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IBMのPower 10完成は2020年を目指す

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IBMは独自のプロセッサアーキテクチャPowerシリーズをWatsonなどAIや高性能サーバーに搭載しているが、現在最高性能のPower 9を公開した。1辺が2cmに近いこのサーバーチップには80億トランジスタを集積しており、チップの配線長は24kmにも及ぶという。2020年以降にPower 10を計画しているが、2020年を目指すと述べた。

図1 Power 9のパッケージ裏面(左)とチップ(右) チップの1辺は2cm近い

図1 Power 9のパッケージ裏面(左)とチップ(右) チップの1辺は2cm近い


Power 9は、1チップ内に12個のCPUコアを使っており、最高のクロック周波数が4GHzで動作する。PCIe 4に対応する最初のプロセッサで、チップの入出力バンド幅は1TB/秒にも達する。デザインルール14nmプロセスで設計しているらしく、コア当たりの性能はx86プロセッサと比べコア当たりの性能は2倍、メモリバンド幅はx86と比べて1.4倍に高めている。チップ内のバンド幅は7TB/秒と高速で、17層の多層配線を使い240億個以上のビアを持つ。Power 9には拡張性があり、最大12チップ、全部で最大192コアをつなげることができる。

IBMはPowerシリーズをずっと開発してきており、AIというべきコグニティブコンピューティングのIBM Watsonは、2010年にPower 7を搭載していた。米国のクイズ番組「Jeopardy!(ジョパディ!)」で人間のクイズ王に勝利したのはPower 7である。2012年にPower 7+、2014年にPower 8、そして2017年にPower 9を発表した。次のPower 10は2020年以降という計画であるが、できるだけ2020年の区切りの年を目指すとしている。

Power 9は、NvidiaのNVLink2を通してGPUの「Tesla」と一緒に200P(ペタ)Flopsという世界最高速のスーパーコンピュータ「Summit」に使われている。また、Power 9は、最上位エンタープライズサーバーE950/E980にも搭載されている。E980サーバーは、メインフレームに由来するさまざまな機能を数多く移植できるように、仮想化している。ハードウエアの仮想マシンとして動作する。今回、家具のニトリがPowerサーバーの顧客の一人であるが、2008年にPower 6を導入、分散化したサーバーを集約した。それ以降、安定した稼働を続け、大きな障害はゼロだとしている。Power 9はまだ搭載していない。

これまでのHPC(High Performance Computing)は、シミュレーション用に使われることが多かったが、これからのAI用途では、大量のデータの近くにGPUやCPUを配置して処理するアーキテクチャが主流になるという。

(2018/11/05)

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