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半導体製造装置販売額で見る、日韓台への半導体製造の集中

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 SEMIジャパン、SEAJ共同による半導体製造装置販売の6月の実績が明らかになった。世界市場での販売売上は43億1700万米ドルと、昨年の39億8700万ドルと比べて、8.3%増になった。

 対前月比でみると44.3%増と急激な伸びを示している。だからと言って景気が大幅に回復してきているわけではない。

半導体装置月別売上推移

図 世界の半導体製造装置の販売売上の推移


 このグラフから見る通り、このところ、3月46億2700万ドル、4月37億5200万ドル、5月29億9200万ドルと下降気味であったが、これは季節要因によるもの。半導体製造装置の販売を見ると、3カ月おきにアップダウンを繰り返している。6月の上昇は想定内である。ただし、景気の先行きを占うと、2006年6月以来ずっと対前年比でプラス成長を持続しているが、その成長率が鈍ってきている点は要注意かもしれない。

半導体製造装置地域別市場月推移
図 半導体製造装置の地域別推移


 地域別に対前年同月比をみると、日本が3.0%、北米は-19.3%、欧州-40.7%、韓国53.1%、台湾76.9%、中国-5.8%と、地域差がきわめて大きくなっている。欧州と米国の落ち込みは激しいが、韓国と台湾の伸びが急激である。日本はわずかの成長で中国はわずかな落ち込みとなっている。

 つまり、半導体チップの製造拠点が台湾、韓国にシフトしてきていること、さらに中国への投資がやや踊り場に来ているとみるべきだろか。台湾と韓国の2007年6月の販売額を合計すると20憶3955万ドルと、世界の47.2%を占める。これに日本を加えると66.1%にもなる。日本・韓国・台湾だけで世界の半導体チップの66%を生産することになる。この数字を前年同月期で比べると、2006年6月が50.2%、2005年6月は60.5%であるから、日韓台への集中が高まってきているといえよう。

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