世界の半導体製造装置、2025年第1四半期はYoYで21%増の320億ドル
2025年第1四半期(1Q)における世界の半導体製造装置販売額は、前年同期比(YoY)21%増の320.5億ドルとなった。ただ、前期比(QoQ)では季節的な要因により5%減となった。これはSEMIと日本のSEAJが協力してまとめた調査結果である。SEMIのAjit Manocha CEOは「今年の半導体装置市場は堅調な販売で始まった」と述べている。
表1 2025年第1四半期における半導体製造装置の販売額 出典:SEMI
同氏は、「これは、半導体メーカーが投資したことで将来を見込んだ半導体市場の拡大につながる」と語っている。AIブームが継続していることで工場の拡張と製造装置の成長が見込まれる一方で、地政学上の緊張や相互関税、輸出規制などに面していてもレジリエンス(回復力)が高いことを示しているという。
今年の半導体産業は、AIデータセンター向けだけが良く、他の部門はそれほどでもない、という見方が強かったが、半導体デバイス製品よりも先に製造装置が立ち上がっている。どうやら、少しずつ回復しているとみてよさそうだ。SIAが発表した、2025年4月の半導体市場は、前年同期比(YoY)で22.7%増、前四半期比(QoQ)でも2.5%増の570億ドルの半導体販売額となっており、回復傾向が見て取れる。
ただ、製造装置の販売額をよく見てみると、中国市場が小さくなっている。表1は、西側諸国から中国市場へ出している金額であり、中国への輸出が減ってきていることを示している。実際、ASMLやApplied Materials、東京エレクトロンなどは中国向けの輸出を減らしているようだ。その地域別パーセントが減ってきているからだ。
中国市場に関しては中国でも製造装置企業がでてきており、洗浄やエッチング、デポジション装置などを製造しているNaura Technology GroupやSiCarrierなどの製造装置企業は侮れない、という見方も出ている。


