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正確に情報を伝えることが重要、Semiconportal英語版に最新災害情報を掲載

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日本行きの飛行機がガラガラである。「日本は放射能で汚染されているため近づけない」といった噂や、「米国西海岸での放射能レベルが上がった」、というニュースも米国にはある。日本の情報が正しく伝わらず、CNNのキャスターは東電や政府の発表を頭から信用していない上、日本の状況を香港の駐在員にSkypeインタビューで聞いているというお粗末さだ。

写真:Alfred Vollmer氏提供

写真:Alfred Vollmer氏提供


3月28日から始まったGlobalpress主催のe-Summitはいつも取材する側なのに、今回は取材されることになった。日本電子半導体産業の地震状況をセミコンポータルの英語サイトに掲載したことを主催者に報告したら、「じゃ、あなたに時間を上げるからみんなの前で説明してくれる?」と言われた。セミコンポータルの英語サイト「Emerging Tech from Japan」(参考資料1)の存在を、外国の大勢の人たちに知らせるこんな絶好のチャンスはめったにない。もちろん二つ返事でOKした。60名の欧米アジアの記者、および米国の半導体メーカーの経営層10数名に伝えられる。

私のつたない英語でウェブサイト「Emerging Tech from Japan」(参考資料1)について20分くらい説明したら、ドイツの記者がニュース(参考資料2)として採り上げてくれた。英語は下手でも気持ちが伝わったのだと思う。何人もの米国人や欧州の記者から情報をありがとうと言われ、こちらこそ貴重な機会をいただいてありがとう、とお答えした。

セミコンポータルの英語サイトでは今回の地震に対して日本の半導体・電子産業が一体どのような状況になっているのかを海外へ発信している。特に表「Mega-quake damage recovery list」を常に更新しており、最新の日本の状況を把握できる。これを海外の人たちに紹介した。

事実を事実として伝えることが今は非常に重要で、東電や政府の発表は全てウソだとか、事実を隠しているとか、尾ひれのついた噂が海外へと飛び火している。だからこそ、正確な姿を伝えることがメディアの役割である。ところが、海外のマスコミは電子・半導体産業のことよりも放射能のことばかり伝えている。電子・半導体産業の海外の人たちが欲しいのは、日本の業界情報である。どの企業がいつ再開するのか、に強い関心がある。唯一、EE Timesが伝えてはいるが、日本のメディアが何も伝えていないことに対して、米国産業人はイラ立ちを感じている。会った半導体メーカー経営陣の誰もが日本は大丈夫かと聞いてきた。だからこそ、非常に良いタイミングで状況を紹介できた。

今回のような地震情報は正しい情報を伝えることが何よりも肝心で、政府や東電は隠すことで国民を裏切ったとしたら、国民は両者の責任を必ず追及する。かといって、すべてを否定し、ろくに放射能の測定もしていないのに政府の発表の数字はウソだというようなメディアや評論家も事実から遠ざかっている。本当に正しい情報を伝えると、国民は情報を共有できることになり正しい判断ができ、責任の一部は国民の側に移り、政府も東電も自分らの責任は少なくなるのである。

参考資料
1. Semiconportal Emerging Tech from Japan
2. Update zur Lage in Japan

(2010/03/31)

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