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NANDフラッシュの世界ランキング、キオクシアは大打撃受けるも2位を維持

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NANDフラッシュの主要企業の直近2020年第4四半期における売上額ランキングが発表された。NANDフラッシュ全体の市場は前期比2.9%減の140億9900万ドルとやや伸びが鈍化した(図1)。中国華為科技への出荷が9月15日以降停まったことに加え、在庫調整による。特にキオクシアの打撃が最も大きく11.4%減となった。

Figure1: Revenue Ranking of Branded NAND Flash Makers, 4Q20 (Unit: Million USD)

図1 直近のNANDフラッシュランキング 出典:TrendForce


NANDフラッシュ市場と企業ランキングは台湾市場調査会社のTrendForceが発表したもの(参考資料1)。20年第4四半期は本来稼ぎ時のシーズンで、出荷された製品のビット数は9%伸びたものの、単価が大きく下落したため、売上額全体では2.9%減となった。サーバーやデータセンターでのユーザーは、20年第3四半期から在庫を減らしてきているが、全体的にコンピュータ需要が大きく上がっていないためのようだ。

華為への出荷が止まったものの、小米やOppo、Vivoなどの中国スマートフォンメーカーがその分をかさ上げした。またスマホ市場として第4四半期は成長したが、データセンターの在庫がはけていない分、マイナスになったとTrendForceは見ている。スマホと同様、タブレットやクロムブックも飛躍したが、使われているNANDのビット容量はそれほど大きくないためNANDの需要をけん引するほどにはなっていない。

Samsungは華為を除く中国スマホメーカーへ需要が旺盛で、しかもPC分野も立ち上がっているので、スマホとパソコンは7〜9%増と好調だったが、ASP(平均単価)が10%も下がったため、この分野の売り上げは落ちた。サーバー部門は在庫が少なくなりつつあり、新規に発注するところも出てきたが全体的には在庫調整の段階だ。この結果、Samsung全体として前期比で3.4%減の46億4400万ドルになった。Samsungは中国西安のFab2拡張工事を続けており、韓国平沢工場でも3D-NAND工場を設立している。

キオクシアは、華為への出荷が止まっただけではなく、他の中国メーカーのスマホ需要も取り込めなかった。また企業向けSSD需要がまだ小さかったが、ノートパソコンやゲームの需要があったためにこの時期のビット出荷はほぼ横ばいとなった。ただし、ASPが8〜10%も下がったため、売上額は11.4%減の27億4900万ドルと落ちた。キオクシアは、四日市工場に第7製造棟Y7の起工式を2月25日に行い、将来の需要に応えた。Y7は1期と2期に分けて建設するが1期の竣工は2年春になる予定。また北上工場の第2製造棟K2も計画しているがまだ着工の発表はない。

キオクシアと工場を共有するWestern Digitalは、データセンターの在庫調整が滞りNANDのASPが9%減ったが、ノートパソコンの需要が高まり成長した。同社全体としてはビット出荷が7%増え、ASPが減った分、2.1%減の20億3400万ドルにとどまった。

第4位のSK Hynixはビット出荷が8%増と高まったが、ASPが8%減だったために売り上げ全体として0.2%減の16億3900万ドルにとどまった。Intelから中国大連にあるNAND工場を買収することが決まっているが、各国での認可を待っている状態で、買収完了は21年末になる見込みだ。

5位のMicronはスマホメーカーの在庫を確保する動きと、パソコン用SSD需要の急増により、ビット出荷は17〜20%も高まった。しかしASPの10〜13%減少により全体として2.9%増の15億7400万ドルになった。

Intelは20年第3四半期にデータセンターのビット出荷が25%も落ちたためにその調整から戻りつつある。ビット出荷は前期比25%とほぼ戻った。ただし、他のメーカーと同様ASPが20%も下がったため、全体で4.8%増の12億800万ドルとなった。

2021年第1四半期も売上額はややマイナスになりそうだとTrendForceは見ている。Samsungと中国YMTCの増産によりビット出荷量は増えると共にメモリセルを積み上げる層数を増やすためにビット数は増えることは間違いない。パソコンやスマホメーカーはNANDの在庫を確保するだろうが、この時期は季節柄、需要は増えない。サーバーやデータセンターも在庫調整が進み健全なレベルに戻ってきたものの、需要期ではないため売り上げとしてはむしろ減少気味に推移しそうだ。このため、21年第1四半期もやや減少になるとみられる。ただし、パソコン全体としては在庫がまだあるものの、需要が旺盛になっており、第2四半期にはNANDフラッシュの需要が戻るだろうとしている。

参考資料
1. Owing to High Demand from Smartphone Manufacturers, NAND Flash Revenue Undergoes Mere 2.9% QoQ Decline in 4Q20, Says TrendForce (2021/03/03)

(2021/03/04)

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