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米国政権インパクト半導体関連;AIでの板挟み(米中&倫理)、中東紛争

今月に入って早々、米国とイスラエルがイランを攻撃、イランも反撃して、新たな紛争の火種が加わっている。米国トランプ政権の動きに伴う半導体関連のインパクトにも見直しということで、現時点の状況に以下注目している。AI(人工知能)半導体を巡る板挟みについては、応酬の経緯がいろいろある米中間であるが、Nvidiaは中国向け生産を停止と伝えられている。米国政府とAIの軍事利用を巡って対立しているAnthropicは、AI倫理の捉え方で政府を提訴する事態となっている。そして、ホルムズ海峡が焦点となっているイランにおける紛争であるが、半導体の製造に欠かせないヘリウムのQatarにおける生産が停止の事態があらわされている。今後の推移に注目である。

≪政情インパクトの覆い≫

まずは、AI半導体について、米中間の輸出を巡る応酬を長らく取り上げた感じ方があるが、中国向け仕様としてNvidiaが用意した「H200」は、現時点以下の通り生産停止が伝えられている。トランプ大統領の訪中が間近に予定されているが、板挟みからの進展があるかどうか。

◇Nvidia halts China-bound H200 production, shifts TSMC capacity to Vera Rubin―Nvidia rethinks China strategy, redirects Vera Rubin (3月9日付け DigiTimes)
→1)フィナンシャル・タイムズ紙によると、NVIDIAは中国市場向けチップの生産を停止し、TSMCの製造能力を次世代Vera Rubinプラットフォームに振り向けた。米国と中国の規制上の障壁が中国顧客への販売見通しを依然として不透明にしている。
 2)報道によると、NVIDIAは米国と中国の規制上の課題を受け、中国市場向けH200チップの生産を停止し、戦略的パートナーであるTSMCの製造能力をVera Rubinプラットフォームに振り向けた。このシフトは輸出承認に関する不確実性を浮き彫りにしており、NVIDIAは25万個のH200チップを生産しているものの、中国での販売による売上げはゼロとなっている。

次のAIでの板挟みは倫理面の扱い方についてであり、責任あるAIの使用を企業理念とするAnthropicの米国政府と対立している関連の動き&内容が以下の通りである。

◇米政府、調達するAIの用途無制限に アンソロピックと対立で新規則 (3月10日付け 日経 電子版 04:56)
→英紙フィナンシャル・タイムズは9日までに、米政府がAI調達の条件を厳しくする規則案を検討していると報じた。あらゆる合法的な用途での利用を認めるように義務付ける。AI開発の米アンソロピックと政府利用をめぐる対立を受け、調達段階で政府権限を強める。米連邦政府一般調達局(GSA)が新たな規則案の草案を作成した。

◇「GPTやめる」軍事利用でOpenAIに逆風 幹部離脱、アプリ削除4倍 (3月10日付け 日経 電子版 05:01)
→AIの軍事利用について米国防総省と結んだ契約を巡り、米オープンAIに逆風が強まっている。同社のロボット部門の幹部が反発して退社し、社内には亀裂が生まれた。「QuitGPT(GPTをやめる)」と称する抗議活動が盛り上がり、3月上旬に一時アプリの削除数が前週比4倍に急増した。

◇アンソロピック、米政府を提訴 AI排除「報復であり違法」 (3月10日付け 日経 電子版 07:42)
→AI開発の米アンソロピックは9日、トランプ米政権が同社のAIを安全保障上の脅威とみなし、政府調達から排除するのは違法だとして米政府を提訴した。AIの軍事利用をめぐる政権との対立が法廷に広がる。国防総省や財務省など複数の米政府機関を米西部カリフォルニア州の連邦地方裁判所に提訴した。

◇Google、米国防総省にAI提供拡大 アンソロピック擁護の社員は批判 (3月11日付け 日経 電子版 04:57)
→米グーグルは10日、米国防総省への事務作業向けAIの提供を広げたと発表した。米軍の機密システムでAIを使う契約も協議している。
 一方でAI担当幹部や社員は国防総省と対立する米新興アンソロピックを擁護する意見を表明し、米政府の対応は不当だと批判した。
 グーグルは国防総省の職員用に、自律的に作業するAIエージェントの新機能を提供し始めたと発表した。

◇Microsoft、アンソロピックを支持 国防総省の排除「差し止めを」 (3月11日付け 日経 電子版 16:40)
→米マイクロソフトは10日、米国防総省の調達網から米AI新興アンソロピックを排除したことについて「一時的に差し止めるべきだ」と米裁判所に表明した。同社のAIを直ちに利用できなくすれば、米軍とテクノロジー業界に悪影響を与えると指摘した。

◇米テック企業、「半身」のアンソロピック支援 政権と倫理で板挟み (3月12日付け 日経 電子版 05:53)
→AIの軍事利用をめぐり米新興アンソロピックと米国防総省が対立した問題で、テック大手の対応が割れている。米マイクロソフトが初めてアンソロピック支持を表明したものの、トランプ米政権を刺激したくないのが本音だ。各社は政権との関係とAI倫理の間で板挟みとなっている。

今後の打開に向けた推移に注目するところである。

そして、イランでの中東紛争の半導体関連への影響であるが。以下の通りである。半導体製造に向けたヘリウムの生産停止、さらにはイランのAI企業攻撃をほのめかす投稿が伝えられている。

◇How the Iran war and rising energy prices are threatening semiconductor demand (3月11日付け CNBC)
→1)*アナリストはCNBCに対し、中東紛争の長期化は、ヘリウムや臭素といった半導体製造の主要材料の供給を阻害する可能性があると述べた。
  *エネルギーコストの上昇はAIデータセンター建設の需要を減退させ、サムスンやSKハイニックスといったメモリチップメーカーに打撃を与える可能性がある。
  *しかし、アナリストは、現時点では紛争の影響は限定的だと述べている。
 2)アナリストは、米国、イスラエル、イラン間の紛争が長期化すれば、ヘリウムや臭素といった主要材料の中東からの供給が脅かされ、半導体サプライチェーンが混乱する可能性があると警告している。輸送リスクとエネルギーコストの上昇も、AIチップの需要を抑制し、半導体株に圧力をかける可能性がある。

◇米軍がイラン無人機封じにAI新兵器、Google元CEO関与 費用400分の1 (3月11日付け 日経 電子版 05:23)
→米軍はイランが駆使する安価な攻撃ドローン(無人機)を迎撃するため、AIを使った新型兵器を投入する。迎撃ミサイルに比べ生産コストを400分の1に抑えた。イランは安価なドローンを使って周辺基地や施設に反撃しており、米国や同盟国は高額な兵器を消耗する状況からの打開を図る。
 新たに配備するのは「メロプス」と呼ばれる小型ドローン。敵の攻撃ドローンを識別して接近する。

◇Iran War Causes Biggest-Ever Oil Market Disruption, IEA Says―Iran war causing biggest oil market disruption in history (3月12日付け Bloomberg)
→国際エネルギー機関(IEA)は、イラン内戦によりホルムズ海峡が封鎖され、石油と天然ガスの輸送が途絶えたことで、史上最大の石油市場の混乱が生じていると報告した。IEAは、今月の世界の石油供給量が日量800万バレル減少すると予測しており、その影響を緩和するため、緊急備蓄から4億バレルを放出することで合意した。

◇Qatar helium shutdown puts chip supply chain on a two-week clock - SK hynix forced to diversify after 30% of global supply removed from the market―Chip industry faces helium shortage after Qatar shutdown―No restart in sight. (3月12日付け Tom's Hardware)
→イランのドローン攻撃以来、QatarEnergyのRas Laffan(ラスラファン)にあるヘリウム生産施設は9日間稼働停止状態が続いており、世界のヘリウム供給量の30%が失われている。この供給途絶は、シリコンウェハーの冷却にカタール産ヘリウムを多用する韓国の半導体業界に懸念を引き起こしている。一方で、SKハイニックスはヘリウム供給源を多様化し、十分な在庫を確保しており、TSMCは大きな影響はないと見込んでいる。

◇半導体素材、調達に影 韓国、ヘリウム輸入の65%カタール産 (3月12日付け 日経)
→ホルムズ海峡の封鎖が長期化すると、半導体の製造に欠かせないヘリウムなどの素材の調達が難しくなるとの懸念が出ている。韓国のSKハイニックスや台湾のTSMCなど大手の生産にまだ支障は生じていないものの、今後、アジアの半導体供給網に影響が広がる恐れがある。

◇イラン、GoogleやNVIDIAなど米7社標的名指し AI企業に攻撃リスク (3月13日付け 日経 電子版 07:52)
→イランの革命防衛隊が米テック企業を攻撃の標的にしている。イランのタスニム通信は米グーグルや米半導体大手エヌビディアなど7社の拠点を「新たな標的」と名指しするリストを投稿した。攻撃対象が企業へ拡大し、AIや基幹システムが寸断するリスクが出てきた。
 イラン革命防衛隊が通信アプリ「テレグラム」に10日に企業リストを投稿した。

できるだけ平和的な早期打開&収拾に向けて、それぞれの進展を願うところである。


激動の世界の概況について、以下日々の政治経済の動きの記事からの抽出であり、発信日で示している。

□3月10日(火)

トランプ大統領のコメントを受けて、出だし上げたものの、ホルムズ海峡の状況を受けてあとは下げ続けている今週の米国株式市場である。

◇トランプ氏「戦争ほぼ終了」 NYダウ239ドル高、原油81ドル台に急落 (日経 電子版 06:46)
→9日の米株式市場の米東部時間午後にダウ工業株30種平均が前週末比で上昇に転じた。上げ幅は一時300ドルを超えた。米CBSの取材に対し、トランプ米大統領が「戦争はほぼ終了した」と述べ、緊迫していた中東情勢の早期終結シナリオに対する期待感が市場で台頭した。朝方には800ドル以上下げる場面もあった。
 米東部時間午後3時16分にCBSのリポーターがX(旧ツイッター)でトランプ氏との電話インタビューでの発言概要を投稿すると、株式相場が動意付いてプラス圏に転換した。ダウ平均は結局、前週末比239ドル(0.5%)高の4万7740ドルで引けた。

□3月11日(水)

◇NYダウ、反落し34ドル安 ホルムズ海峡巡り不透明感 (日経 電子版 05:20)
→10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、終値は前日比34ドル29セント(0.07%)安の4万7706ドル51セントだった。中東からのエネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡で、イランが機雷の敷設を始めたと伝わった。軍事衝突を巡る不透明感が再び高まり、売りが優勢となった。

□3月12日(木)

◇NYダウ続落、289ドル安 中東緊迫や原油高の長期化を懸念 (日経 電子版 05:41)
→11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、終値は前日比289ドル24セント(0.60%)安の4万7417ドル27セントだった。中東の緊迫が続くなか、米原油相場が前日比で上昇したことなどが重荷だった。ダウ平均は500ドルあまり下げる場面があった。

通商法301条と聞くと、かつての日米半導体交渉を思い起こすが、トランプ政権の以下の調査が始められている。

◇US Starts Trade Probe Into China, EU in Trump’s Tariffs Revival―US launches sweeping trade investigation in bid to revive tariffs (Bloomberg)
→米国は、中国、EUおよびメキシコを含む12カ国以上に対し、過剰製造能力の疑惑を調査するための貿易調査を開始した。これは新たな関税導入の布石となる。通商法301条に基づくこの調査は、ドナルド・トランプ大統領が以前に課した関税を無効とした最高裁判所の判決を受けて実施される。

◇トランプ政権、「過剰生産」に制裁検討 相互関税の代替で日本も調査 (日経 電子版 09:56)
→トランプ米政権は11日、日本や中国、欧州連合(EU)など16カ国・地域を対象に、通商法301条に基づく調査を開始したと明らかにした。様々な製品分野における「過剰生産能力」の実態を調べ、結果次第では制裁関税や輸出規制などの対抗措置を国・地域ごとに検討する。通商法301条は不公正な貿易手法を使う国に対し、制裁関税などを発動できる仕組みだ。

□3月13日(金)

◇U.S. launches fresh Section 301 probes into 60 economies over forced-labor trade practices―US launches second probe against 60 trading partners (CNBC)
→1)*通商法第301条(b)に基づく調査は、中国、EU、インドおよびメキシコを含む60の経済圏を対象としている。
  *これは、水曜11日に開始された過剰生産能力に関する別の第301条調査に続くものである。
  *第301条は、米国が議会の追加承認なしに不公正貿易に対して関税を課すことを認めている。
 2)米国は、1974年通商法第301条に基づき、英国、EU、カナダなど60の貿易相手国を対象とした新たな一連の関税調査を開始した。これらの調査は強制労働の実態を調査することを目的としており、追加関税の導入につながる可能性がある。これは、米国が2日間で開始した2件目の貿易相手国に対する調査であり、最高裁判所が以前の関税制度を違憲と判断した後、政権が関税水準を維持または回復するための法的手段を模索している中で行われた。

トランプ政権の動きに目を奪われているなか、中国の全人代が控え目に閉幕している。

◇中国「全盛30年」の終わり、苛烈な軍粛清は必然 全人代閉幕 (日経 電子版 02:00)
→激動するイラン情勢の陰で、中国の全国人民代表大会(全人代)がひっそり閉幕した。世界を席巻してきた中国全盛の30年。その終わりがにじむ8日間だった。
 「4.5〜5%」。中国は2026年の実質経済成長率の目標を下げざるをえなかった。時代を画する大変化である。1990年代前半から30年以上掲げた目標で過去最低になる。
 中国内外の識者が指摘する統計水増しを勘案すれば水準はさらに低い。

◇NY原油、タンカー炎上で100ドル再接近 「史上最大の混乱」株も大幅安―景気不安でダウ平均739ドル安 (日経 電子版 05:36)
→12日の米ニューヨーク市場で、国際原油指標のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物が一時、前日終値比11%高い1バレル97.19ドルに急伸し、再び100ドル台に迫った。中東地域での軍事衝突が収束する気配を見せず、タンカーへの攻撃や港湾の閉鎖が実体経済に悪影響を広げている。

□3月14日(土)

◇NYダウ、続落し119ドル安 原油高止まりでリスク回避 (日経 電子版 05:24)
→13日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落し、終値は前日比119ドル38セント(0.25%)安の4万6558ドル47セントだった。中東情勢を巡る不透明感が根強い。原油相場が高止まりしており、リスク回避の株売りが優勢だった。大型ハイテク株の下げが目立った。


≪市場実態PickUp≫

【Meta関連】

NvidiaやAMDへの依存脱却を図るべく、MetaがBroadcomと共同開発したAI半導体、Meta Training and Inference Accelerator(MTIA)の展開はじめ、以下の通りである。

◇Meta unveils plans for batch of in-house AI chips (3月11日付け Reuters)
→Meta Platformsは水曜11日、データセンターを急速に拡張する中で、自社で製造する4種類の新しいチップのロードマップを公開した。
 AlphabetやMicrosoftといった多くの大手IT企業と同様に、MetaはNVIDIAやAdvanced Micro Devices(AMD)などの既製品を購入するだけでなく、自社でチップを設計できるチームの構築にも多額の投資を行ってきた。

◇Meta rolls out in-house AI chips weeks after massive Nvidia, AMD deals (3月11日付け CNBC)
→1)*Metaは、AI関連タスクに特化した自社開発のカスタムチップ4種類を発表した。
  *MTIA 300は数週間前に既に展開されており、今後MTIA 400、MTIA 450、MTIA 500が順次リリースされる予定である。新チップは6ヶ月ごとに発売される見込みである。
  *エンジニアリング担当副社長のYee Jiun Song氏は、これらのチップによってMetaのシリコン供給の多様性が高まり、価格変動リスクを軽減できると述べている。
 2)Metaは、データセンターの効率向上を目指し、MTIAプログラムの下で自社開発のAIチップ4種類を発表した。MTIA 300は既に展開済みで、今後はMTIA 400、450および500を、高価なGPUsへの依存度を低減しつつ、生成型AI推論向けに展開する予定である。

◇メタ、AIだけのSNS「モルトブック」青田買い 研究組織に人材吸収 (3月11日付け 日経 電子版 03:58)
→米メタは10日、AIだけが投稿できるSNS「Moltbook」の事業を買収すると明らかにした。モルトブックは自律的に動くAIの進化を示す実験的な取り組みとして大きな注目を集めたが、早くも大手テクノロジー企業が所有することになった。
 米ニュースサイトのアクシオスや米紙ウォール・ストリート・ジャーナルなど複数の米メディアが報じた。

◇Meta reveals four new MTIA chips built for AI inference - to be released on a six-month cadence―Meta, Broadcom launch MTIA chips designed for AI inference―The chiplet-based accelerators are designed to run AI inference more efficiently than GPUs optimized for training workloads. (3月12日付け Tom's Hardware)
→Metaは、AI推論を強化するためにBroadcomと共同開発した、第4世代のMeta Training and Inference Accelerator(MTIA:Metaトレーニングおよび推論アクセラレータ)チップを発表した。これらのチップは、推論ワークロードにおいてGPUsよりも効率が高くなるように設計されており、Metaは6か月ごとにリリースする予定である。


【IBMとLam Researchの協業】

IBMが世界初、2-nmチップ製造に成功したのが2021年。その後ラピダスとの提携が行われ、こんどは長年のパートナー関係にあるLam Researchと、1-nm未満のロジック微細化への取り組みである。

◇IBM and Lam Research team up on High NA EUV dry resist to push chip scaling past 1nm―IBM, Lam Research to collaborate on sub-1nm chip tech―Five-year collaboration targets nanostack devices and backside power delivery at sub-1nm nodes. (3月11日付け Tom's Hardware)
→IBMとLam Researchは、高開口数極端紫外線(高NA-EUV)リソグラフィーとLam ResearchのAetherドライレジストを活用し、ロジックチップを1ナノメートル以下に微細化するための材料とプロセスの開発に取り組んでいる。この提携では、ナノシートおよびナノスタック・アーキテクチャのプロセスフローの検証、および裏面からの電力供給に重点的に取り組む。

◇IBM and Lam Research Announce Collaboration to Advance Sub-1nm Logic Scaling (3月11日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→IBMとLam Research Corp.は本日、1nm未満のロジック微細化を支える新たなプロセスと材料の開発を目指した協業を発表した。長年にわたるパートナーシップの成功実績を基に、今回の新たな契約では、IBMのロジック微細化ロードマップを推進するため、新規材料、製造プロセス、および高開口数EUVリソグラフィープロセスの共同開発に注力する。

◇IBM, Lam Research join forces on sub-1nm logic and High-NA EUV development (3月12日付け DigiTimes)
→IBMとラムリサーチは、1nm以下のロジックスケーリングに向けた材料、製造プロセス、および高NA EUVリソグラフィ技術の開発に関する5年間の協業を発表した。この合意は、長年にわたる協力関係をさらに発展させるものである。

◇IBM, Lam Research Focus High-NA EUV on Sub-1-nm Nodes (3月13日付け EE Times)
→*IBMとラムリサーチは、新素材と製造プロセスの開発に重点を置いた5年間の提携契約を締結した。
 *IBMとラムリサーチは、1nmノードを超えるチップの製造を目指している。しかし、両社は潜在的なチップ製造パートナーや商用生産開始時期については明らかにしていない。
IBMとラムリサーチは、IBMのロジックスケーリングロードマップを推進するため、新素材、製造プロセス、および高NA EUVリソグラフィの開発に重点を置いた5年間の提携契約を締結したと、両社は3月10日のプレスリリースで発表した。IBMは2021年に世界で初めて2nmチップの製造に成功し、その後、日本のラピダスと提携して来年までに2nmデバイスの製造を目指している。


【TSMC関連】

かつて最も苦難の時期が語られた後、現在の最先端半導体製造を牽引、主導する対比があらわされる以下の内容である。

◇The long game of Rick Tsai: from TSMC’s darkest hour to the AI era (3月7日付け Digitimes)
→1)2008年11月、TSMCのCEO、リック・ツァイ博士は、文字通り深淵を見つめていた。世界的な金融システムは崩壊寸前で、世界で最も重要な半導体メーカーであるTSMCの灯火は、暗転しつつあった。半導体工場の生命線である稼働率は40%を割り込み、受注は途絶えつつあった。
 2)2008年11月、世界的な金融危機によって工場稼働率が40%を下回り、受注が途絶え、世界で最も重要な半導体メーカーであるTSMCの経営が危機に瀕する中、TSMCのCEO、リック・ツァイ博士は深刻な危機に直面した。

◇TSMC to hire 8,000 workers in 2026 (3月8日付け Taipei Times)
→TSMCは今年8,000人の採用を計画しており、修士号取得エンジニアには平均220万台湾ドルの給与を提示している。採用は台湾の複数の都市を対象とし、AIやデジタルトランスフォーメーションのスキルを重視し、大学の就職フェアやインターンシップも実施する。

◇TSMC February 2026 revenue climb on AI demand despite seasonal dip―TSMC's revenue rose in Feb. on AI demand (3月10日付け DigiTimes)
→TSMCの最新の月次売上発表によると、同社は2026年2月の売上げが3,176億6,000万台湾ドル($10 billion)で、前年比22.2%増、前月比では1月の4,012億6,000万台湾ドルから20.8%減少したと発表した。

◇TSMC、売上高最高 2月、AI半導体好調続く (3月11日付け 日経)
→半導体世界大手のTSMCが10日発表した2026年2月の売上高(速報値)は前年同月比22.2%増の3176億台湾ドル(約1兆5700億円)だった。生成AI向けのサーバーなどに搭載する先端半導体の販売好調が続き、同月として過去最高となった。1〜2月の売上高は前年同期比で29.9%増の7189億台湾ドルとなった。TSMCは米エヌビディアや米クラウド大手などからAI半導体の生産を受託している。

◇TSMC reports sales hit record high last month (3月11日付け Taipei Times)
→1)予測:TSMCは、今年の売上高が米ドルベースで約30%増加し、業界平均を上回ると見込んでおり、力強い成長を見込んでいると述べた。
 2)TSMCは、2月の売上高が過去最高の3,176億6,000万台湾ドルに達したと発表した。これは、高度な3nmプロセスAIチップへの旺盛な需要が牽引している。同社は、主要顧客であるNVIDIAのウェハ需要拡大と生産能力計画の推進を受け、2026年には売上高が約30%増加すると見込んでいる。


【インテル関連】

エッジAI応用向けCPUs、そして先日のISSCCにおける完全準同型暗号化(FHE:fully homomorphic encryption)用のHeraclesアクセラレータの発表について、以下示している。

◇Intel Launches Bartlett Lake & Panther Lake CPUs For Edge: Up To 12 P-Cores At 5.9 GHz―Intel targets edge AI with Bartlett Lake, Panther Lake CPUs (3月9日付け Wccftech)
→Intelは、エッジAIアプリケーションをターゲットとしたBartlett LakeおよびPanther LakeのCPUsを発表した。Coreシリーズ2に属するBartlett Lakeは、IntelのデスクトップCPUsとしては初となる最大12個の高性能コアを搭載し、Core Ultraシリーズ3に属するPanther Lakeはモビリティに重点を置いている。

◇Intel Demos Chip to Compute With Encrypted Data ―Fully homomorphic encryption chip speeds operations 5,000-fold (3月10日付け IEEE Spectrum)
→インテルは、IEEE 国際固体回路会議(ISSCC)で、完全準同型暗号化用のHeraclesアクセラレータを発表し、CPUsに比べて最大5,000倍の速度向上を実現し、クラウドおよびAIワークロード向けの実用的な暗号化コンピューティングに向けた大きな一歩を踏み出したと主張した。

◇Intel's Heracles chip computes fully-encrypted data without decrypting it - chip is 1,074 to 5,547 times faster than a 24-core Intel Xeon in FHE math operations―Intel showcases chip that processes encrypted data (3月11日付け Tom's Hardware)
→1)プロセッサ内部で復号処理が行われないため、あらゆる種類の攻撃が排除される。
 2)インテルは、完全に暗号化されたデータを復号処理することなく処理し、攻撃に対する脆弱性を排除できるHeraclesチップのデモを行った。x86系CPUではないこのチップは、fully homomorphic encryption(FHE:完全準同型暗号)を含む演算処理において、24コアのIntel Xeonよりも1,074〜5,547倍高速であるとインテルは述べている。


【Nvidia関連】

NvidiaのGPUsに対して、IntelとEricssonがCPUsで対抗、という先日のMobile World Congress(MWC)に加えて、最近の投資3件について、以下示している。

◇Nvidia Advances AI-Native Strategy at MWC (3月6日付け EE Times)
→1)*通信業界は、5G Advancedと6Gの無線アクセスネットワーク(RAN)アーキテクチャをめぐって意見が分かれている。
  *バルセロナで開催された2026 MWCにおいて、通信業界は極めて重要な課題に直面した。それは、AIを無線ネットワークにいかに統合するかという点である。
   この議論は、様々な戦略的アプローチに反映されている。NVIDIAは、ソフトウェア定義の分散型GPUsの使用をサポートし、ネットワークを通信とAIの両方のユースケースに対応するプラットフォームへと変革している。一方、IntelとEricssonは、電力制限内でネットワークのワークロードを管理するために、CPUベースのアプローチを好んでいる。
 2)バルセロナで開催されたMWC 2026において、NVIDIAとそのパートナー企業はGPUベースのAI-RAN戦略を披露し、通信ネットワークとAIタスクを効率的に駆動すると主張した。一方、IntelとEricssonはCPU中心のソリューションで対抗し、シンプルさ、電力制限、および推論主導のワークロードを重視した。

◇Fallout From Nvidia-Groq Deal Validates AI Chip Startup Landscape (3月9日付け EE Times)
→1)*NVIDIAのCEOは、推論は万能の問題ではないことを認めたようで、他の企業もこの動きに飛びついている。
  *NVIDIAはGroqとの契約で、Groqの技術の非独占ライセンスに$20 billionを支払い、同社の技術チームの大半を雇用したと報じられているが、この契約の影響はAIチップ業界全体に2つの大きな影響を与えている。
   まず、NVIDIAがGroqを買収したのは商業目的ではなく、技術のためだと仮定すると、大規模な非GPUアクセラレーターの市場が確実に存在するということになる。
   第二に、この契約の$20 billionという報道は、高速推論アーキテクチャに金銭的な価値をもたらしたということである。これは、多くのAIチップスタートアップのCEOsとその投資家を今、大いに喜ばせていることは間違いない。
 2)NVIDIAとGroqの$20 billionのライセンス契約は、GPU非搭載AIアクセラレータの需要の高まりを示唆し、推論におけるGPUの弱点を浮き彫りにしている。この動きは、異種チップアーキテクチャの有効性を実証し、AIスタートアップへの投資家の信頼を高め、推論ハードウェアにおける競争を激化させるものである。

◇Nvidia’s $4B Photonics Venture: What You Need to Know (3月9日付け EE Times)
→1)*光学部品サプライヤーであるLumentumとCoherentへの戦略的投資は、AIデータセンターにおける光インターコネクトの新たな時代の到来を告げるもの。
  *NVIDIAによる光学部品サプライヤーであるLumentumとCoherentへの$4 billionの投資は、AIのスケーリングがコンピューティングの限界から大規模GPUクラスター内のインターコネクト帯域幅の制約へと移行する中で、AIハードウェアの要であるNVIDIAの光ネットワークへのコミットメントを示すものである。この契約には、株式投資、複数年にわたる供給コミットメント、容量予約、そして次世代光学アーキテクチャに関する共同開発が含まれる。
 2)NVIDIAは、AIセンター向けコンポーネント確保のため、サプライヤーであるLumentumとCoherentに$4 billionを投資する。この契約は、株式、供給コミットメント、そして共同研究開発を組み合わせたもので、インジウムリンレーザーの生産能力拡大と、GPUクラスター相互接続の高速化を実現するコパッケージ光学(CPO)系の加速を目指す。

◇Nvidia makes ‘significant investment’ in Mira Murati’s Thinking Machines Lab―Why Nvidia believes in Thinking Machines Lab (3月10日付け CNBC)
→1)*NVIDIAは、Mira Murati氏のThinking Machines Labに「多額の投資」を行ったと、両社が発表した。
  *この提携の一環として、Thinking Machines Labは、NVIDIAのVera Rubinシステムを少なくとも1ギガワット導入することにも合意した。
  *両社は、NVIDIAの投資規模に関する詳細は明らかにしていない。
 2)NVIDIAは、元OpenAI CTOのミラ・ムラティ氏が設立したAIスタートアップ企業であるThinking Machines Labに投資している。この提携には、NVIDIAのVera Rubinシステムを少なくとも1ギガワット導入することが含まれる。「Thinking Machinesは、AIの最先端技術を前進させるために、世界クラスのチームを結集した。Thinking Machinesと提携し、AIの未来に向けた彼らの刺激的なビジョンを実現できることを大変嬉しく思う」と、NVIDIAのCEOであるジェンスン・フアン氏は述べている。


【メモリ半導体逼迫&価格高騰関連】

AIブームへの対応から、需給が逼迫、価格が高騰しているメモリ半導体について、現下の状況である。

◇The memory stock cycle of boom-bust-repeat is over, executives say (3月11日付け CNBC)
→1)*メモリ関連株が急騰しており、経営幹部らはAIが業界の従来の好況・不況サイクルを覆したと述べている。
  *ハイパースケーラー企業は、数年にわたる供給を確保するため、長期契約の締結にますます積極的になっている。
  *AIチップメーカーがノートパソコンやスマートフォンなどの消費者向け製品メーカーよりもメモリ供給量を買い占めているため、メモリ価格は急騰している。
 2)AIへの投資はメモリ市場を再編し、マイクロンやサンディスクの株価を押し上げている。経営幹部らは、AI需要の高まり、長期供給契約、そして供給能力の逼迫が、業界の好況・不況サイクルを終焉させ、メモリ価格を持続的な上昇へと押し上げていると述べている。
 3)AI関連の支出急増によりメモリ市場は大きく変化しており、AIインフラの需要が供給を上回るため、マイクロンやサンディスクの株価は急騰し、価格も上昇している。ヒューレット・パッカード、シーゲイト・テクノロジー、SKハイニックスの幹部らは、長期契約と供給不足は今後も続くと述べている。

◇NAND price leaps 50% overnight―NAND price surges 50% amid hyperscaler demand, report says (3月11日付け Electronics Weekly (UK))
→メモリコントローラサプライヤーのPhisonによると、NANDの価格が一夜にして50%上昇したとDigitimesが報じている。

◇Samsung and SK are expanding fast, but why is memory still in short supply? (3月12日付け Korea Joong Ang Daily)
→AIブームはメモリ需要の急増を後押ししているが、供給は依然として逼迫している。サムスン電子とSKハイニックスは、半導体製造工場、クリーンルームおよび先端プロセスノードに多額の投資を行っており、短期的なウェハー生産量を制限し、世界的なメモリ不足を2027年まで長引かせる見込みだ。

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