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VLSI Sympoのテーマが示唆するスマートエッジ向け未来の半導体

IEEE主催のSymposia on VLSI Technology and Circuits(通称VLSI Symposium)は最初の開催から40周年を迎える。今年は、本来ハワイで開催する予定だったが、新型コロナウイルスの影響で初めてのWebベースとなる。日本時間6月15日〜19日が開催期間となる。これまでのシンポジウムと同様、基調講演やフォーラムなど、200件以上の講演をウェビナーやオンデマンドで行う。

2020 Symposia on VLSI Technology and Circuits 地域別投稿論文件数推移/論文投稿数と採択数の推移

図1 投稿論文はTechnology(上)では増えたが、Circuits(下)では減少気味 出典;Symposia on VLSI Technology and Circuits


今回は40周年を迎え、シンポジウム全体のテーマを「ユビキタスインテリジェンスを実現するVLSI 、これからの40年」とした。未来志向のテーマを選び構成している。ウェブを通して発表を聞くことができるが、リアルタイム(ライブ)でも録画(オンデマンド)でも視聴できる。ただし、ライブだけの講演もある。

プロセス・デバイスの発表会であるTechnology部門の投稿論文は248件と、ここ10年で最も多く、採択論文は86件となった(図1上)。また、回路とシステムのCircuit部門の投稿論文は逆に従来の400件程度から321件と下がってきた(図1下)。この採択論文は110件となっている。このほかに基調講演やパネルディスカッション、3年前から始まったTechnologyとCircuitのジョイントフォーカスセッションもある。

基調講演は、その時期の旬なトピックスを代表するテーマを選ぶことが多く、Technology、Circuitそれぞれ2件ずつある。Technologyでは、NTTドコモ執行役員の中村武宏氏による「5Gの発展、そして6Gへ」と、Intel CTOのMichael Mayberry氏による「コンピューティングの未来:データトランスフォーメーションがVLSIをどのように再構築するか」である。それぞれの企業に適したトピックとなっている。

Circuitでは、キオクシア技師長の大島成夫による「フラッシュイノベーションを通して次世代応用機器を強化する」と、Analog DevicesのPrecision Technology and PlatformグループVPであるJen Lloyd氏による「シリコンは環境にもっと優しい:なぜ回路のイノベーションが持続可能社会に必要か」である。

TechnologyとCircuitのジョイントフォーカスセッションでは、シリコンフォトニクス、5G/ミリ波、システム・テクノロジー同時最適化および設計・テクノロジー同時最適化、AI/機械学習向けのデバイスと回路、ヘテロ集積化技術のセッションがある。

パネルディスカッションのテーマは、ジョイントでは「コンピューティングの未来を可能にするVLSIの40年」というパネルがある。加えて、Technologyでは「メモリとロジックの技術分岐:AI/機械学習はこの二つを元の一つに戻せるか」、Circuitsでは「機械vs人間:回路設計におけるAI/機械学習の未来の役割」と題したテーマでパネルディスカッションを行う。

さらに2018年から始まった金曜日のフライデイフォーラムは、今年はVLSIフォーラムと名を変え、「エッジインテリジェンスのためのテクノロジーと回路」と題した丸1日のセッションがあり、NXP、TSMC、バージニア大、IMEC、ADI、ソニー、ミシガン大、Arm、TIの9名が議論する。

以上のテーマを見ていくと共通項となるものは、やはりインテリジェントエッジ(あるいはスマートエッジ)であろう。5G、AI/機械学習、IoT、ヘテロ集積化技術、ユビキタスインテリジェンス、データトランスフォーメーション、全てに関連する。さらに、インテリジェントエッジに向けたVLSIの再構築、システム・テクノロジーの同時設計の最適化など欠かせない技術講演が登場する。こういった技術では、さらにグリーンな(Greener)技術が前提となっている。

(2020/06/05)

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