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新型コロナの影響で今年の半導体IC成長は4%減に大きく減少

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2020年の半導体IC製品の市場は、新型コロナウイルスの影響で前年比4%減の3458億ドル(約37兆円)になりそうだ、という見通しを市場調査会社IC Insightsが発表した(参考資料1)。同社は今年の1月にはプラス8%成長になりそうだと見ていたが、3月には3%成長、と下方修正していた。今回はさらに下方修正したことになる。

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図1 新型コロナウイルスの感染拡大でIC市場の下方修正が続く 出典:IC Insights


今回の下方修正により、同社が1月に予想した3848億ドルから390億ドルのマイナスになる。ここまで下方修正を続ける理由は、新型コロナの感染力がこれほど強いとは思わなかったからだ。感染力がSARS(サーズ)よりも強く、その80倍とも200倍ともと言われている。研究所や機関によって計算モデルや仮定が異なるために大きなズレがある。だからこそ、数字が独り歩きしないようにこれまでのウイルスや細菌よりも圧倒的に感染力が強いことだけは押さえておく必要がある。

新型コロナウイルス(COVID-19)は当初、中国武漢市から始まったが、急速に世界中に広まっている。2020年4月10日9時現在、世界中での感染者は、Johns Hopkins大学の調べ(参考資料2)では、159万5000人、死者数9万5400人、回復者数35万4000人となっている。中でも感染者が最大の米国に限ると、3月12日には感染者数1630人、死者41人だったが、4月9日には感染者数45万4615人、死者1万6074人と大きく膨れ上がった。ここまで感染力が強いと、経済活動に支障が出てくるのは当然だ。

IC Insightsは、経済活動の停滞から今年のGDPは、2009年のリーマンショック時の2.1%減並みに下がると見ている。

参考資料
1. Global IC Market Forecast Lowered From 3% to -4%、IC Insights (2020/04/09)
2. Coronavirus COVID-19 Global Cases by the Center for Systems Science and Engineering (CSSE) at Johns Hopkins University (JHU)

(2020/04/10)

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