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2024年の半導体市場は過去最高の624億ドル、とGartnerが予想

2023年と2024年の半導体市場の見通しを市場調査会社のGartnerが発表した。それによると、2023年は前年比10.9%減の5340億ドルになるが、24年は同16.8%増の6240億ドルと成長する。これまでの最高額は2022年の6000億ドルで、24年はそれを超えて史上最高額になる。

Semiconductors Forecast 2021-2025 / Gartner

図1 Gartnerが予想する世界の半導体市場 2024年、25年共史上最高の販売額になりそうだ 出典:Gartner


最近は生成AIなどの新規需要で半導体需要が高まっているが、それだけではまだ足りない。スマートフォンやパソコンの需要が減ったためにHPC(High Performance Computing)やデータセンターの需要まで引きずられてしまい、23年は11%の落ち込みにの落ち込みになりそうだ、とGartnerは見ている。

しかし、24年はその反動が来て大きな2桁成長をするだろうと見ている。特にメモリ市場が大きく成長するだろうという。生成AIをはじめエッジAIなどのコンピュータは、データフロー型コンピュータアーキテクチャであるため、一時的にデータを保存し、次のステップではそのデータをすぐ使うというメモリが欠かせない。

世界のメモリ市場は、2023年に前年比38.8%減と大きく落ち込んだが、24年は66.3%増加するとGartnerは予測する。供給過剰によって、弱い需要と価格の崩壊を起こしたNANDフラッシュの売上額は、同38.8%減の354億ドルに落ち込むだろうが、今後3〜6ヵ月の内に底を打ち売上額は改善するようになると見ている。その分、2024年は固い復活を遂げ、同49.6%増の530億ドルになると予測する。

DRAMもこれまで需要低迷と供給過剰が、23年の第4四半期まで続くが、単価の値上がりによりDRAMの売上額は同88%増の874億ドルに増えると予測している。

生成AIと大規模言語モデルの開発が、データセンター内にある高性能GPUベースのサーバやアクセラレータカードの需要をけん引するようになるとして、2027年までにデータセンターでは、AI技術を搭載したサーバが20%以上に増えると見ている。

(2023/12/07)
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