先端パッケージ開発に300社のパートナーと組むコネクテックジャパン
半導体パッケージの開発を請け負うコネクテックジャパンは、チップレットや3D-ICなどをインターポーザーなどに実装する先端パッケージ技術に手を広げている。そのビジネスモデルがパートナー企業を300社も組織化し、顧客に1個のパッケージでも引き受ける、というもの。どんな量産技術でも試作開発から始めるため、顧客層を広げている。2024年度の実績では400件弱を受注した(図1)。
図1 2015年あたりから注文が入り始めずっと右肩上がりで推移してきた 出典:コネクテックジャパン
彼らの強みは最低温度80℃からでもチップを接合できるという低温実装だ(参考資料1)。このため熱に弱いフィルム上に電子回路を設けるフレキシブルエレクトロニクスにも使える上に、もちろん従来の250〜300℃程度の熱圧着ダイボンディングや超音波ボンディングなども扱う。この幅広い技術のポートフォリオと、全国2000社の後工程関連企業を回り300社のパートナーとのアライアンスを構築したことで、新しい先端パッケージに特化したチップレットビジネスを手掛けるようになった。
同社がCADN(キャダン:Chiplet Ameba Development Network)と呼ぶビジネスモデルは、まるでファブレス半導体企業のようでもあるがファブレスでは決してない。自ら実験室や開発用のクリーンルームを持っており、顧客の要求に応じて自社ファブを使ったりパートナーのファブを使ったりする。アメーバと呼ぶのは、ベース基板、TSV(Through Silicon Via)の有無、総間膜の種類、配線層数、平たん化技術の有無、配線材料の種類などに分け、顧客によってさまざまな組み合わせはまるでアメーバのネットワークに似ていることから名付けた(図2)。

図2 CADNのビジネスモデルではパートナーがカギを握る 出典:コネクテックジャパン
その一例を示そう。カメラなどのCMOSセンサでは、フォトダイオードのセンサチップと信号処理チップを積層することが増えており、同社のビジネスでもこの積層技術は主力製品の一つだ。極端な例かもしれないが、X線のセンサカメラは医療機器での需要が多い。このほど100万画素のX線センサを開発した。X線はさまざまな物質を透過するため、シンチレータと呼ぶ蛍光体に当たって光を出すことでX線を検出している。
小さな画素を構成するためシリコンに真四角の穴を掘るわけだが、隣の画素との干渉を防ぐため仕切りを設ける必要がある(図3)。ウェーハは200mmのSOI基板を用いて穴のサイズ90µm角、画素ピッチ100µmと開口数を目一杯上げるため、深さ300µmの均一な穴を掘る。このエッチング加工はとても資本金1億円程度の小さな企業では難しい。

図3 100万画素のX線センサ製作に100µmピッチで深さ300µmのマトリックスを加工する 出典:コネクテックジャパン
そこでパートナーの1社である住友精密工業の力を借りた。住友精密は小さく狭い穴を掘るMEMS技術の雄であり、自らエッチング装置も手掛けている。その住友精密でさえ、最初は満足の行くエッチング加工にはならなかったという。しかし、最後には図3のような均一なきれいな格子状の穴ができた。
コネクテックジャパンのCADNネットワークでは、産業技術総合研究所をはじめTSVやRDL(Re-Distribution interconnect Layer)技術を持つ国内研究機関に加え、300社とアライアンスを組んでいる。11月7日には日清紡マイクロエレクトロニクスともCADN事業で相互協力するという提携を結んだ。
先端パッケージ技術ではチップレットなどの3次元集積に向けたTSVやRDL、さらにはシミュレーションに加え、光電融合なども今後加わることになる。今の所、国内7割、海外3割という顧客受注だが、今後は海外も増やしていくための方策の一つとして、海外からの企業が集まるセミコンジャパンにも出展する予定だ。
参考資料
1. 「先端パッケージの3D-ICパッケージングの低温実装を推進するコネクテック」、セミコンポータル、(2023/02/03)


