Semiconductor Portal

» ブログ » インサイダーズ » 長見晃の海外トピックス

AI半導体がもたらす大きな変わり目;Musk氏のTeraFab、ArmのAGI CPU

AIインパクトに覆われる中、半導体業界でもAI半導体がもたらす大きな変わり目が見られている。電気自動車、宇宙開発などで知られるElon Musk氏がAI半導体の巨大工場を米国テキサス州に計画、ロボットや宇宙に向けていくとしている。具体的な計画の中身には触れていないが、「米国版TSMC」とのあらわし方も見える最先端半導体の今後に賭ける取り組みである。もう1つ、半導体設計IPライセンス事業を展開してきたArmが、初めて自社開発したAIデータセンターチップ「Arm AGI CPU」を発表している。MetaやOpenAIなどと共同で開発とされているが、これまでの顧客と競合するシリコン販売に乗り出す動きとなっている。それぞれ今後の進展に注目である。

≪さらに加わる熱い時間軸≫

Musk氏の半導体製造施設、TeraFabについて、業界各紙の取り上げが、以下の通りである。

◇Elon Musk unveils chip manufacturing plans for SpaceX and Tesla (3月22日付け TechCrunch)
→1)イーロン・マスク氏は先日、自身の会社であるテスラとスペースXによる半導体製造における野心的な共同計画を明らかにした。
 2)マスク氏は、AIとロボット工学の需要に応えるため、スペースXと提携し、テスラのオースティン拠点近郊に「テラファブ」と呼ばれる半導体製造施設を建設する計画を発表した。半導体分野での経験は乏しく、具体的な時期も示していないものの、供給不足を理由に、膨大なコンピューティング能力の生産を目指している。

◇Elon Musk unveils $20 billion ‘TeraFab’ chip project to make chips, memory, and package processors all under one roof - targets a terawatt of annual compute―Musk's $20B Terafab targets to revolutionize chip production (3月22日付け Tom's Hardware)
→1)テスラとスペースXの共同工場では、地上向け推論チップと宇宙空間対応プロセッサの両方を製造する予定。
 2)イーロン・マスク氏は、テスラ、スペースXおよびxAIが参加する$20 billion規模のベンチャー企業「テラファブ」を発表した。このプロジェクトでは、年間1テラワットのコンピューティング能力を生産し、これは現在の世界の生産量の50倍に相当する。テキサス州オースティン(Austin, Texas)に建設されるこの先進的な工場では、チップ、メモリおよびプロセッサのパッケージングを一体化し、テスラ車、ロボットおよび宇宙用途向けのチップを生産する。

◇テスラとスペースX、テキサスに巨大AI半導体工場 ロボや宇宙向け (3月22日付け 日経 電子版 14:50)
→米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスクCEOは21日、AI向けの半導体の量産を始めると発表した。マスク氏が運営する宇宙開発の米スペースXと米南部テキサス州に大型工場を設ける。自動運転やヒト型ロボット開発に加え、将来は宇宙向けの用途を想定する。
 同日、マスク氏が説明会を開いて発表した。

◇Terafab: The World’s Next Generation Chip Factory (3月23日付け Futurist Speaker)
→イーロン・マスク氏は、テスラ、スペースX、およびxAIによる$25 billion規模のベンチャー企業「テラファブ」を発表した。テラファブは垂直統合型チップの製造を目指し、AIインフラの変革、TSMCへの依存度の低減、そして宇宙空間におけるコンピューティングの実現を目的としている。

◇[News] Musk’s Terafab Vision Raises Questions Over TSMC Impact; Advanced Packaging May be Best Entry Point (3月23日付け TrendForce)
→イーロン・マスク氏は、チップとパッケージングを統合するテスラのテラファブ構想を発表したが、2nmプロセスへの参入には、歩留まり、人材、および設備面で大きなハードルが待ち受けている。テスラは、高度なパッケージングとパートナーシップから始め、サプライチェーンを徐々に再構築し、長期的なチップ開発における自立性を高めていく可能性がある。

◇マスク氏「AI半導体量産」 米テキサス州に大型工場 投資額・時期言及せず (3月23日付け 日経)
→米EV大手テスラのイーロン・マスクCEOは21日、AI向けの半導体を量産すると発表した。マスク氏が運営する宇宙開発の米スペースXと、米南部テキサス州に大型工場を設ける。既に建設に入ったとするが、投資額や稼働時期、生産する半導体の回路線幅などは明らかにしていない。

◇マスク氏が「米国版TSMC」構想、総投資2000兆円試算 AI半導体で賭け (3月26日付け 日経 電子版 05:36)
→米起業家イーロン・マスク氏がAI半導体量産に向け、電気自動車や宇宙事業に次ぐ第3の賭けに出る。「米国版TSMC」ともいえる先端工場をつくり、AIの大量データ処理に使う。テスラとスペースXでものづくりの常識を覆した同氏に、13兆ドル(2000兆円)との試算もある巨額費用が待ち受ける。

電気自動車や宇宙事業に次ぐ第3の賭けともあらわされているが、半導体の物差しでの計画線表がどうなっていくか、今後に熱い展開の予感である。

次に、Armの「AGI CPU」であるが、これも業界各紙の取り上げ&あらわし方が、以下の通りである。

◇Arm releases first in-house chip, with Meta as debut customer (3月24日付け CNBC)
→1)*CNBCは、Arm初の自社開発チップであるAGI CPUを独占的に初公開した。このCPUは、データセンターにおけるAI推論処理専用に設計されている。
  *Metaは、この新チップの最初の正式顧客であり、OpenAI、CloudflareおよびSAPなど7社が既に顧客として登録している。
  *これは、Armのビジネスモデルにおける大きな転換点となる。これまではApple、Nvidia、AmazonおよびGoogleといった巨大企業にチップアーキテクチャのライセンス供与のみを行っていたが、今後は物理的なシリコン製造でこれらの企業と競合していくことになる。
 2)Arm Holdingsは、ライセンス供与から製造へと事業転換を図り、初の自社開発データセンター向けCPUであるAGIを発表した。AI需要の高まりがCPUの重要性を増し、既存のチップパートナーとの競争を激化させる中、Metaが最初の顧客として契約を締結した。

◇Arm expands compute platform to silicon products in historic company first (3月25日付け 3D InCites・IMAPS Content Platform)
→1)*Armはプラットフォームの幅を初めて拡大し、量産シリコン製品を提供することで、IP、Arm Compute Subsystems(CSS)およびシリコン全体にわたる幅広いコンピューティングソリューションを提供する。
  *Armが設計した初のデータセンター向けCPUであるArm AGI CPUは、エージェント型AIインフラストラクチャ向けに、x86プラットフォームと比較してラックあたり2倍以上のパフォーマンスを実現する。
  *主要パートナーであるMetaと共同開発され、他の顧客や主要ODMsも量産にコミットしているArm AGI CPUは、グローバルエコシステムからの強力なサポートを受けている。
 2)Arm Holdings plcは、AIデータセンターをターゲットとした初の自社開発シリコンであるArm AGI CPUを発表した。この動きはIPにとどまらず、チップ量産へと事業を拡大するものであり、Meta Platformsおよびパートナー企業は、エージェント型AIワークロード向けのスケーラブルで電力効率の高いインフラストラクチャを推進する。

◇Arm jumps 16% as company expects revenue windfall from new chip, a ‘significant shift’ (3月25日付け CNBC)
→1)*Armの株価は、CEOのRene Haas(レネ・ハース)氏が、同社が新たに発表したチップが2031年には年間$15 billionの収益を生み出すと見込んでいると述べたことを受け、急騰した。
  *同社は火曜24日、データセンターにおけるAI推論向けに設計されたAGI CPUチップを発表した。
  *この新チップの最初の顧客には、Meta、OpenAI、Cloudflare、およびSAPなどが名を連ねている。
 2)Armの株価は、初の自社開発AIデータセンターチップを発表し、2031年までに$15 billionの収益を見込んでいることから、16%急騰した。主要顧客に支えられたチップ製造への戦略的な転換は、従来のライセンス事業を超えた大きな事業拡大を示唆している。

◇Arm takes on Intel with proprietary server CPU―Arm shifts to chip manufacturing with AI CPU (3月25日付け Electronics Weekly (UK))
→1)Armは、自社開発のIPポートフォリオとCSS製品の中間に位置する、初の量産型独自CPUを設計した。
 2)Armは、エージェント型AIインフラストラクチャをターゲットとした、初の独自CPU「AGI CPU」を発表した。136個のNeoverse V3コアと300WのTDP(熱設計電力)を備えたこのプロセッサは、x86プラットフォームと比較してラックあたりのパフォーマンスが2倍以上になると期待されている。Armは、Meta、OpenAIおよびSAPといった企業と共同でこのチップを開発した。このチップによって、Armの年間売上高は5年以内に$25 billionに達すると見込まれている。今回の動きは、Armの従来のライセンスモデルから、チップの直接製造へと移行することを意味する。

◇[News] Arm Unveils First AGI CPU on TSMC 3nm; Meta Among Customers, Promising Up to 2× Performance vs. x86 (3月25日付け TrendForce)
→ArmはIPの枠を超え、TSMCの3nmプロセスで製造された初の自社開発AIデータセンターチップ「Arm AGI CPU」を発表した。x86と比較してラックパフォーマンスが2倍になり、大幅なコスト削減が見込まれる。Metaをはじめとするパートナー企業が参画し、Armは5年以内に年間売上高$15Bを目指す。

◇アーム、半導体の自前開発に参入 メタやオープンAIに直接供給 (3月25日付け 日経 電子版 04:00)
→ソフトバンクグループ(SBG)傘下の英半導体設計大手アームは24日、半導体の自前開発に参入すると発表した。米メタや米オープンAIにAI向けの半導体を直接供給する。AI需要の急拡大を受け、設計向け技術のライセンス提供に特化してきた事業モデルを転換する。自社開発したデータセンター向けCPU(中央演算処理装置)「AGI CPU」の展開を始める。

◇ソフトバンクG株価一時6%超高 傘下の英アームが半導体自社開発へ (3月25日付け 日経 電子版 10:15)
→SBGが続伸している。前日比235円(6.65%)高の3765円を付けた。傘下の英半導体設計アームホールディングスが半導体の自社開発を始めると発表した。

◇ソフトバンクG傘下アーム、半導体の黒子から脱皮 独自AIチップ開発 (3月25日付け 日経 電子版 17:00)
→SBG傘下の英アームが自前の半導体開発に乗り出した。AIが自律的に動く「AIエージェント」の普及でデータセンターの計算処理が増え、アームの省電力技術が脚光を浴びる。半導体の回路設計図(IP)を提供する黒子役から設計企業へと脱皮する。顧客企業との競合もいとわない賭けに出る。

◇Arm Launches First Silicon CPU, Targets Data Center Agentic AI Workloads (3月26日付け EE Times)
→*Armは、データセンターにおけるエージェント型AIを支える初のシリコンAGI CPUを発表し、x86アーキテクチャのライバル企業に挑戦状を叩きつけた。
 *Armは今週、Meta社と共同開発した初の量産対応シリコン「Arm AGI CPU」を正式に発表した。このCPUはデータセンターにおけるエージェント型AIワークロードをターゲットとしている。一部ではArm 2.0、つまりArmの新時代の幕開けと称され、ArmのCEOであるRene Haas氏は、IPライセンス供与だけでなく、シリコン販売に初めて乗り出すという同社の転換点を強調した。

◇アーム、半導体の黒子脱皮 AI向け自前開発 省電力技術強み (3月26日付け 日経)
→SBG傘下の英アームが自前の半導体開発に乗り出した。AIが自律的に動く「AIエージェント」の普及でデータセンターの計算処理が増え、アームの省電力技術が脚光を浴びる。半導体のIPを提供する黒子役から設計企業へと脱皮する。顧客企業との競合もいとわない賭けに出る。

CPUでインテルに対抗、そしてAIでもNvidiaに追いつき、追い越すといった展開イメージが思い浮かんでくる。

AI需要にすっぽり覆われた現下の半導体市場の見え方であるが、AI半導体による大きな変わり目がそれぞれにあらわれてきて、従来の見方に容赦なく加わってくる新たな評価軸の感じ方である。


激動の世界の概況について、以下日々の政治経済の動きの記事からの抽出であり、発信日で示している。

□3月24日(火)

中東の情勢に揺さぶられて上げ下げの展開であるが、最後は「調整局面入り」の目安とされる下落率に達した今週の米国株式市場である。

◇NYダウ631ドル高 中東の緊張緩和は本物か、手探りのリスクオン (日経 電子版 05:32)
→23日の米国金融市場で株式相場は急反発して原油価格には下落圧力がかかった。トランプ米大統領はイランの発電所に対する軍事攻撃を5日間延期すると表明し、イラン側と協議していることも明らかにした。差し迫った軍事的緊張は先送りになるとの安堵が広がった。ただ、本格的な緊張緩和に至るかはなお見通しにくい。

□3月25日(水)

◇NYダウ小幅反落、84ドル安 イラン問題とAI不安が重荷 (日経 電子版 05:34)
→24日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、終値は前日比84ドル41セント(0.18%)安の4万6124ドル06セントだった。米国・イスラエルとイランの軍事衝突が長期化するとの懸念が引き続き相場の重荷だった。停戦に向けた交渉が本格化する可能性も意識され、ダウ平均は上げる場面もあった。

□3月26日(木)

延期された米中首脳会談の予定発表である。

◇米中首脳会談、北京で5月14-15日に開催 米政府発表「習氏も米国訪問」 (日経 電子版 04:23)
→レビット米大統領報道官は25日、トランプ米大統領が中国の習近平国家主席と5月14日と15日に中国の北京で会談すると発表した。その後に習氏がワシントンを訪問することも公表した。

◇NYダウ、反発し305ドル高 米国とイランの停戦協議への期待が支え (日経 電子版 05:47)
→25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、終値は前日比305ドル43セント(0.66%)高の4万6429ドル49セントだった。米国がイランに和平案を提示したとの報道を受け、投資家のリスク回避姿勢がやや後退した。原油先物相場の下落も株買いを促し、ダウ平均は一時590ドル高となった。

□3月27日(金)

◇NYダウ反落469ドル安、イラン停戦交渉に警戒 ナスダック調整局面に (日経 電子版 05:22)
→26日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、終値は前日比469ドル38セント(1.01%)安の4万5960ドル11セントだった。米国とイランの停戦交渉が難航するとの警戒から、投資家心理が悪化した。米国が大規模な軍事作戦に踏み切るのではないかとの懸念で原油価格も上昇し、株売りを促した。

中東情勢を受けての主要通貨の明暗、資源国に対する韓国、タイ、そして我が国の状況である。

◇主要通貨、中東の資源依存度で明暗 韓国ウォンやタイバーツは売り (日経 電子版 18:00)
→中東情勢の悪化を受けた資源高騰が世界の通貨を揺さぶっている。中東に依存するアジアには売りが広がる一方、天然資源が豊富なカナダやオーストラリアは底堅い。混乱が続けば主要国の間で格差が広がり、世界経済への打撃も大きくなりそうだ。米国・イスラエルによるイラン攻撃から1カ月、外国為替市場の動揺が収まらない。その中心がアジアだ。

□3月28日(土)

◇NYダウ続落793ドル安 停戦期待広がらず、米原油再び100ドル台 (日経 電子版 05:25)
→27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、終値は前日比793ドル47セント(1.72%)安の4万5166ドル64セントだった。米原油先物相場が上昇し、株式相場の重荷となった。中東での軍事衝突が激化し、長期化しかねないとの懸念が強く、週末を前に主力株への売りが広がった。2月10日に付けた最高値(5万0188ドル)からの下落率は「調整局面入り」の目安とされる10%に達した。

◇円下落、1年8カ月ぶり160円台 中東緊迫でドル買い続く (日経 電子版 06:48)
→27日のニューヨーク外国為替市場で対ドルの円相場は一時、1ドル=160円台に下落した。160円台をつけるのは政府・日銀が円買い為替介入に踏み切った2024年7月11日以来、1年8カ月ぶり。中東情勢の緊迫化を受けて「有事のドル買い」が続いている。原油価格の上昇に伴う米金利の上昇もドル高圧力として意識されている。


≪市場実態PickUp≫

【波乱含みのメモリ】

メモリ半導体関連の動きが以下の通り相次いでいる。AIインパクトを受けての不足&価格高騰の中、Googleが大規模言語モデル(LLM)のメモリ使用量を少なくとも6分の1に減らせるとともにパフォーマンスを向上させるという圧縮アルゴリズム「TurboQuant」を発表すると、メモリ関連株が下落の反応、と敏感な推移となっている。

◇Memory crisis latest: What we learned from the world’s top producers this week (3月20日付け CNBC)
→1)*世界トップクラスのメモリメーカーであるマイクロン、サムスンおよびSKハイニックスは、今週いずれも大きな注目を集めた。
  *マイクロンは業績予想を大きく上回り、支出見通しも上方修正したことで株価が下落した一方、サムスンは今年$73 billionの支出を見込んでいる。
  *SKグループの崔泰源会長は、半導体不足は2030年まで続くとの見通しを示し、サムスン経営陣は主要顧客との複数年契約締結に向けて取り組んでいると述べた。
 2)マイクロンは過去最高の売上高、利益、そして約80%の粗利益率を示す業績見通しを発表し、ウォール街を驚かせたが、株価は下落した。サムスンとSKハイニックスもAI駆動型メモリの複数年契約を締結したことから、アナリストは半導体市場の長期的な供給不足が今後の動向を左右すると見ている。

◇[News] Samsung Reportedly Eyes Long-Term Memory Deals with Google, Microsoft; May Include $10B+ Prepayments (3月20日付け TrendForce)
→メモリメーカー各社は、AI主導の需要安定化を図るため、大手テクノロジー企業との複数年供給契約の締結を目指している。サムスンはグーグルやマイクロソフトと前払い保証付き契約について協議を進めており、マイクロンも同様の契約締結を進めて、市場の可視性、価格安定性、そして投資計画の改善を図っている。

◇Micron predicts that cars will need 300GB of RAM - memory-laden vehicles could exacerbate shortages but create 'robust long-term growth in automotive memory demand'―Micron sees 300GB RAM demand for Level 4 autonomous vehicles―Self-driving cars are essentially AI supercomputers on wheels. (3月22日付け Tom's Hardware)
→MicronのCEO、Sanjay Mehrotra氏は、自動車メーカーがL4自動運転機能を搭載した車両を導入するにつれて、自動車には最終的に300GB以上のRAMが必要になると述べた。The Registerによると、Mehrotra氏は、Micronが四半期決算報告を発表した後にこの発言をした。同社は今年第2四半期の売上高が$23.86 billionで、2025年第2四半期の$8.03 billionから200%の大幅増となったと報告している。この大幅な増加は、AIハイパースケーラーからのプレミアムHBMチップに対する驚異的な需要と、「構造的な供給制約とMicronのあらゆる面での強力な実行力」によって依然として牽引されている。

◇DRAM価格が1年で9倍 サムスンなどAI用シフト、汎用品が入手難 (3月23日付け 日経 電子版 17:37)
→半導体メモリーのDRAMが一段と値上がりした。指標品の2月の大口取引価格は前月比15%高に決まり、1年前の8.8倍になった。韓国のサムスン電子などメモリー大手が、生産を終了し、AI向けにシフト。供給が大幅に減って、需要家となる家電メーカーなどはDRAMの調達難に陥り「製品をつくるほど赤字になる」と頭を抱える。

◇AIメモリーのゲームチェンジ狙うサイメモリ 国策化も選択肢―サーチライト (3月23日付け 日経 電子版 11:00)
→ソフトバンクと米インテルが組み、次世代メモリーの開発を目指すSAIMEMORYが2月、初めて表舞台に現れた。AI半導体に現在使われているメモリーは物理的な性能限界が迫り、画像処理半導体(GPU)の性能を十分に引き出せなくなりつつある。サイメモリは独自技術を武器にゲームチェンジを狙う。ラピダスのような国策会社化も選択肢に開発を急ぐ。

◇How AI and Geopolitics Forge a Memory Market Crisis (3月25日付け EE Times)
→1)*AIスーパーサイクルと中東における壊滅的な供給途絶により、世界のメモリ市場の経済構造は根本的に書き換えられつつある。
  *世界の半導体業界は、深刻な構造再編と歴史的な変動期に突入した。業界関係者は、AIインフラへの飽くなき需要と深刻な原材料不足が衝突する現状を、俗に「RAMageddon(RAMゲドン:RAM終末)」と呼んでいる。これらの複合的な要因により、従来のサプライチェーンは事実上麻痺状態に陥り、メモリメーカーに力の均衡が傾き、家電メーカーは必須部品の確保に奔走せざるを得なくなっている。
 2)AI主導の需要拡大により、半導体業界に「RAMゲドン」とも呼べる事態が発生している。生産がHBMに移行し、消費者向けメモリの供給が逼迫しているためだ。供給不足、地政学的な緊張、コスト上昇などが価格の急騰を招き、OEMの利益率を低下させ、世界のスマートフォン生産量を減少させている。

◇SK Hynix files confidentially for U.S. listing as it rides ‘unprecedented growth’ in memory market (3月25日付け CNBC)
→1)*SKハイニックスは提出書類の中で、2026年までに米国上場を目指す意向を表明した。
  *ただし、公募規模、方法、およびスケジュールなどの詳細はまだ確定していない。
  *SKハイニックスとマイクロン、サムスンなどの競合他社は、生産能力の拡大を急いでいる。
 2)SKハイニックスは、AIを活用した事業拡大のために数十億ドルを調達する目的で、2026年までにADR(米国預託証券)を発行することを目指し、米国上場を非公開で申請した。同社は、株価の大幅な上昇と大規模な設備投資を背景に、投資を加速させ、生産能力を増強し、急増するメモリ需要を活用している。

◇SKハイニックス、米上場へ AI向けメモリー、1.5兆円調達の見方 (3月26日付け 日経)
→韓国の半導体大手SKハイニックスは25日、ADRの米ナスダック市場への上場手続きに着手したと発表した。AI向けメモリー半導体の需要が高まるなか、ハイテク産業が集積する米国で知名度を高め、幅広い投資家から資金調達する基盤を整える。

◇A Google AI breakthrough is pressuring memory chip stocks from Samsung to Micron (3月26日付け CNBC)
→1)*Googleは今週、新たな圧縮技術の研究により、LLMの実行に必要なメモリ量を6分の1に削減できる可能性があると発表した。
  *投資家が将来的にメモリチップの需要が減少するのではないかと懸念したことから、SKハイニックス、サムスンおよびマイクロンの株価は下落した。
  *しかしアナリストらは、今回の売りは利益確定売りである可能性が高く、Googleの研究はより高度なAIの開発につながり、最終的にはより多くのメモリチップが必要になると指摘している。
 2)AIのメモリ需要を削減するGoogleの画期的な技術「TurboQuant」は、投資家がチップ需要の低迷を懸念したことから、メモリ関連株の世界的な売りを招いた。しかしアナリストらは、長期的な需要は依然として堅調であり、この技術革新は破壊的というよりは漸進的なものと見ている。

◇Google、LLMのメモリ消費を6分の1に削減する新技術「TurboQuant」発表 (3月27日付け itmedia)
→米Googleは3月24日(現地時間)、新たな圧縮手法「TurboQuant」に関する研究により、LLMを実行するために必要なメモリ量を6分の1に削減できる可能性があると発表した。
 この技術は、AIモデルが情報を処理する際に用いる高次元ベクトルデータのサイズを極限まで圧縮し、大規模AIや検索エンジンにおけるメモリのボトルネックを解消するものという。特に、LLMの推論時に頻繁に使用される情報を一時保存する「キーバリュー(KV)キャッシュ」の圧縮において、モデルの精度やパフォーマンスを犠牲にすることなく大幅な効率化を実現するとしている。

◇現行メモリー、30年ごろに限界 サイメモリ 山口秀哉CEO(Leader’sVoice) (3月27日付け 日経)
→ソフトバンクが設立し次世代メモリー開発を目指す「SAIMEMORY」が本格的に事業を始めた。山口秀哉CEOは現行のメモリー技術は「30年ごろに限界がくる」とし、独自製品で置き換えを狙う考えを示した。

◇In-depth: Google TurboQuant cuts LLM memory 6x, resets AI inference cost curve―Google's TurboQuant reduces LLM memory usage (3月27日付け DigiTimes)
→Googleは、LLMのメモリ使用量を少なくとも6分の1に削減しつつパフォーマンスを向上させる圧縮アルゴリズム「TurboQuant」を発表した。これは、AIにおける最も根深いボトルネックの1つをターゲットとしている。

◇Chip selloff deepens after Google touts memory breakthrough (3月27日付け Taipei Times)
→Alphabet社がより効率的なメモリ利用を可能にするAI研究を発表したことを受け、メモリチップ関連株はさらに下落した。投資家が需要の減少と長期的な成長可能性を天秤にかけた結果、SKハイニックスとサムスン電子の株価も下落した。


【ASML関連】

EUVリソ装置を主導するASMLに関連する動きが、以下の通りである。ASMLに優る技術開発を目指す新興企業へのマイクロソフトの出資、ASML EUVへの記録的な発注を行ったSK Hynix、などである。

◇Microsoft-backed startup raises $40 million for advanced chipmaking equipment tech―Lace raises $40M for helium atom beam lithography (3月23日付け Reuters)
→マイクロソフトが出資するノルウェーに本社を置く半導体製造装置の新興企業、Laceは、半導体の設計と製造における大きな進歩を可能にする技術の開発をさらに進めるため、$40 millionの資金を調達したと、同社は月曜23日に発表した。
 最先端のチップを製造するために、TSMCやインテルなどのメーカーは、光を用いて複雑な回路を描画するリソグラフィーと呼ばれるプロセスを採用している。この回路は、高度な人工知能(AI)チップの基盤となる。

◇Microsoft-backed startup raises US$40 million for advanced chipmaking equipment tech (3月23日付け BNN Bloomberg)
→ノルウェーを拠点とするLace社は、ヘリウム原子ビームリソグラフィー技術の発展を目指し、$40 millionを調達した。同社は、チップの微細化を最大10分の1にまで縮小することを目指している。マイクロソフトの支援を受けるこのスタートアップ企業は、ASMLの光ベースのシステムを超える画期的な技術開発を目標とし、2029年までに試験的な製造工場でのテストを実施する計画だ。

◇[News] ASML Reportedly Eyes Hybrid Bonding Equipment, Precision Edge May Reshape Advanced Packaging Landscape (3月23日付け TrendForce)
→ASMLは、高度なパッケージング分野への参入を目指し、ハイブリッド接合ツールの開発を検討しているという噂がある。Prodrive TechnologiesおよびVDL-ETGと提携し、高まる需要に対応するため精密技術を活用することを目指しているが、発売はまだ確定していない。

◇SK hynix places record $8 billion order for ASML EUV lithography machines - should pay for up to 30 EUV machines over two years, serving HBM and advanced DRAM production―SK Hynix makes record $8B EUV order―Roughly 30 scanners will equip two South Korean fabs producing HBM and advanced DRAM through 2027. (3月24日付け Tom's Hardware)
→SKハイニックスは、AI駆動型メモリの需要増加に対応するため、ASML社にEUVリソグラフィ装置を$8 billionという記録的な規模で発注した。この装置は、SKハイニックスのM15X工場と、韓国の龍仁にある新設の半導体クラスターで使用される予定だ。

◇SK Hynix to Buy $8 Billion of ASML EUV Equipment (3月24日付け The Wall Street Journal)
→*この動きは、SKハイニックスが競争激化するHBM市場におけるリーダーシップを維持しようとする中で起こった。
 *SKハイニックスは、AIによる需要急増に対応するため、ASMLから約$8 billion相当のEUV露光装置を購入する計画だ。
韓国の半導体メーカーであるSKハイニックスの取締役会は火曜24日、ASMLから69億1300万ユーロ相当のEUV露光装置(シリコンウェハ上に極めて微細な回路パターンを形成するために用いられる最先端のリソグラフィ装置)を購入することを決定した。これは、ソウル証券取引所への提出書類で明らかになった。

◇SK hynix to purchase 12 tln won worth of chip equipment from ASML (3月24日付け Yonhap News Agency)
→SKハイニックスは、次世代チップの生産を2027年までに拡大することを目指し、ASMLから最先端のEUVスキャナーを12兆ウォンで購入することを決定した。この投資は、AI主導の需要の高まりを支え、第6世代技術への移行を加速させ、メモリ市場における同社のリーダーシップを強化する。


【Alibaba関連】

自給自足化を目指す中国でもAI半導体の取り組み、AlibabaがAIエージェントに向けたRISC-V CPU「XuanTie C950」を発表、5-nmでTSMCに生産委託としている。

◇アリババなど中国ネット4社、AI対応の投資拡大 27年6割増13兆円に (3月23日付け 日経 電子版 18:15)
→中国のネット大手がデータセンターなどの設備投資を積み増す。アリババ集団など大手4社合計の投資額は2027年に25年比6割増の13兆円規模になる見込み。AIの関連需要を取り込むための基盤の整備を急ぐ。投資が先行して収益の悪化につながる懸念もある。

◇Alibaba reveals new AI chip designed for ‘agents’ (3月24日付け CNBC)
→1)*アリババは、エージェント型AI向けにXuanTie C950中央処理装置(CPU)を設計した。
  *GPU(NVIDIAが圧倒的なシェアを誇る分野)に注目が集まる中、CPUはAI推論とエージェントにとって重要な役割を担うとされている。
  *XuanTie C950は、Armのアーキテクチャに対抗するRISC-Vアーキテクチャを採用している。
 2)アリババは、データセンターにおける効率的なマルチステップタスク処理を実現し、エージェント型AIの機能を強化するために、XuanTie C950 CPUを発表した。RISC-Vアーキテクチャをベースとしたこのチップは、パフォーマンスを向上させるとともに、海外の半導体サプライチェーンへの依存度を低減する。

◇Alibaba launches 5nm Risc-V CPU for inference―Alibaba debuts 5nm RISC-V CPU to compete in AI chip market (3月24日付け Electronics Weekly (UK))
→1)アリババ傘下の研究開発部門であるDamo Academyは、AI推論向けにRISC-VベースのCPUを発表した。このCPUはユーザーのワークロードに合わせてカスタマイズ可能で、世界最高性能のRISC-Vプロセッサであると謳われている。
 2)アリババは、グローバルAIチップ市場をターゲットに、3.2GHzで動作する5ナノメートルRISC-V CPU「XuanTie C950」を発表した。CEOのEddie Wu氏は、アリババをフルスタックAIテクノロジープロバイダーとして位置づけることを目指している。この発表は、中国のオープンソースソフトウェアの普及に対する米国の懸念が高まる中で行われた。中国のオープンソースソフトウェアは、今年、世界市場の約30%を占めるまでに成長しており、2024年の1.2%から大幅に増加している。アリババのAIアクセラレータは量産体制に入り、同社はチップ部門であるT-Headの株式上場を準備している。

◇[News] Alibaba Unveils RISC-V XuanTie C950 CPU for AI Agents, 5nm Chip Reportedly Made by TSMC (3月25日付け TrendForce)
→アリババはAIチップ開発を加速させ、大規模AIモデル向けRISC-VベースのCPU「XuanTie C950」を発表した。5nmプロセスで製造されたこのCPUは、ハイエンドサーバーをターゲットとし、性能を30%以上向上させるとともに、生産能力の制約がある中でも供給の安定性を強化することを目指している。

◇アリババが5ナノAI半導体 TSMCに生産委託へ (3月25日付け 日経)
→中国ネット通販最大手のアリババ集団は24日、回路線幅5ナノメートルの先端技術を用いたAI向けの半導体を発表した。自律的に作業する「AIエージェント」の開発・運用など関連事業の強化を狙う。生産はTSMCに委託する見通しだ。
 アリババ傘下の研究機関がAI向けのCPU(中央演算処理装置)「玄鉄C950」を開発した。「RISC―V(リスクファイブ)」と呼ぶオープンソースの規格を採用した。多数の命令を同時に処理でき、複雑なタスクを効率的にこなす設計とした。


【我が国半導体業界関連】

ローム・東芝・三菱電機のパワー半導体統合協議を始めるとの発表が行われるとともに、半導体工場関連の動きが見られている。

◇Tower Acquires 300mm Fab From JV Partner in Japan (3月26日付け Semiecosystem)
→1)半導体ファウンドリメーカーのタワーセミコンダクターは、シリコンフォトニクス技術の需要増に対応するため、300mmファブの生産能力を増強する。
 2)タワーセミコンダクターは、魚津工場を完全子会社化し、Nuvotonとの合弁事業を再編することで、日本における300mmファブの生産能力を増強する。これは、シリコンフォトニクスに対する急増する需要に対応するとともに、既存顧客への安定供給を確保するためである。

◇ローム・東芝・三菱電機、パワー半導体統合協議 世界2位連合へ (3月26日付け 日経 電子版 19:07)
→ロームと東芝、三菱電機の3社が、EVやデータセンターの電力制御に使うパワー半導体事業の統合交渉を始める。27日にも協議入りで基本合意し発表する。統合が実現すれば合計の世界シェアが約1割で世界2位の連合が誕生する。統合でコスト競争力を高める。
 ロームは東芝とパワー半導体事業の統合交渉を進めており、そこに三菱電機が合流する。統合の形態や出資比率などを含め今後の交渉で詰める。

◇JDI、米マイクロンと交渉 茂原工場売却で (3月27日付け 日経)
→ジャパンディスプレイ(JDI)が液晶パネルの主力拠点だった茂原工場(千葉県茂原市)の売却で、米メモリー大手のマイクロン・テクノロジーと交渉していることが26日わかった。JDIは「複数の事業者と交渉している」としており、マイクロンはそのうちの1社となる。成立した場合の売却額は数百億円とみられ、JDIは売却益で経営再建を急ぐ。

◇三菱電機、渡りに船のデンソー登場 ローム・東芝とパワー半導体連合 (3月27日付け 日経 電子版 02:00)
→東芝とロームのパワー半導体事業の統合協議に三菱電機が加わる。デンソーが従来の枠組みを超えて東芝と協業するロームに買収を提案したことで、これまで陣営作りにやや出遅れた格好の三菱電機が存在感を高めたかたちだ。
 三菱電機は長く再編の必要性を明言しながらも国内連携の形を見いだせずにいた。ロームや東芝など各社に働きかけていたもようだが、思うように協議が進んでこなかった。

◇ローム・東芝・三菱電機、パワー半導体統合で協議入りを発表 (3月27日付け 日経 電子版 16:38)
→ロームと東芝、三菱電機の3社は27日、パワー半導体事業の統合に向け協議を始めると発表した。統合が実現すると合計の世界シェアは単純計算で2位になる。中国企業が価格競争力を高めるなか、調達力の向上やコスト低減につなげ、国内パワー半導体産業の強化を目指す。


【SEMICON China 2026】

SEMICON ChinaがFPD Chinaとともに3月25日〜27日、上海にて開催、以下の内容が見られている。AI関連、先端実装と、現下の市況のもとでの今後の動きに注目である。

◇SEMICON China 2026 to Highlight Strategic Opportunities in the Era of AI and Trillion-Dollar Market Growth (3月25日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→SEMICON China 2026は、FPD China 2026と同時開催され、3月25日から27日まで上海新国際博覧中心にて、半導体業界の先見者やリーダーが一堂に会し、2026年に半導体業界を1兆ドル規模に押し上げるために不可欠な主要分野における最新の開発動向やイノベーションについて議論する。世界各地の思想的リーダーが、スマート製造、ヘテロジニアス統合、化合物半導体、設計、ディスプレイ、サステナビリティ、および人材育成といった主要テーマについて講演する。

◇Semicon China: AI, advanced packaging set to drive country’s chip industry growth (3月25日付け South China Morning Post)
→1)世界最大の半導体産業見本市の主催者によると、中国は2年以内に世界のウェハー生産能力のほぼ半分を占める見込みだ。
 2)中国の半導体産業は、エージェント型AIと高度なパッケージング技術に牽引され急速に拡大し、2028年までに世界のウェハー生産能力の約42%を占めるようになるだろう。AI推論需要の高まりと自給自足への取り組みが、依然として存在する技術的なボトルネックにもかかわらず、成長を加速させるだろう。

ご意見・ご感想