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ルネサス、クリーンルームを復旧完了、生産再開は予定通り1カ月以内

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火災があったルネサスエレクトロニクスのクリーンルームN3棟の運転が4月9日午後9時ごろ再開したと、同社が発表した(参考資料1)。生産開始にはまだ至らないが、ラインの稼働を確認した。車載用半導体の供給不足はまだ続いている。また東芝に対して、CVCキャピタル・パートナーズが買収提案を行った。

ルネサスは、クリーンルーム内部の床、床下、壁および天井上下の清掃に加え、天井に配置したエアフィルタの交換により、クリーンルーム全体の除染が完了したと伝えている。3月19日に発生した火災事故から、ちょうど3週間たった発表だが、生産再開のタイミングは当初示した目標通り、火災発生から1カ月以内を目指している。これまで取引先や製造装置メーカー、部材メーカー、建設会社などから応援人員を要請し、一日当たり最大で1600人もの人たちが支援に駆け付けたという。

ルネサスの生産が解消したからといって、世界的に不足している車載用半導体不足が解消されるわけではない。車載半導体大手のInfineon TechnologiesとNXP semiconductor、スマホ用半導体のSamsungファウンドリ事業のテキサス州オースチン工場が2月における寒波の襲来と直後の停電により、工場が停止していたが、3月に生産を再開した。それでも供給不足は全く解消されていない。例えば、Infineonは、生産レベルが停止する前のレベルに戻るのには6月までかかるとの見通しを発表している(参考資料2)。

半導体不足により、日産自動車が4月から従来計画よりも3000台を減産することを8日の日経が報じた。SUV車のローグ(日本名エクストレイル)を4月と5月で2000台、ノートも4月中旬に1200台を減産するという。SUBARUは半導体を使用する部品の一部で供給に支障が出る見込みになったため、4月10〜27日間、群馬製作所矢島工場の操業を停止すると発表している。再開は5月10日から。

半導体の供給不足が続くということは、単価の値上がりを誘導し(TSMCはすでにウェーハ価格の値上げを明らかにしている)、半導体産業としては収益が高まることを意味する。ただし、生産が滞っているため、その恩恵は受けられないが、Samsungが4月7日に発表した2021年第1四半期の見通しとして、売り上げは前年同期比17%増の65兆ウォン(1ウォン=約0.1円)、営業利益は同44%増の9兆3000億ウォンになると8日の日本経済新聞が伝えた。スマートフォンが絶好調だという。半導体部門はテキサス工場の停止により減益の見通しだとしている。

富士電機はパワー半導体への投資を1年前倒ししてEV需要を取り込む、と8日の日経が伝えた。2022年度までに同社山梨県の工場などに1200億円を投資するという。

パソコン向けのSSDは、2021年第1四半期の大口取引価格が前四半期と横ばいとなり、値下がりが止まった、と7日の日経が伝えた。これからはSSDへの需要が高まり、値上がりが期待される。

東芝は、ファンドであるCVCキャピタル・パートナーズから買収提案を受領し、取締役会で検討に入ると発表した。4月7日に提案を受けたことを発表し、9日には取締役会議長名で「(この提案は)当社の要請によるものではなく、当社の事業等に関する詳細な検討を経た上でおこなわれているものでもありません。また。当該提案は、各国競争法や外国為替及び外国貿易法上のクリアランスが得られることや、資金調達が可能となることなど、多くの事項を条件としております」と述べた発表文を公開した。極めて好意的な提案だという受け止め方である。

ただ、車谷暢昭代表取締役社長は東芝に来る前にCVCの日本代表を務めていたという事実がある。また、現在の東芝の大株主のファンドと車谷氏とは対立した関係であるという報道もあり、今の段階では正確な実情はわからない。

参考資料
1. 半導体製造工場(那珂工場)の火災発生に関するお知らせ(第五報) (2021/04/10)
2. Infineon re-ramps production in Austin, Texas, and provides update on customer impact; pre-shutdown output level expected in June 2021 (2021/03/19)

(2020/04/12)

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