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2022年第3四半期にTSMCが世界のトップになる可能性がますます濃厚に

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2022年第3四半期(7月〜9月期)における世界半導体メーカーのトップに台湾TSMCが初めてなることがますます濃厚になった。これは、市場調査会社のIC Insightsが9月7日に可能性を示唆していたが(図1)、メモリ販売額の低下が3Qも続いたために、Samsungが2Qでの首位から2位に落ち、成長を続けるTSMCが首位になる可能性が濃厚になってきた。

Top-3 Semiconductor Sales Leaders Forecast for 3Q22 / IC Insights

図1 IC Insightsが予測する第3四半期の世界半導体トップスリー 出典: IC Insights


メモリの中でもDRAMが2020年後半から供給不足によって単価が上がり、それが2022年の5月まで続いた。DRAM販売額が6月に前年同月比36%減となり、7月も同21%減となった(図2)。特に7月の50億ドルは5月の半分になっている。


DRAM Market Deflates / IC Insights

図2 DRAM市場は売上額が大きく落ちている 出典:IC Insights


メモリ値下がりの原因は、世界経済のインフレと物価値上げによる消費者心理の冷え込みによるとしている。このため、スマートフォンやパソコン、テレビ、などの消費者向け電子製品に対して財布の紐が固くなったとIC Insightsは見ている。

これに対して、TSMCは、6月こそ前年同月比18.5%増の1758億7400万台湾元に留まり、半導体が不況に入り始めたとの見方が急に出ていた。しかし、7月には同49.9%増の1867億6300万台湾元となり、8月には同58.7%増の2181億3200万台湾元(約69.54億ドル)となった。8月は今のレートで約1兆円。つまりTSMCはわずか8月の1カ月で1兆円を稼ぐ企業になった。4〜6月期は5341.4億元(170.27億ドル)だったが、7月と8月の合計で4048.95億台湾元であることから、9月が仮に30%増としても1984台湾元であるから7〜9月期は6033.85億元、すなわち192億ドルになる。

米ドルと台湾元との違いに左右される面はある上に、9月の推定に違いはあるが、この数字はIC Insightsが図1で推定した202億ドルと若干の差はある。しかし、いずれの差にしてもSamsungの売上額よりは上である。Intelは第3四半期も悪く、前年同期比12〜17%減の150〜160億ドルと予測しており、1位には遠い。第3四半期においてTSMCがSamsungを抜く可能性は極めて高いといってよさそうだ。

(2022/09/21)

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