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ルネサスがカーナビ向け65nmデュアルコアプロセッサを開発、3D表示狙う

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カーエレクトロニクスの世界でも65nmプロセスを使う時代になってきた。用途はカーナビゲーションだが、ここに最先端の技術を採用したデュアルコアプロセッサSH7786をルネサス テクノロジが10月からサンプル出荷する。最先端技術には65nmプロセスだけではなく、対称型・非対称型の両方に対応するマルチコアアーキテクチャや、最高速のDDR-3のDRAMインターフェース、PCI Expressバスインターフェースも含んでいる。

ルネサスはこの最先端デュアルコアプロセッサだけではなく、同じ車載用途でもこれほどの高性能を必要としないボディ系にはR8Cマイコンで対応する。車載センサーは取り扱わないが、センサーからのインターフェースやA-D/D-Aコンバータなどのミクストシグナル回路などはマイコンやSoCに取り込み、ソフトウエアも含めて車載のシステムソリューションとして顧客の開発システムをサポートする考えだ。これにより、車載用半導体で現在世界市場シェア4位からさらに上を目指す。


ルネサステクノロジ業務執行役員マイコン統括本部副本部長 三木務氏

ルネサステクノロジ業務執行役員マイコン統括本部副本部長 三木務氏


今回、発表されたSH7786は、ハイエンドのカーナビ用デュアルコアプロセッサであって、カーナビで地上デジタル放送や携帯音楽プレーヤー、CD/DVD、SDカード音楽・映像再生といったマルチメディア機能だけではなく、ETCやBluetooth、これからのWiMAXなどとの接続性、さらにはパーキングアシスト情報やカメラの死角改善、画像認識などの運転支援機能などにも使える。

スーパースケーラ型のパイプラインアーキテクチャに加え、デュアルコア方式にして並列度を上げた。性能としては、533MHzの周波数で960MIPS(million instructions per second)の性能を持つSH-4Aコアを2個搭載し、1920MIPSを実現している。対称型のマルチコアアーキテクチャは、OSを共用し共有メモリーを使うが、非対称型の応用ではCPUコアは決まったメモリーしかアクセスできないようにメモリーアクセスを監視している。

画像や映像の大量の表示や転送には、高速のデータレートが必要となるが、533MHzで動作する専用の32ビットバスを搭載しているため最大4.27Gバイト/秒と高速のDDR-3メモリーにも対応できる。この結果、高精細な高画質を表示できる。


SH7786システムイメージ


また、PCI Expressインターフェースも搭載しており、最大800Mバイト/秒の高速データを外部とやりとりできる。特にPCI Expressインターフェースを搭載した外部グラフィックスLSIとやり取りできるため、カーナビのディスプレイにリアリスティックな3次元画像を素早く表示できる。PCI Expressは、全二重方式の高速シリアルインターフェースで、差動信号のペアを1レーンとして送信、受信を分離する。PCI Express 2.0では1レーン当たり2.5Gbps、送受信合計で5Gbpsの高速伝送ができる。このレーンを2個束ねた2レーンだとデータレートはその2倍となる。このチップでは、マルチレーン構成が可能で、4レーン+1レーン構成か、2レーン+1レーン+1レーン構成を選択できる。

チップの外部にFPGAなどでPCI Expressインターフェース回路を設けると、DVDやHDDから3次元映像や画像データをPCI Expressバス、グラフィックスICを通してディスプレイに表示できる。

ルネサスは、マルチコアマイコン用のオンチップデバッギングエミュレータを提供するとともに、サードパーティとしてカナダのQNX社はSH-4Aマルチコア対応オペレーティングシステムQNX Neutrino リアルタイムOSと、開発統合ツールQNX Momenticsを提供する。

量産計画は、10月からサンプル出荷を行い、設計受注を始め、2009年12月から月産5000個で量産を始める。2012年4月から月産20万個、量産する計画である。


(セミコンポータル編集室)

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