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ファブレス2強が飛躍した2008年の半導体メーカーランキング−IC Insightsから

米市場調査会社IC Insights社が3月に発表した、2008年の半導体メーカーランキングによると、大きく沈むメーカーが多い中、ファブレスの2強、クアルコムとブロードコムが飛躍的に伸びた。クアルコムは2007年の13位から8位にトップテン・ランキン入りし、ブロードコムはトップ20圏外から17位に入った。

2008 Top 20 Semiconductor Sales Leaders ($M)


トップ1位から5位までの勢力図は変わらないまでも、6位以下が大きく変わった。躍進したファブレスの2強はともにワイヤレスチップを設計しており、同じファブレスでもグラフィックスチップのNvidiaは8%減でランクを一つ落としたが20位にとどまった。

また、メモリーメーカーは単価の下落でことごとく散った。最もひどかったのは韓国のハイニックスで、33%減となり前年6位から10位へと転落した。破産申請に陥ったドイツのキモンダは前年の18位から29位へと落ち、エルピーダも20位圏外へ去った。


2008 Top 20 Semiconductor Sales Leaders ($M) Ranked by Growth Rate


昨今の金融不況の影響から、円高、ドル安、ウォン安という傾向があるため、日本のメーカーの落ち込みはドルで換算する限りさほど悪くはない。下落率の最も高いハイニックスはウォン安の影響がもろに効いた。ただし、発表されたニュースリリースでは2007年のレートと2008年のレートについて触れていない。

伸び率で見れば、ファブレスの2強は1位、2位を分け与えているが、日本メーカーも健闘しているように見える。しかし、円高を考慮して考えると、良いとは決して言えない。例えば減収減益のNECエレクトロニクスが2%増という皮肉な結果になった。逆にいえばNECはまだましである。10%程度の円高にもかかわらず2ケタ%のマイナスを記録しているルネサスやソニーは極めて厳しいといえる。


(2009/03/05 セミコンポータル編集室)

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