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DRAM、12月は1〜3%値上がり

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DRAM価格が再び上昇に向かった。12月5日の日経は1週間前に比べ1%下落したと報じたが、12月の大口価格は11月と比べ1〜3%上がったと16日の日経が報じた。iPhone Xの好調によりDRAM需要が強まっている。iPhone Xを生産している鴻海精密工業の11月の売上額は前月比9.3%と好調さがそれを裏付けている。東芝とウェスタンデジタル(WD)はようやく元のさやに納まりそうだ。

16日の日本経済新聞によると、2GビットのDDR3 DRAMの12月の大口価格が前月に比べ3%高い1個1.9ドル前後。4Gビット品は同1%高い3.6ドル前後。いずれも年初に比べ2割値上がりし、2年10ヵ月ぶりの高水準だとしている。17年はDRAMの生産能力はわずか3%しか上がらなかったが、18年に10%増になると予想している。特にSamsungは17年に投資したが、増産に至らなかった。

鴻海はiPhone Xの遅れ気味により生産が停滞していたが、11月に一気に伸びたことで、台湾のIT19社の11月の売上額は、1兆2143億台湾ドル(約4兆5800億円)と2013年1月の集計開始から最高の水準になった。19社中11社が前月よりも増収になった。鴻海は11月の売上高は5696億台湾ドルと、2年ぶりに過去最高を更新した。

2017年の半導体市場はメモリ価格が下がらなかったところに増産しなかったため、単価の値上がりそのものが売上額の上昇につながった。いわばメモリバブルの状況であったため、メモリを扱っていないTSMCは前月比0.1%増にとどまった。また、中国地場のファブレス半導体の台頭により、Qualcommと同様MediaTekも大きな打撃を受け、11月も同11.8%減と苦戦している。

先週はNvidiaのGTC Japanが開催され、Nvidia とコマツとの提携のニュースがあったが、14日に電気自動車のTeslaがAIチップを自社開発すると発表したと日経産業新聞が報じている。TeslaがNvidiaのGPU依存を減らす狙いでAMDから人材を集めていると同紙は報じているが、Nvidia依存の脱却というより、独自のAIチップを設計することが差別化できる価値を生むため自社開発するのである。NvidiaのGPUは性能こそ高く、AIの学習やHPC(High Performance Computing)に大量に使われているが、消費電力が200W以上と極めて高い。このためAIの機能、特に推論に絞るなら、もっと消費電力の少ないAI専用のニューラルネットワークチップを設計せざるを得なくなる。

13日の日経産業に小さな記事が掲載されているが、ハンガリーのIPベンダーであるAImotive社がAIプロセッサコアを国内でもライセンス供与する、と発表した。国内の半導体商社の菱洋エレクトロを通じて販売する。ビジネスモデルはArmと同じ、ライセンスとロイヤルティで稼ぐ。これもGPUで学習するとしてもAIの推論は専用プロセッサチップを起こす方が消費電力を大きく下げられる。

GaNに続くワイドギャップトランジスタのパワー半導体としてSiCの商用化準備が進んでいる。東洋炭素がSiCウェーハのテスト生産を2018年5月に始め、2020年に量産を開始する、と16日の日経関西版が伝えた。直径6インチのSiCウェーハを月産数百枚生産する。SiCウェーハ表面を滑らかにすると日経は伝えているが、エピタキシャルウェーハなのか、バルク結晶ウェーハなのか、新聞からは明確ではない。12日の日経は、ディスコがSiCウェーハのレーザー切断装置の出荷を年内に始めると報じた。

なお、東芝とWDの係争が決着する。両者は13日、お互いを相手取った法的措置をすべて取り下げ、先端メモリの共同投資を進めることで合意した。四日市工場の新製品棟で共同投資を再開することに加え、岩手県北上市で2021年以降に稼働させる予定の北上工場についても両社で共同投資する方針を固めた。今後の焦点は、中国の独占禁止法審査に絞られる。中国では現在NANDフラッシュ工場を新設中であり、ライバル関係が生じることから、すんなり通すとは考えにくい。来年のいつまでに決着するか、見守りたい。

(2017/12/18)

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