のものづくり現場に即したコンサルティングサービスを行い、調査専門のコンサルティング会社との差別化を図っている。中でも特許情報の調査に力を入れている。特許の質的な情報の充実を目指し、独自の指標を考案した。これまでは特許を定量化する上で特許出願件数でしか評価しておらず、いわゆる「クズ特許」が多いほうが特許戦略の優れた企業といういびつな評価しかできなかった。これを引用された数、閲覧回数、特許請求範囲の文字数、早期審査の有無など10項目以上に渡り、特許の質に関する項目と重み乗数をかけるなどの手法を使い、特許の質を指数化した。これをPCI(patent competency index)と呼んでいる。

このような技術者集団であるヴァンと、特許を得意とするコンサルティングファームとのコラボが今回の提携である。それぞれの特徴を生かし、すばやい解析と特許調査、戦略立案を可能にするという狙いであるため、このコラボビジネスを利用することで、半導体やセットのメーカーは自社の得意とする分野に集中でき、製品開発を短期間で行い、ビジネスチャンスを生かすことができる。

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