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Microvisionが超小型ハンディプロジェクタを年末に出荷する計画

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携帯電話並みの大きさで、どこでも誰でも映せる超小型ハンディプロジェクタを米Microvision社は2009年末に製品化する計画である。このプロジェクタモジュールは大きさが2cm角強、厚さは7mmと極めて小さいため、iPodサイズの専用のハンディプロジェクタのほか、携帯電話機に実装したプロジェクタも2009年第2四半期ないし第3四半期には出荷する計画だ。Globalpress主催のeSummit2008でMicrovision社が明らかにした。


Microvision社長兼CEOのAlexander Tokman氏によると、このプロジェクタは、R、G、Bの3本のレーザーで1画面上をラスタースキャンしながら絵を作るというもの。スキャニングのミラーにはシリコンのMEMS技術で作った平面ミラーをスキャンする。ちょうど従来のCRTが電子ビームをスキャンして蛍光面に画面を表示するのと同じように、MEMSミラーでレーザービームをスキャンしてプロジェクタ面に画像を表示する。


携帯電話からコンテンツを表示する仕組み

携帯電話からコンテンツを表示する仕組み


ディスプレイ原理そのものが画素に依存しないため、拡大しても画素不連続性が見られない。しかも使い方として、据え置き型のテレビやモニターなどのディスプレイとは違い、見たいときにしか電源を入れないため電力の利用効率は高い。好きな時に好きな場所で表示すればよいからだ。しかも、オートフォーカスで投影する。投影レンズが要らないため、比較的安いコストで作ることができる。RGBの光を屈折させるために光学系プリズムを使っている。動画の表示は30フレーム/秒とテレビと同じフレームレートである。スクリーンの解像度としてはW-VGA並み、すなわち850×480画素相当だという。

ディスプレイモジュールには基本的に、データからレーザーを駆動するための半導体チップと三つの半導体レーザー、光学系、1個のMEMSミラーからなる。


MEMSミラー

MEMSミラー


用途としては、iPodなどのスマートフォンや高機能携帯電話などにプロジェクタを組み込んだコンシューマ用途や、ビジネス上のプレゼンテーションなどを簡単に示すことのできる携帯ディスプレイなどのビジネス用途がある。

ディスプレイモジュールのサイズは製品化時には5ccの大きさを予定しており、今年の年末に専用のディスプレイ装置をまず出し、2009年の第2四半期か第3四半期に携帯電話機に組み込んだ製品を出す計画である。


親指で指しているデバイスがモジュール

親指で指しているデバイスがモジュール


消費電力は現在1.5Wとこれまでのディスプレイよりも少ないが、製品化時には1.0~1.2W程度に収めたいとしている。民生用途でOEMへ組み込む場合の単価としては100ドル程度で済む、とTokman氏はみている。

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