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2023年のスマホ出荷台数、Appleがトップに、中古市場も活性化

世界のスマートフォン市場(出荷台数)では、2010年から世界のトップに君臨していたSamsungが2023年は2位に転落、代わってAppleが首位に立った。これまでAppleはiPhoneの新型モデルを出した四半期はトップになったが、年間ではSamsungがリードしてきた。2023年にこれが逆転した。この統計データはIDCが発表した(参考資料1)。

表1 2023年のスマートフォン出荷台数 出典:IDC

表1 2023年のスマートフォン出荷台数 出典:IDC


2023年のスマホ全体の出荷台数は、前年比3.2%減の11億6690万台となった。スマホはほぼ行き渡り、クルマ同様、新型の販売台数はほぼ横ばい状態になりつつある。代わって中古市場が伸びてきている。

とはいえ、スマホのような消費者向けの商品は、経済全体の動向ともリンクしており、2024年は経済が回復する年と見られており、スマホの出荷台数はプラス成長になる、と市場調査会社のIDCは見ている。それは2023年の第4四半期になって、新型スマホの出荷台数は前年同期比で8.5%成長の3億2610万台と増えており、その勢いは2024年に引き継がれていくと見ている。しかも、第4四半期だけで見ると、Samsung以外は前年比で全てプラス成長している。

また、IDCは2023年のスマホの中古市場と2027年までの予測に関しても調査しており(参考資料2)、2023年の中古スマホは、2022年の出荷台数2億8260万台の9.5%増の3億940万台になった。IDCは中古スマホがこの先も成長していくと見ており、2022年から2027年までにCAGR(年平均成長率)が8.8%で成長していくと予測している。そして2027年には4億3110万台に達すると見ている。

経済的な混乱や政治的な動きや戦争など、不安定な要素があった2023年の新品市場は3.5%減だったが、中古市場は9.5%成長と激しく伸びた。新品の機種変更は先進国ではおおよそ40カ月ごとのサイクルだとIDCは見ており、中古市場の伸びからみて中古市場向けの在庫不足なることから2027年までプラス成長が続くと見ている。

参考資料
1. "Apple Grabs the Top Spot in the Smartphone Market in 2023 along with Record High Market Share Despite the Overall Market Dropping 3.2%, According to IDC Tracker", IDC (2024/01/15)
2. "Worldwide Market for Used Smartphones Is Forecast to Surpass 430 Million Units with a Market Value of $109.7 Billion in 2027, According to IDC", IDC (2024/01/22)

(2024/01/25)
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