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ルネサスエレ工場火災インパクト関連:Intelの"IDM 2.0"戦略

新型コロナウイルスによる累計感染者数は金曜26日昼前時点、世界全体で1億2537万人を超え、6日前から約327万人増と依然衰えないペースである。
我が国でも然り、変異ウイルスの広がりもあって、ワクチン接種が進むものの、「第4波」への懸念が高まっている。半導体の世界的不足の中、ルネサスエレクトロニクスでの火災が、世界のsupply chainに重なるインパクトを与えている。そしてもう1つ、TSMCへの過大な依存から米国内製造回帰の気運が高まる中、Intelの新CEO、Pat Gelsinger氏が、$20 billionかけるArizonaでの2つの新しいfabsを打ち上げ、最先端はもちろんファウンドリー対応を前面に押し出した"IDM 2.0"戦略を表わし、反響を呼んでいる。

≪現下そして今後への波紋≫

ちょうど1週間前、本欄を埋めつつあったところで気がついたルネサスエレクトロニクスでの工場火災の報道、繰り返して次の通りである。
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本欄を埋めている時点で、驚かされるルネサスエレクトロニクスでの事態である。影響最小限を祈る思いである。

◇ルネサス、車載半導体の主力工場で火災、20日に現場検証 (3月20日付け 日経 電子版 04:59)
→半導体大手のルネサスエレクトロニクスは19日、主力の那珂工場(茨城県ひたちなか市)で火災が発生したと発表、先端品を扱う直径300ミリメートルの半導体ウエハーに対応した生産ラインが被害を受けた旨。同工場は車載半導体の主力工場で、操業停止が長引けば世界的に不足が続く車載半導体の供給に影響が出る可能性がある旨。

◇ルネサス工場で火災、車載半導体、供給に影響の恐れ (3月20日付け 日経 電子版 20:11)
→半導体大手、ルネサスエレクトロニクスの主力の那珂工場(茨城県ひたちなか市)で19日に火災が発生し、一部の車載用半導体の生産ラインが停止している旨。世界的に不足している車載半導体の供給への影響は必至で、新たな自動車の減産につながりそう。
2階建ての建屋1階で19日午前2時47分に火災が発生し、約5時間半後に鎮火した旨。出火元はめっき装置。被害を受けたのは先端品の量産を担う直径300ミリメートルの半導体ウエハーに対応した生産ライン。主に自動車の走行を制御するマイコンを生産している旨。
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週末金曜19日に発生した事態であるが、ルネサスから即座に説明が行われて、業界各紙が週末&週明けに以下の通り取り上げている。

◇Fire and Ice Aggravate Chip Supply Headache for Car Industry (3月20日付け Bloomberg)
→RenesasのCEOが自動車用半導体の供給に打撃を与える工場火災について警告、天候もsupply chainの重い負担における要因としてあらわれている旨。

◇Fire Destroys Part of Renesas Fab (3月22日付け EE Times)
→Renesasの茨城県の工場での火災は、車載分野などの市場向けデバイス供給能力に影響を与える旨。

今後のメドがあらわされている。

◇ルネサス火災「生産再開1カ月」、車メーカー追加減産も (3月22日付け 日経 電子版 05:49)
→半導体大手のルネサスエレクトロニクスは21日、火災により生産停止中の那珂工場(茨城県ひたちなか市)の生産再開に1カ月程度かかるとの認識を示した旨。半導体は工程が多く一般的に製造に2〜3カ月かかり、供給正常化までに3カ月超かかる計算。米中貿易摩擦や需要急増で世界で不足する車載半導体は、2月中旬の米国の大寒波で現地工場が止まり拍車がかかる旨。自動車メーカーの追加減産のリスクが高まっている旨。

国内の自動車メーカーが、影響の確認を急いでいる。

◇Japanese carmakers assess impact of fire at Renesas chip plant (3月22日付け Reuters)

◇トヨタや日産、ルネサス火災の影響確認急ぐ (3月22日付け 日経 電子版 10:11)
→トヨタ自動車や日産自動車など自動車メーカー大手は半導体大手、ルネサスエレクトロニクスの那珂工場(茨城県ひたちなか市)が火災で停止したことを受けて、車種別の影響確認を急ぐ旨。世界的な半導体不足のさなかに起きただけに、追加の減産など4月以降の生産計画見直しにつながる可能性もある旨。

◇Japan automakers assess impact of chipmaker fire-‘UNSTABLE PRODUCTION’: An electrical fault sparked a fire at a Renesas plant in Naka, pouring smoke into a clean room where automotive chips were being manufactured (3月23日付け Taipei Times)

火災の原因についての該時点での説明である。

◇Fire Destroys Part of Renesas Fab, Fueling Supply Concerns (3月23日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→2021年3月19日2:47 am、Renesas ElectronicsのNaka Factory、N3 Building(300mmライン)で火災発生、同日8:12 amに鎮火の旨。土曜日3月20日に、警察および消防が現場調査を実施、該火災の原因がN3 Buildingの1階内のメッキ装置であると確認の旨。該装置の筐体およびメッキタンクは比較的熱抵抗が低く、過電流により発火の旨。しかしながら、該過電流の原因および該発火の理由は現在調査中の旨。

◇Fire destroys 5% of Renesas semiconductor cleanroom (3月24日付け Cleanroom Technology)
→Renesas Electronics Corporationが、N3 buildingのクリーンルーム600 sqmが火災で破壊、12-インチウェーハ生産を中止の旨。

半導体supply chainへの重なるインパクト。まずは、ファウンドリー委託価格の上昇の流れである。

◇Chip vendors volunteering higher prices for foundry support to become new normal-Report: IC vendors raise prices to keep foundry support (3月23日付け DIGITIMES)
→ファウンドリーhouses筋発。車載用半導体のグローバルな不足が日本でのRenesas Electronicsが運営する300-mm自動車向け半導体製造工場が最近火災に見舞われて度を増し、半導体ベンダーがファウンドリーパートナーからのより多くのcapacity支援獲得に向けてより高い価格を提示することがnew normalになる旨。

半導体製造装置での需給逼迫の事態である。

◇半導体装置逼迫、復旧の壁、ルネサス火災で車減産拍車も (3月23日付け 日経 電子版 05:15)
→車載向け半導体大手、ルネサスエレクトロニクスの工場火災が半導体不足のタイミングと重なり、自動車業界の供給網が揺らいでいる旨。ルネサスは約1カ月での再開を目指すが、製造装置も需給に逼迫が生じており実現には課題が残る旨。足元で自動車メーカーが取引先を通じて確保する半導体在庫は最大3カ月分程度とみられる旨。復旧は時間との戦い。

日本政府が打開に乗り出している。

◇Japan urges support for fire-hit Renesas as global chip woes deepen-Fab fire damages IC gear at a Renesas plant (3月24日付け Reuters)
→日本政府が装置メーカーに対し、最大手半導体メーカーの生産修復を助けるよう求め、自動車会社での生産に打撃を与え、今はelectronic機器メーカーに圧力を与えている半導体の不足の緩和を狙った最新の政府の動きの旨。

◇車載半導体不足の対応、経産省が検討会議 (3月24日付け 日刊工業)
→経済産業省は23日、半導体のサプライチェーン(供給網)の強靱化などを議論する検討会議の立ち上げを発表、コロナ禍で車載用を中心に供給不足が深刻化する中、19日にはルネサスエレクトロニクスの那珂工場(茨城県ひたちなか市)で火災が発生し産業界への中長期的な影響が懸念される旨。同検討会でサプライチェーンの早期安定化に向けた対応策を協議する旨。

いまは重ねて、なるべく早い復旧を願うのみである。

次に、半導体製造の米国国内への回帰に向けた記事が次の通り引き続く最中である。

◇(Re)Shoring Up Semiconductor Manufacturing (3月22日付け EE Times)
→ときどき歴史は解読が難しくなる。しかし、米国から製造が移った理由は甚だしく明らか、安い労働力および削減された規制。その分析は容易かもしれないが、旧い間違いが明らかになり始めると、歴史は依然困難になる。ときどき間違いからの回復は可能ではない。米国国内の半導体製造が有意義な方法で回復するか?どんな要素がそのsuccess storyを引っ張るか?その問いに答えるのは少し野心的に思われるが、いくつか試みてみる。・・・・・

そこに、IntelのCEOに就いたばかりのPat Gelsinger氏からの"IDM 2.0"戦略の打ち上げが行われている。

◇Intel CEO Pat Gelsinger Announces ‘IDM 2.0’ Strategy for Manufacturing, Innovation and Product Leadership-IDM 2.0 is the Powerful Combination of Intel's Internal Factory Network, Third-party Capacity and New Intel Foundry Services (3月23日付け Intel Newsroom)
→Intelのglobal “Intel Unleashed: Engineering the Future” webcastにて、同社CEO、Pat Gelsinger氏が、Intelのintegrated device manufacturing(IDM)モデルを大きく進化させた“IDM 2.0”に向けたビジョンを共有の旨。

Chandler, Arizonaに$20 billionをかけて建設する2つの新しいfabsから繰り広げられる該戦略について、業界各紙の取り上げである。

◇Intel to Spend $20 Billion on 2 New Chip Factories in Arizona.-Patrick Gelsinger, Intel's chief executive, vowed on Tuesday that Intel would become a major manufacturer of chips for other companies, in addition to producing the processors that it has long designed and sold. (3月23日付け The New York Times)

◇Intel will make others' chips in major turnaround effort under new CEO-CEO Pat Gelsinger offers a more confident assessment after the chipmaker struggled for years to sustain processor progress. The stock market's response: Meh. (3月23日付け CNET)

◇Intel plans two fabs in Arizona for $20B, more later (3月23日付け FierceElectronics)
→Intelが火曜23日、製造拡大計画を発表、Chandler, Arizonaでの2つの新しいfabsに向けた$20 billionから始め、現地経済に15,000 jobsをもたらす旨。1年以内にIntelは、米国および欧州でほかの新しい工場を発表予定、次の米国の工場は米国国防総省安全制御契約に向ける可能性の旨。

ファウンドリー事業が前面で、驚きの受け取りである。アジアが席巻する現状への危機意識があらわされている。

◇Intel Surprises with $20B Expansion of Foundry Business (3月24日付け EE Times)
→Intelが、Arizonaにファウンドリーを建設しようとしており、北米および欧州の顧客向けの計画。

◇Intel to spend $20 billion on U.S. chip plants as CEO challenges Asia dominance (3月24日付け Reuters)

今回の打ち上げをどう見るか、それぞれの視点、受け取りを感じている。

◇Inside Intel's decision to launch its new foundry business (3月24日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→新CEO、Pat Gelsinger氏が、火曜23日の一連の発表でIntelの製造にリスクを取って賭けに出た旨。

◇Intel Launches ‘IDM 2.0’ Strategy, Including Two New U.S. Fabs and Foundry Services (3月24日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→Intelの新CEO、Pat Gelsinger氏が、Intelのintegrated device manufacturing(IDM)モデルを大きく進化させた“IDM 2.0”ビジョンを共有の旨。

◇Intel plans for foundry unit and $20B for two Arizona chip fabs prompt hope (3月24日付け FierceElectronics)
→Arizonaでの2つの半導体fabsに$20 billionを充てて、グローバルに他の半導体メーカーに製造capacityを開放、別部門、Intel Foundry ServicesをつくるというIntelの火曜23日の発表にはさまざまな反応。幾人かのアナリストが、最近就いたCEO、Pat Gelsinger氏の精力的なオンラインプレゼンを称賛、同氏は数回“Intel is back”を繰り返し、先のCPUハードウェアの生産に絡むこれまでの問題を積極的に認めた旨。

ファウンドリー事業に深入り、と台湾発である。

◇Intel announces US$20 billion fab expansion plans in foundry revamp-Intel dives deep into foundry biz; building 2 new fabs (3月24日付け DIGITIMES)
→IntelのCEO、Pat Gelsinger氏が、約$20 billionを充ててArizonaに2つのウェーハfab拠点を設け、新しい独立したIntel Foundry Services事業部門を通して半導体のcontract製造を拡大する、と発表の旨。「Intelでの革新および製品leadershipの新時代に向けた進路を置いている。」と、webcastにてGelsinger氏、同社のIDM 2.0戦略を謳っている旨。

熱気の一方、冷めた見方もあらわれている。

◇Chipmakers show mixed reactions to Intel foundry plan-What's the industry's reaction to Intel's foundry push? (3月24日付け The Korea Herald (Seoul))
→新しいIntel Foundry Services事業ユニットは、Samsung Foundry、TSMCなどファウンドリー会社と競合する旨。いくつかの市場観測筋はIntelの自身の半導体をつくる上での最近のプロセス問題からしてSamsungおよびTSMCへの重大な挑戦と見ていない一方、ほかは該新ファウンドリーを半導体不足問題との戦いに資する方法と見ている旨。

今回の全体概要が改めてあらわされている。

◇インテル、アリゾナに半導体新工場 2兆円投じ受託生産も (3月24日付け 日経 電子版 10:17)
→米インテルは23日、西部アリゾナ州に200億ドル(約2兆1700億円)を投じて半導体の新工場を建設すると発表、他社の製造を請け負う「ファウンドリー」事業にも参入する旨。世界的な半導体需給の逼迫が各国政府の課題になるなか、米国を中心に製造分野への投資を強化する。生産拠点があるアリゾナ州チャンドラーに、2つの新工場を建設する旨。既存工場では回路線幅が10-nm製品などを生産しているが、新工場は7-nm以降の製造プロセスを採用する見通し。稼働は2024年で生産能力は明らかにしていない旨。

TSMCの株価が下がる事態も見られている。

◇TSMC shares tumble as Intel eyes foundry return-‘BAD NEWS’: An investment expert said that the effect of changes at Intel would depend on how it allocates capacity and resources to become a world-class foundry (3月25日付け Taipei Times)
→Intel社がファウンドリー事業に戻る計画に投資家が懸念、TSMCの昨日24日の株価が3.03%下落の旨。

さまざまな論評記事が続いている。まずは、韓国発である。

◇Is Intel's foundry bid a sign US is getting back its chips?-Intel's new foundry fabs show US government support (3月25日付け The Korea Herald (Seoul))
→Intelのファウンドリー事業再参入の計画は、半導体製造を米国内に戻す兆候の可能性、大きく半導体販売高に依存する現地経済について分岐となる重要な戦略的動きの旨。$20 billionをかけてArizonaに2つの新しいfab工場を建設する計画を発表後、IntelのCEO、Pat Gelsinger氏がBBCに対し、「最重要の技術の見方がある世界にとって、アジアにすべての供給の80%があるのは快くはない。」

Intel対TSMCの見方である。

◇TSMC Still Has the Edge Over Intel in Brewing Foundry Fight -Foundry competition heats up between Intel and TSMC -Intel is moving in, but the incumbent will be tough to dislodge (3月25日付け The Wall Street Journal)
→Intelのファウンドリー事業のより広い取り入れはいろいろなmicrochipsにおけるグローバルな不足により歓迎されているが、同社が市場シェアおよびプロセス技術でTSMCに事重大に挑んでいるといくつか見ている旨。Intelが$20 billionを充ててArizonaに2つのウェーハfab拠点を建設していく一方、TSMCはGrand Canyon Statesでの"GigaFab"建設を約束、2021年のcapital expenditure(capex)予算を最大$28 billionに高めている旨。

◇米半導体、復権へ始動、インテル背水の2兆円新工場 (3月25日付け 日経 電子版 05:38)
→米国が半導体産業の復権に向けて動き出した旨。バイデン政権が国内生産の回帰策を掲げるなか、大手のインテルは約2兆円を投じて新工場を米国に建設する旨。あわせて他社開発品を量産する受託生産事業にも乗り出す旨。半導体はデジタル社会を支える中核製品だが、最先端の開発製造ノウハウは生産シェアで勝る台湾と韓国勢に流れがち。国をあげた技術覇権の競争が本格化する旨。

◇インテル、懸けの「受託」進出、半導体工場、2兆円でアリゾナに、生産撤退の観測一蹴、需給逼迫で「国産化」重視 (3月26日付け 日経産業)
→米インテルが懸けに出た旨。200億ドル(約2兆1700億円)を投じて米西部アリゾナ州に半導体の新工場を設け、製造受託事業に進出する。自社生産の撤退観測から一転。新たな経営トップのもと、半導体の「国産化」の機運を捉えて王者復権をめざす。「IDM 2.0」。インテルのパット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)は23日の戦略説明会でこう掲げた。IDMは垂直統合型デバイスメーカーの略称で、設計、開発から生産まで担うインテルのような企業を指す。ゲルシンガー氏は「今後もプロセス技術を主導し、主要な製造企業として世界に半導体を供給する」と強調した。・・・・・

◇Intel Drops a Bomb, Not the Ball (3月26日付け EE Times)
→Intel, Samsung, およびTSMCから米国でのIC製造への引き続く資本の流れに向けた推進力の構築が明らかに見える旨。

Intelの復権に向けた取り組み&進捗に、引き続き注目するところである。


コロナ対応のなかなか収まらない状況推移に対して、直面する事態への警戒感を伴った舵取りが各国それぞれに引き続き行われている世界の概況について、以下日々の政治経済の動きからの抽出であり、発信日で示している。

□3月19日(金)

半導体不足対応に関連する内容が以下見られている。米国Biden政権の商務長官と米国・Semiconductor Industry Association(SIA)のコンタクトである。

◇Combating semiconductor shortage a priority, U.S. Commerce chief says-Commerce secretary: Chip shortage is top of mind (Reuters)
→Gina Raimondo米国商務長官が、複数の業界における半導体の不足の打開に大きく重点を置いていく旨。「商務長官として、半導体の不足の除去に努め、アメリカの半導体製造技術に投資することが私の最も優先順位になろうとしており、Semiconductor Industry Association(SIA)などの指導者と一緒に取り組むことに期待する。」と、Raimondo氏。

◇SIA Statement on Meeting with U.S. Secretary of Commerce Gina Raimondo (SIA Latest News)

□3月23日(火)

米国株式市場は、上げ下げを経て最後はまたも最高値更新に至る今週である。

◇NYダウ103ドル高、長期金利低下、ハイテク株に買い (日経 電子版 05:34)
→22日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前週末比103ドル23セント(0.3%)高の3万2731ドル20セントで終えた旨。米長期金利の上昇が一服し、PER(株価収益率)が高いハイテク株などに押し目買いが入った旨。
米長期金利が前週末終値の1.72%から22日は1.6%台後半に低下し、相対的な割高感が低下したハイテク株に買いが入った旨。ソフトウエアのマイクロソフトとスマートフォンのアップルが上昇し、ダウ平均を押し上げた旨。

□3月24日(水)

◇NYダウ反落308ドル安、欧州のコロナ感染拡大に懸念 (日経 電子版 05:50)
→23日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比308ドル05セント(0.9%)安の3万2423ドル15セントで終えた旨。欧州で新型コロナウイルスの感染が再拡大し、世界経済の正常化が遅れると懸念された旨。資本財や金融など景気敏感株が売られ、最近上昇が続いていた旅行・レジャー関連株も大幅に下げた旨。

□3月25日(木)

台湾での半導体fab起工式で、米国と台湾の緊密な連携が謳われている。

◇U.S. says promoting chip cooperation with Taiwan is a priority-Diplomat: Taiwan-US ties are strong in chips, tech (Reuters)
→American Institute in Taiwan(米国在台湾協会)のdirector、Brent Christensen氏が、台湾中部での新しいPowerchip Semiconductor Manufacturingウェーハfab拠点の起工式で米国政府に代わり講演の旨。「Biden大統領および蔡総統ともに、経済的革新だけでなく国家セキュリティに向けて、半導体業界を重要な戦略的優先事項と正当に同定している。」とChristensen氏、蔡 英文総統が該起工式出席の旨。

◇NYダウ続落3ドル安、ハイテク株に売り (日経 電子版 05:57)
→24日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に続落し、前日比3ドル09セント安の3万2420ドル06セントで終えた旨。欧州景気への懸念で前日に売りが広がった景気敏感株に見直し買いが入り、ダウ平均は大半の時間帯でプラス圏で推移した旨。ただ、ハイテク株への売りが次第に強まり、取引終了間際に下げに転じた旨。

□3月26日(金)

◇NYダウ反発199ドル高、消費回復期待で景気敏感株に買い (日経 電子版 05:47)
→25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発し、前日比199ドル42セント(0.6%)高の3万2619ドル48セントで終えた旨。欧州で新型コロナウイルスの感染拡大への懸念から売りが先行した旨。売り一巡後は米経済の底堅さに着目した買いが景気敏感株を中心に入り、ダウ平均は引けにかけて上げ幅を広げる展開だった旨。

各国それぞれ、国内での半導体製造の重みが増している現状である。

◇Analysis: Money no object as governments race to build chip arsenals-Governments throw money at chip projects amid shortage (Reuters)
→自動車などの製品向けコンポーネントが世界的に不足、各国政府がそれぞれの国における半導体関連業界を熱心にサポートの旨。「いまやすべての国が自前のfabを建設したいとしている状況にある。」と、VLSI ResearchのCEO、Dan Hutcheson氏。

□3月27日(土)

治まらないコロナ感染の現時点である。

◇世界のコロナ感染、「第4波」懸念、変異ウイルスで5割増 (日経 電子版 05:19)
→世界で新型コロナウイルスの感染の「第4波」への懸念が高まっている旨。医療崩壊が深刻なブラジルをはじめとする中南米では25日、新規感染者数が過去最多を更新した旨。欧州でも新規感染者数が1月中旬以来の高水準となった旨。各国でワクチン接種が進むものの、変異ウイルスの広がりもあり収束の見通しが立たない旨。再びロックダウン(都市封鎖)の動きが強まれば世界経済の回復が遠のく旨。

◇NYダウ453ドル高、最高値更新、ワクチン普及に期待 (日経 電子版 05:50)
→26日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸、前日比453ドル40セント(1.4%)高の3万3072ドル88セントと、17日以来となる過去最高値を更新した旨。米国で新型コロナウイルスのワクチン普及が加速し、経済活動の正常化が進むとの見方が強まった旨。景気敏感株を中心に幅広い銘柄に買いが入り、ダウ平均は取引終了にかけて上げ幅を広げた旨。


≪市場実態PickUp≫

【半導体の不足関連】

成熟世代半導体の不足が早めに緩和に向かうのでは、とQualcommのCEOの見方である。

◇Qualcomm CEO says shortage of older chips likely to ease sooner-Qualcomm CEO: Mature chip shortages will abate sooner (3月20日付け Reuters)
→QualcommのCEO、Steve Mollenkopf氏。成熟したプロセスでつくられるmicrochipsなどが、世界的な半導体の不足の間でまず業界需要に適合していく旨。「新しい方のnodesよりは旧い方のnodesにより素早く対応する市場に向けた能力があり、製品によって、何らかの改善が得らえるようになる。」と同氏。

全面的な不足の現況である。

◇Global shortage in computer chips 'reaches crisis point'-Consumer price rises loom while dearth of semiconductors slow production from Samsung to Ford (3月21日付け The Guardian)
→半導体におけるグローバルな不足が拡大、テレビおよび携帯電話から自動車およびゲーム機まで、消費者が価格上昇および製品の不足に直面の旨。世界のすべてのelectronic機器のなかの“brain”、半導体の不足が、昨年以降どんどん悪化している旨。

中国の半導体メーカーが中古の製造装置購入に向かっているとのこと。

◇China's chip plants hoard secondhand equipment amid supply crunch-Fabs in China are hoarding used IC gear (3月21日付け Global Times (China))
→中国の半導体メーカーのいくつかが、海外の中古半導体生産装置の購入を急いでおり、グローバルな供給不足および米国の制裁により中国の半導体業界に需給不均衡が生じている旨。中古装置取引市場が活況を呈している、とNingbo Chipex Semiconductor Coの製品エンジニア、Liang Yuhao氏。

中国のスマホのXiaomiも、製品の値上がりの可能性に言及している。

◇Xiaomi president says chip shortage has increased costs, may pass on to consumers-IC shortage costs may be passed to consumers, Xiaomi exec says (3月24日付け Reuters)
→中国のスマートフォンメーカー、Xiaomiのpresident、Wang Xiang氏が水曜24日、グローバルな半導体の不足が同社のコストを高めており、結果として製品価格が上がる場合があると示唆の旨。

台湾での干ばつに対する対策措置が続いており、そのインパクトも目が離せないところである。

◇Taiwan Cuts Water Supply for Chipmakers as Drought Threatens to Dry Up Reserves-In drought, Taiwan rations water supplies to wafer fabs (3月24日付け Bloomberg)
→台湾が、何10年で最悪の干ばつに対する戦いを踏み上げ、備蓄が枯渇しないよう台湾中部での半導体製造の重要hubなどの地域への水の供給をさらに減らしている旨。

【北米半導体装置世界billings】

SEMIの月次発表、北米半導体装置メーカーの2021年2月世界billingsが、2ヶ月連続で最高を更新、$3 billionの大台を維持している。米国・SIAの月初発表の世界半導体販売高も、年間最高に向かうかどうか、相通じるところである。

◇North American Semiconductor Equipment Industry Posts February 2021 Billings, Surpassing $3 Billion for Second Consecutive Month (3月22日付け SEMI)
→SEMIのFebruary Equipment Market Data Subscription(EMDS) Billings Report。北米半導体装置メーカーの2021年2月世界billingsが$3.14 billion(3ヶ月平均ベース)、2ヶ月連続の最高更新、前月、2021年1月の最終billings、$3.04 billionを3.2%上回り、前年同月、2020年2月の$2.37 billionを32%上回る旨。「北米半導体装置メーカーの2月billingsはもう1度$3 billionを上回り、広範な末端市場に及ぶ力強い半導体需要が動かしている。」と、SEMIのpresident and CEO、Ajit Manocha氏。「業界のdigitizationが世界中で引き続き、半導体装置への投資増大を引っ張っている。」
ここ半年の推移(金額:USM$):

Billings
Year-Over-Year
(3ヶ月平均)
September 2020
$2,743.3
40.0%
October 2020
$2,648.2
27.3%
November 2020
$2,611.6
23.1%
December 2020
$2,680.8
7.6%
January 2021 (final)
$3,038.2
29.8%
February 2021 (prelim)
$3,135.0
32.0%

  [Source: SEMI (www.semi.org), March 2021]

◇Semiconductor equipment billings set another record high-SEMI: Feb. billings reach $3.14B, a monthly record (3月24日付け DIGITIMES)

【Samsung関連】

NTTドコモから5Gネットワーク装置をSamsungが受注、テレコム分野での乗り出しに注目である。

◇Samsung gets 5G equipment contract from Japan's NTT Docomo-NTT Docomo orders 5G network equipment from Samsung (3月22日付け Reuters)
→Samsung Electronics Coが月曜22日、日本のモバイルoperator、NTT Docomo 社から5Gネットワーク装置を供給する契約を獲得、Samsungは自らをテレコム装置事業における挑戦者と位置づけの旨。

Samsungが、7年ぶりの新世代メモリというあらわし方も見られる先端computing用512-gigabyte DDR5メモリの開発を、以下の通り発表している。

◇Samsung develops 512GB DDR5 memory for advanced computing-Samsung's first DDR5 memory offers data transfer rate of up to 7,200Mbps and is aimed at advanced computing applications. (3月25日付け ZDNet)

◇Samsung Elec rolls out fastest and most energy-efficient DDR5 memory for servers-Samsung debuts energy-efficient DDR5 memory for servers (3月25日付け Pulse by Maeil Business Newspaper (South Korea))
→Samsung Electronicsが、サーバ用512-gigabyte DDR5 DRAMモジュールの開発を発表、該高エネルギー効率メモリモジュールは、ビッグデータanalytics, machine learning(ML), artificial intelligence(AI)およびbandwidth-intensive supercomputingにおける先端computing向け。

◇Samsung unveils next-gen memory for data-hungry AI-MORE SPEED: The DDR5 chips would be twice as fast and 20 percent larger than DDR4 chips, and might increase pressure on supply chains, analysts said (3月26日付け Taipei Times)
→Samsung Electronics Coが、今年後半新世代のメモリ半導体、512GB DDR5をリリース、7年ぶりのこと、データセンターおよびartificial intelligence(AI)需要に追いつくよう倍の速度および最大capacityが得られる旨。

【M&A関連】

M&Aの経緯がここ何年か見られるKokusai Electric社。日立国際電気から2018年6月に分社し、米投資会社コールバーグ・ クラビス・ロバーツ(KKR)の傘下に入って、Applied Materials社による買収提示を受けた経緯。結局のところ、中国公正取引当局の承認が得られず、先に進まない様相となっている。

◇Applied Materials may kill $3.5B buy of Kokusai over delayed OK by China (3月22日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→Applied Materials社(Santa Clara)が月曜22日、Kokusai Electric社買収の$3.5 billion提示を集結する可能性、該取引が中国のregulatorsによる時宜を得た承認を得られていない旨。Applied Materials社は、KKR HKE Investment L.P.への支払いを高めた12月後半の取引で、3月19日の期限を置いた旨。しかし、月曜22日、KKRに3月26日が期限である$154 million in cashの終結料をKKRに支払うことになりそう、としている旨。

◇米アプライド、旧日立系買収破談も、中国の承認得られず (3月23日付け 日経 電子版 05:14)
→米半導体製造装置最大手のアプライドマテリアルズは22日、旧日立製作所系のKOKUSAI ELECTRIC(東京・千代田)の買収計画をめぐり、買収完了の期限だった19日までに中国当局の承認が得られず「買収契約が解除された可能性がある」と発表、契約解除料の支払期限である26日までに改めて承認が確認できなければ、買収は破談となる旨。KOKUSAIは日立国際電気から2018年6月に分社し、米投資会社コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)の傘下に入った旨。

【経済産業省の半導体支援】

先端半導体の開発&製造を自国で担う機運が、グローバルな半導体の不足で高まる中、我が国で経済産業省がこの関連を支援する動きが続いている。危機意識の高まりによる再生に向けた具体的な取り組みに期待である。

◇キヤノンなど3社、先端半導体開発で連携、国が420億円支援 (3月24日付け 日経)
→キヤノンなど3社と産業技術総合研究所が次世代半導体の開発で連携する旨。経済産業省も自前の基金から約420億円を投じて研究開発を支援する旨。台湾積体電路製造(TSMC)など海外勢とも協力体制を築き、後れを取ってきた最先端の半導体の開発で巻き返しを図りたい考え。キヤノン、東京エレクトロン、SCREENセミコンダクターソリューションズの3社が産総研と協力、台湾TSMCや米インテルなどの海外半導体メーカーとも広く意見交換しながら開発を進める旨。

◇経産省、先端半導体製造技術開発事業者に産総研など選定 (3月24日付け 日刊工業)
→経済産業省は23日、「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」の先端半導体製造技術の開発に関わる事業者として、産業技術総合研究所、東京エレクトロン、SCREENセミコンダクターソリューションズ(京都市上京区)、キヤノンを選んだと発表、産総研のつくば事業所(茨城県つくば市)にパイロットライン(試験ライン)を設置し、半導体の前工程に関わる製造技術を開発する旨。先端半導体の製造技術の開発を通じ、国内のポスト第5世代通信(5G)情報通信システムの開発や製造基盤の強化を目指す旨。

◇米半導体、復権へ始動、インテルが背水の2兆円新工場―日本、先端品生産で海外勢誘致、製造装置・素材は強み。 (3月25日付け 日経)
→・・・・・経済産業省は24日夜、半導体産業の競争力を高めるための課題や方策を議論する会合を開いた。富士通やNEC、半導体大手のルネサスエレクトロニクスなどが参加した。
経産省は会合で、製造装置や材料などの競争力をさらに磨く一方、先端品の生産は海外メーカーの工場を誘致して国内に量産体制を築く構想を示した。米国などは国内生産の強化に大規模な補助金を出している。経産省は「日本も手を打たなければいけない」として補助金などの増額を検討する考えも示した。
会議に出席した梶山弘志経産相は「ルネサスやTSMCの生産動向は世界の製造業の工場稼働率に直結する。強じんな半導体産業を持つことが国家の命運を握る」と強調した。日本の現状に「強い危機感を持っている。大胆な政策を打ちたい」と話した。


≪グローバル雑学王−664≫

前回に引き続いてビリオネアの素顔、そしてビリオネア時代の意味について

『スーパーリッチ――世界を支配する新勢力』
 (太田 康夫:ちくま新書 1524) …2020年10月25日 第2刷発行

より迫っていく。毎年世界で10億ドル(約1130億円)以上の資産を保有している人をビリオネアと呼ぶとのこと。金融資産が100万ドル以上の富裕層のミリオネアは、クイズ番組のタイトルにもあって馴染みはあるが、時代とともに、そして特に近年の経済の変転を受けて、各国でビリオネアがあらわれた経緯に注目している。米フォーブス誌データで2020年に世界で2095人というビリオネアであるが、マイクロソフト、GAFAそしてBATHと、我々関係業界での馴染みの顔ぶれの登場を指標に、激動の世界を振り返っている。


第一章 超富裕層時代の到来 …2分の2

(1)ビリオネアの素顔

◇世界一だった堤義明、2020年のトップはユニクロ創業者
・日本での富裕層
 →歴史的には支配層
・室町幕府の第三代将軍、足利義満
 →金閣寺に代表される北山文化
・江戸時代は将軍家である徳川一族
 →加賀藩の前田家、薩摩藩の島津家、仙台藩の伊達家などが、地方で富を蓄え
・室町時代以降は、豪商も登場
 →御朱印船貿易などに当たっていた京都の豪商、角倉了以
・江戸時代、商業の中心は大坂
 →大坂・中之島にコメ市を開いた淀屋の四代目当主、淀屋重当
 →伊予で銅山開発に当たった住友家、酒造業から両替商に進出した鴻池家
・明治になると、さまざまな事業を手掛けた財閥が力を持つように
 →三菱の岩崎弥之助、住友の住友吉左衛門、三井の三井八郎右衛門など各財閥の当主が日本を代表する富裕層に
  →第一国立銀行を創設した渋沢栄一ほか、事業を多角化し財閥を形成
  →大正期、持株会社、日本産業の傘下に日立製作所、日産自動車などを組織する鮎川財閥に
・敗戦で財閥は解体
 →代わって戦後復興にのった企業の創業者が富豪に
  →松下電器産業社長、松下幸之助
 →その後、日本は二度のオイルショックにもめげずに高い経済成長を成し遂げる
 →1980年代後半にはバブル経済とよばれる状況に
  →まず増えたのは土地長者
・1990年代は新しい企業の担い手が富豪になっていく
 →任天堂の創業家社長、山内博
 →光通信を創業、重田康光
・2000年代以降はソフトバンクの孫正義など通信やネットの長者が躍進
・2020年のフォーブスの世界の億万長者番付
 →保有資産が10億ドルを超えるいわゆるビリオネア、日本からは合計26人

◇サラリーマン・ミリオネアの増加
・近年は有力企業などに勤めるサラリーマン・ミリオネアも増加
 →バブル期は銀行、近年ではIT企業など
・世界的な大富豪は少ないが、1億円を上回る小金持ちが多いのが、日本の昨今の富裕層の特徴
・日本の富裕層が増えているのは本来悪いことではないはずだが、気になることも
 →この10年で日本の富裕層は70万人近く、率にして3割近く増
 →ただ、その間、日本のGDPはほとんど増えていない
 →経済活性化のための政策は、豊かな人を富ませることに貢献はしたが、それが経済全体の成長に結びついていない
・企業が豊かになれば、それが従業員にも還元され、経済が豊かになる「トリクルダウン」
 →企業は利益を内部留保の形で積み上げ、還元したのは役員が中心
 →トリクルダウンは企業の経営者によって、葬り去られた
・日本の富裕層の増加が、ゆがんだ格差拡大の結果でなければいいと願うばかり

(2)ビリオネア時代の意味

◇かつての富裕層の代表、王侯貴族のいま
・まずこれまでどんな人がお金持ちだったのか
 →広大な領地を支配し、絶対的な力を持っていた皇帝たち
 →今の基準でどの程度の豊かさかはよくわからない
・有名な富豪として
 →メディチ家、タクシス家、ロスチャイルド家
・19世紀以降で世界一の富豪との認識
 →スタンダード・オイルを創設したJohn Rockefeller

・2019年10月、日本での天皇陛下の即位礼正殿の儀
 →饗宴の儀で、主賓格で新天皇の横に座ったのはブルネイのハサナル・ボルキア国王
 →テレビなどでは、在位が52年と出席者の中で最も長いためと説明
 →おそらく現在、世界の王族の中で最も保有資産が多いと見られている
 →あり余る富を使って国民の生活レベルをアジア最高水準にまで引き上げ

◇相対的に薄れてきた王族の富裕感
・古くから王侯貴族が巨大な富を支配してきた欧州
 →スイスに隣接する小国、リヒテンシュタインのハンス・アダム二世の個人資産が最も多いとされる
 →300年も領地を維持し、富を蓄えてきたリヒテンシュタイン家
 →時代の流れを正確に判断しながら、万一の事態にも備える舵取りの巧みさ
・王族の富はいまだに健在だが、経済の拡大による民間の富の膨張で、王族の相対的な富裕感が薄れているのは事実
 →AmazonのBezosの保有資産は1000億ドル超
 →王族で最高クラスのボルキア国王の200億ドルは数分の1

◇GAFA寡占の歴史的意味、国の金持ちからグローバル社会の金持ちに
・ベルリンの壁の崩壊とともに、中国、ソ連など旧共産圏諸国が、経済面で西側の自由主義経済圏と一体化
 →中国やソ連は、多くの国有企業を離陸させ、その経営者たちは世界的な富豪に
・かつてのミリオネアから、いまや最も豊かな富裕層といえばビリオネアとの認識
 →最富豪を表わす言葉のベースが、1000倍に
・富豪がビリオネアになっていったのは、1990年代以降の株価の上昇が大きな要因
 →この株式長者の代表は、1980年代にはWalmartの創業者、Sam Walton
 →その後、ビリオネアのトップの常連となったのはマイクロソフトのBill Gates
 →その後、GAFAが躍進
  →各社が独自のビジネスモデルを国の枠にとらわれず展開し始めたことの表れ
・時価総額、2012年にAppleが首位、2018年にはAmazonがAppleを抜いた
 →直近(2020年8月半ば)で世界最大の企業は、再び評価が高まったAppleの2兆1000億ドル
 →世界のトップ企業の株式時価総額は、30年の間に10倍以上にも膨れ上がった
 →株価の上昇を主導してきた企業の株式を大量に保有する創業者やその関係者が、それにつれて大富豪に

◇ビリオネア、5年で1.5倍
・保有資産が10億ドル以上のビリオネアは、2020年に世界で2095人(米フォーブス誌)
 →合計8兆ドルにのぼる
・中期的には猛然という勢いで増えているビリオネア
 →2009年のビリオネアは793人、資産合計は2.4兆ドル
 →1人当たりの資産額の増加を伴いながら、10年で倍という驚異的ペースで伸びた
・国別で最も多いのは、世界最大の経済大国、米国
 →2020年のビリオネアは614人、3割強が米国人
 →中国のビリオネアは389人で、米国を急追
 →3位は欧州の雄、ドイツで107人
 →4位はインドの102人…バンガロールを中心に育成したIT産業
 →5位はロシアの99人
 →6位以下は、香港、ブラジル、英国、カナダ、フランス、イタリアなど
 →日本は26人で17位
・人口当たりのビリオネアが最も多いのはモナコ、1万人に1人
 →次いで、香港、11万人に1人
  →中国マネーの輸出入の窓口の役割を果たしているだけに、アジアのビリオネアの集積地に

◇富める者をより富ませる資本収益率の高さ
・2007年から2008年にかけて起きた金融危機を受けて、欧米で格差に関する研究が盛んに
 →3つの理由:
  1.問題となったサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)が、貧しい人を食い物にするような商品設計になっていたこと
  2.危機の背景となった長きにわたる信用緩和が富裕層の富を増やしたと捉えられた
  3.サブプライムローンを積極的に手掛けていた銀行に公的資金を投入して救済した
・1980年以降、米国での急速に開いた格差
 →大企業の重役たちが凄まじく高額の報酬を受け取ることになったのが大きいとの分析
・運用などによる収益率の伸びの方が、一般の人が働いて得る収益の伸びより大きい
 →ためた富がある一定の水準を超えると、ますます増えやすくなり、結果的にビリオネアがどんどん増えている

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