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2023年12月の世界半導体市場、前年同月比19%成長、4カ月連続プラスに

世界の半導体市場が2023年9月以来、4カ月連続プラス成長で、特に12月単月では前年同月比が2カ月連続2桁成長の19%増という結果になった。SIA(米半導体工業会)の発表した3ヵ月の移動平均値が11月にプラスに転じたと発表しているが、単月では9月からプラスになっている。セミコンポータルでは過去に引きずられない単月の金額で表している。

図1 世界半導体市場の月次推移 販売額の前年差と前年比で表している

図1 世界半導体市場の月次推移 販売額の前年差と前年比で表している


セミコンポータルでは、未来への動向を知るためにWSTS(世界半導体市場統計)の月次データを単月の推移として見てきた。12月の実績は、全世界で517億8700万ドルとなっており、前年の12月の実績値433億6566万ドルよりも19%増えている。まだ100%回復したとは言えないものの、回復傾向にあることは確かだ。

12月の地域別の前年同月比では、北米が21.1%増、欧州が6.85%増、アジア太平洋が24.8%増だが、日本だけが6.31%減であった。このことは日本市場だけが回復が遅れていることを示している。日本国内の景況感はいつになったら回復するのか、という回復の道筋がまだ見えないような話をよく聞く。

WSTSの市場の定義は、半導体製品を手渡した地域を市場としており、日本では半導体製品を使う企業の購入金額が1年前よりも少ないことを意味している。このことは、日本の半導体ユーザーが半導体を積極的に使って新しい製品を開発しようという意識が世界よりも薄いのかもしれない。

なお、2023年全体では、半導体販売額は5268億2755万ドルとなり、過去最高だった2022年の5740億8419万ドルより、8.97%の減少となった。11月のWSTSの予想では2023年の半導体市場の成長率が9.4%減と予想していたため、今回の実績数字はむしろ上向いていることになる。2024年の半導体市場は22年の数字よりも上になるという市場調査会社の予想も多い。詳細は明日のSPIマーケットセミナー「2024年の世界半導体市場、回復へのシナリオ」で議論する。

参考資料
1. 「世界の半導体市場、9月から3カ月連続プラス成長、11月は2桁成長」、セミコンポータル (2024/01/16)

(2024/02/14)
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