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GaNパワーデバイス市場の立ち上がりは本物

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GaNパワーデバイスが立ち上がりそうだ(図1)。2019年9月に中国大手スマートフォンメーカーOppoがGaNパワーICを高速充電回路に採用したことを受け、GaN半導体が急速に立ち上がるという予想を市場調査会社のYole Developpementが打ち立てた。民生市場での採用はGaN市場が大きくなるという意味である。

Power GaN market

図1 GaNデバイス市場が急速に立ち上がる 出典:Yole Developpement


Oppoの発表以来、韓国Samsungや中国XiaomiなどがGaNパワーデバイスの急速充電可能な電源に採用することを明らかにしている。一部の観測では、AppleもiPhone向け急速充電用の電源を開発中だという。こういった動きから、YoleはGaNパワーICがこれから立ち上がるという予測を発表した。

Oppoが採用した電源用GaNパワーICは、米Power Integrations社製で、続くXiaomiはNavitas Semiconductor社製だと見られている。

Yoleは民生分野でのGaNデバイスの採用が決まったことから、その立ち上がりは急で、2019年第4四半期には前四半期比16%という驚異的なスピードになると予想した(参考資料1)。年率で見るとおよそ3倍である。このまま、前四半期比で2桁成長が続くという強気の見方をしている。年率に直せば、2021年まで倍々ゲームで立ち上がりそうだ。

GaNは電源用のパワーICに使えば、放熱フィンもファンも不要で、しかも小さくできるため電源アダプターを小さくできるというメリットがある。スマホの電源アダプターはすでに小さくなっているが、スマホ用には更なる急速充電が可能になる。モバイルPCにも使え、ノートPCへと広がっていく。

GaNパワーICのトップメーカーであるPower Integrationsは、3月10日に耐圧750VのGaNパワートランジスタを集積したスイッチング電源IC「InnoSwitch 3」ファミリを、InnoSwitchシリーズに追加した(参考資料2)。24ピンのInSOP-24Dパッケージに収められ、ヒートシンクなしで27~55Wの電源に使える。最大94%という変換効率を持つPowiGaN技術でモバイルからノートPCへと展開していく。1万個購入の場合の単価が3ドル前後と極めて手ごろだ。市場は広がる期待は大きい。


Power SiC market revenues: annual projection

図2 SiCは2023年からの立ち上がりとなり、以前よりもやや後退 出典:Yole Developpement


GaNのライバルの一つ、SiCはどうか。SiCもこれからEV市場で使われていくとの見方を示している。EV市場の中でもSiCが使われるのはインバータではなく、まずオンボード・チャージャーだ。これは、バッテリを充電するための回路ボードであり、ここにSiCパワートランジスタを搭載する。従来、2021~22年から立ち上がると見られていたが、2023年からの立ち上がりとなっている。SiCは大電力用途だけに、使われる応用での数量はそれほど多くはなさそうだ。市場予測会社は、SiCの立ち上がり時期を毎年後退りして更新してきたが、今回はどうだろうか。

参考資料
1. Power GaN market is booming, pushed by lot of success stories (2020/03)
2. Power Integrations Expands Range of InnoSwitch3 ICs Incorporating Robust 750 V GaN Transistors (2020/03/10)

(2020/03/19)

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