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半導体不足に対応、新工場建設相次ぐ

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世界的な半導体不足が報じられ、早くも各社が新工場の建設に動き出した。台湾の南亜科技は台湾北の新北市にあるTaishan Nanlin Technology工業団地で、300mmウェーハのDRAM工場を新設すると発表した。ソニーセミコンダクタソリューションズは、長崎県に建設していた新工場の稼働を6月に始める。Intelはファウンドリ事業の潜在顧客が50社いるとCEOのPat Gelsinger氏が21年第1四半期決算報告で述べた。

4月20日に発表した南亜科技によると、2020年に10nmクラスのDRAMセル技術を開発しており、2023年工場完成、2024年の稼働に向けてDDR5、LPDDR5、そして16GビットDRAMをこれからの5G通信機器用に生産していく。DRAMは20nm以下、19nm、17nm、15nmと少しずつ刻んで微細化してきており、それぞれ1x nm、1y nm、1z nmと呼んでいる。さらに10nmに向けて、1αnm、1βnm、1γnmと刻んでいく傾向がある。1αnm以降はEUVが欠かせないと見て、南亜はEUVリソグラフィ装置も揃えていく。

総投資額は3000億台湾元(約1兆1000億円)で、今後7年間で3期に分けて投資していく計画だ。生産能力は300mmウェーハで月産4万5000枚。工場の建設着工は今年の末になる見込み。DRAMは64ビットシステムの定着とAIの普及により、これまでのコンピュータ需要とは別に一段と大きな需要が見込まれている。さらに5Gの進展もここに加わる。

4月21日の日本経済新聞は、ソニーが長崎県諫早市の既存工場の隣接地に5棟目となる新棟を建設したと報じた。延べ床面積は4万8000平方メートルで、クリーンルームは約1万平方メートルだという。総投資額は1000億円とみられる。現在スマートフォン用イメージセンサにおけるソニーのシェアは50%前後でトップに立っているが、生産増強の手を緩めるとSamsungなどの競合からの追い上げでシェアを奪われる恐れがあったとしている。ソニーは華為科技への供給が停止しし、小米やOppo、Vivoなどの他の中国スマホメーカー向けに切り替えたことである程度は補ったが、単価が下がったため、21年3月期の売り上げは前期比6%減だとしている。

IntelのGelsinger CEOはウェブキャストによる2021年第1四半期の決算報告において、「ファウンドリ事業を強化して半導体不足に対応していく。そのために生産能力を上げる」と述べている。同氏が述べた50社の潜在顧客が現在いると述べた。潜在顧客とは、これから顧客になりうる企業という意味で、50社の顧客がいるわけではない。しかし、潜在顧客とはよくディスカッションしているようで、クラウド顧客は特に熱狂的(enthusiastic)と述べており、次が通信、そして自動車メーカーだとしている。

同氏はすでにセミコンポータルで報じたように(参考資料1)、IntelのX86アーキテクチャだけではなく、ArmやPowerシステムなど他のアーキテクチャのCPUコアも製造する。ここでは業界標準のエコシステムを構築していく、とファウンドリの本気度をうかがわせる発言をしている。加えて、ファウンドリとしてのIntelのメリットは何かという質問に対しても、「先端プロセス技術を持つ能力があり、シリコンの設計やソフトウエア、EDAツールチェーン、そして先端パッケージと半導体の全てを揃えている点だ」としている。全て完結していることから政府系(DoDやDoEなど)のチップ依頼にも答えることができるという。

半導体メーカーだけではなく、半導体製造装置メーカーも好調だ。SCREENホールデンングスは、2021年3月期の半導体製造装置事業の受注額が過去最高水準の2600億円を超える見通しであると22日の日刊工業新聞が報じた。同社は洗浄装置の生産能力を従来比で10〜15%高め、フル生産に近い状況だとしている。また、ウェーハからチップに切り出すダイシングなどのディスコも、呉工場、桑畑工場、茅野工場がフル稼働で、増員体制を夏まで延ばすとしている。

マイクロプロセッサ後工程の新光電気工業も好調で、2021年3月期の売上額が前年比の27%増の1880億円、連結純利益が同6.7倍の180億円になったと発表した。フリップチップや自動車向けのリードフレームが好調だった。

参考資料
1. Intelの200億ドル投資は、製造力強化の序の口 (2021/03/25)

(2021/04/26)

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