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加速電圧の広いイオン注入装置をAxcelisが開発

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米Axcelis Technologies社は、加速エネルギー範囲が500eVから4MeVと広いイオン注入装置Optima XEをセミコンジャパン2007で発表した。CMOSデバイスの深いウェルやツインウェルの形成に高い加速エネルギーを必要とするほか、イメージセンサーのCCDやNORフラッシュメモリーにも使われる。

加速電圧の広いイオン注入装置をAxcelisが開発

今回のイオン注入装置は、枚葉式でスループットが400枚/時と高い。従来のイオン注入装置はバッチ処理とはいえ、スループットはむしろ遅く、230枚/時程度だという。それは、大きな円盤上に13枚程度のウェーハを載せ、円盤を回しながらウェーハにイオンを注入していくが、オーバーヘッド時間が無視できないためにスループットはそれほど大きくなかった。

今回の枚葉式では、イオン源から出たいろいろなイオンをアナライザ、フィルタを通して注入したいイオンだけを分離し、その後加速するまではこれまでと変らないが、ウェーハにイオンを照射する仕組みが新しい。加速したビームを1000Hzの静電振動によってスイングさせ、ウェーハに照射するビームをスキャンさせる。ただし、その前に帯電によるダメージを防ぐため、プラズマフラットガンにより電荷を中和しておく。さらに、ビームが均一になるように補正したあとにウェーハに照射する。ウェーハへの照射角度はユーザーが調整できる。

装置全体の床面積は従来の装置よりも少し大きいという。枚葉式のためのスキャニングステージを追加したためだと、している。

Axcelis社は、これまで世界中にイオン注入装置を550台以上、販売してきたが、今回の加速エネルギーの広いイオン注入装置を投入することで、さらに市場シェアを確実にしていきたいとしている。

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