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Intelが2019年のトップを奪い返すか、メモリ単価次第

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2019年の半導体業界のトップは再びIntelがSamsungを抜いてトップに返り咲きそうだ。このように米市場調査会社のIC Insightsが発表した。その根拠は2019年にメモリ市場が24%下落する、という予測(仮説)に基づいている。Intelは自社の2018年第4四半期の決算報告で、2019年は1%成長にとどまると見ている。

表1 世界半導体メーカーの販売額ランキング 出典:IC Insights

表1 世界半導体メーカーの販売額ランキング 出典:IC Insights


IC Insightsの予測では、メモリ市場が24%下落で、半導体全体がそれに引きずられて7%低下して4689億ドルになる。IC Insightsのニュースリリース(参考資料1)では、下落する数字の根拠が示されていないが、2018年第4四半期における両社のP/L(損益計算書)をみると納得がいく。

2018年第4四半期におけるIntelの売り上げは、187億ドルで、GAAP(米国会計基準)ベースでの営業利益は62億ドルで、営業利益率は33%と超優良企業である(参考資料2)。売り上げは前年同期比9%増でパソコン市場が落ち込む中、よく健闘していると言える。Intelは脱パソコンを図っているものの、いまだにパソコン市場での売り上げが最も大きい(図1)からだ。


LEADERSHIP PRODUCTS WINNING IN AN EXPANDED TAM

図1 Intelはパソコンからデータへとシフトしつつある 出典:Intel


では同時期のSamsungの売り上げはどうか(表2)。Samsung Electronicsの半導体部門の売り上げは18兆7500億ウォン(165億ドル)、営業利益は7兆7700億ウォン(68.4億ドル)となっている(参考資料3)。つまり、第4四半期では、Intelに抜かれていたのである。

表2 Samsung Electronicsの3年間のP/L(単位は兆ウォン) 出典:Samsung Electronics

Samsung Electronics Announces Fourth Quarter and FY 2018 Results


Samsungの半導体部門売り上げの内、メモリ事業部門が83%を占めており、メモリ価格の下落が大きく影響している。メモリの中でもDRAMは在庫調整に当たっておりサーバの需要が落ち、スマートフォン需要もまだ弱い。SamsungはDRAM需要が第2四半期から戻ると見ているが、メモリ専門の調査会社TrendForceはそうは見ていない(参考資料4)。Intelのパソコン向けローエンドCPUの品不足が2019年第3四半期まで続くため、DRAM需要はこの時期まで立ち上がらないとする。

2017年から2018年の約2年間続いた半導体景気はメモリバブルによるもので、メモリ生産を抑えすぎたため、需要を賄えず単価が最大2.5倍にも上昇した。DRAMの生産量をほとんど増やさずに利益を出してきた。2018年の第3四半期が最も単価が高くなった時期で、Samsungの半導体売り上げは24兆7700億ウォン(218億ドル)と過去最高に達し、営業利益も13兆6500億ウォン(120億ドル)で営業利益率が55%という異常に高い数字になった。Samsungはロジックやファウンドリではそれほど儲けていないため、メモリだけの営業利益率はもっと高い。

DRAMユーザー(スマホやパソコンメーカー)は、生産量を増やさずに単価を上げてきたDRAMメーカーに対して、単価の引き下げ要求を強めている。TrendForceは、1カ月前の2019年2月の単価は25%下落だったが、現在は30%下落になったという(参考資料4)。DRAMユーザーは過去2年間のメモリバブル期に二重、三重発注してまでチップを確保したため、今は在庫が溜まり、もう要らない状態になっている。DRAMユーザーのしっぺ返しと言えそうだ。

Samsungもさすがにこれはヤバイと危機感を抱いたのか、DRAM生産ラインへの投資によって1x nmから1y nmへのプロセスを移行することで後半からのメモリ需要に応えていくようだ。韓国の平沢市に第2工場を建設中である。ロイターによると、SK Hynixも競争力を上げるため20兆ウォン(178億ドル)を新工場建設に投資するという(参考資料5)。Micronは台湾Micronに12インチのDRAM工場を新設中で来年末に完成する予定だ。これらの新工場はまだ完成しないため、メモリ価格の下落の進み具合で今年のSamsungの位置が決まるだろう。

NANDフラッシュに関してはデータセンター需要が旺盛になり、特にオールフラッシュアレイへの需要は現在でもむしろ増えている、とSamsungは述べている。

参考資料
1. Intel Expected to Recapture #1 Semi Supplier Ranking in 2019 (2019/03/07)
2. Intel Reports Fourth-Quarter and Full-Year 2018 Financial Results (2019/01/24)
3. Samsung Electronics Announces Fourth Quarter and FY 2018 Results (2019/01/31)
4. First Quarter DRAM Contract Prices See a Rare, Large Down-Correction, Resulting in the Sharpest Decline Since 2011, Says TrendForce (2019/03/05)
5. SK Hynix boosts investment in new South Korean chip factory (2018/10/04)

(2019/03/13)

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